新婚時代は仲が良かった夫婦でも、相手に期待しては失望することを繰り返しているうちに夫婦仲が冷めていくことがありますよね。今やお互いに気遣いがなくなり、出るのは愚痴ばかりで「結婚したのが間違いだったかも?」と悩んでいる人もいるかもしれません。



どうしてこのような変化が生まれてしまうのでしょうか。また、冷え切ってしまった関係を打開する方法はあるのでしょうか。



■新婚時代と何が変わった? 夫が感じる妻の態度の変化



まずは、新婚時代とは妻の態度が変わったと感じるという夫の声から。



・「結婚当初は「あなたも手伝ってくれたら嬉しいな」と優しい口調だったのに、今では『なんで何もしないの?』『ちょっとは手伝おうとか思わないの?』と冷たい言い方に変わりました。こんな言い方をされるとやる気がなくなってしまいます」



・「新婚の時は『今夜帰りは遅くなるの?』『明日の朝は早いの?』といつも聞いてくれましたが、今では一切質問してきません。仕事から帰ってきたら妻は先に寝ているし、お弁当は作ってくれなくなってしまいました。

正直、家族のために仕事を頑張っているのにこんな態度を取られるとちょっと虚しいですね…」



・「休日に育児を手伝うと『私の大変さが分かった?』『私はこれを毎日しているのよ』と言われることがあります。『じゃあ俺の仕事の大変さを知ってるの?』と言えば絶対に喧嘩になるので、カッとなる気持ちを抑えています」



このような状況の原因は妻の怠惰という場合もあるかもしれませんが、ある日突然、態度が変わったということは考え難いもの。ここに至るまでには、辛い時や頼りたい時に夫が力を貸してくれなかったという失望の蓄積があったのかもしれません。



■「結婚したら幸せにしてもらえる」という期待が原因?



2015年、雑誌『AERA』で「結婚はコスパが悪い」という特集が大きな話題になりました。努力すれば報われる仕事や趣味とは違い、結婚は不確実なところ多いという内容です。



結婚前に「結婚して幸せになりたい」と思うとき、その言葉の裏にはパートナーとなる人が「自分を幸せにしてくれる存在」であるという期待が少なからずありますよね。

共働きが当たり前の時代となりましたが、それでも男性の場合は「仕事に集中できるように家事や育児をお願いしたい」、女性の場合は「家族のために稼いでほしい」という気持ちがないとは言えないでしょう。



しかし現実には、一生懸命稼いだお金が生活費に消え、小遣いと趣味の時間を削られ、パートナーが不機嫌にならないように記念日のプレゼントを選ぶなど、自分の時間やお金を自由に使えないことも多くなります。



また、料理にかけた時間や手間が「飲み会になったから」という一言で無駄になったり、家事や育児に協力的ではないパートナーには期待できずワンオペ育児でエネルギーを使ったり、場合によっては思いがけぬ裏切り行為に遭うことも。



さらに、配偶者が思い通りに行動せずにイライラしていると、結婚することのメリットより、自分の時間やエネルギーを「奪われる」というデメリットを大きく感じることもあるでしょう。



本来、結婚したらお互いに支え合わないとギクシャクしてしまいます。たとえば、妻が時短勤務や専業主婦だからといって家事や育児を丸投げしていたら疲弊してしまうでしょう。

一方で、仕事で疲れている夫に「稼ぐのは当たり前」という態度を妻がとれば、やる気も失せるというものです。



相手に幸せにしてもらおうという期待は捨て、「奪われる」と感じる行為を逆に「与える」と感じられるかどうかでも、2人の関係はずいぶん変わってくるのではないでしょうか。



■冷めきった夫婦関係を打開するには?



中には、色々な要因が蓄積して「完全に夫婦関係が冷めきってしまった」という場合もあるでしょう。しかし、離婚という決断をしない限り一生を共にするパートナーなのですから、できれば良好な関係に戻りたいですよね。では、手始めにどんなことをすればいいのでしょうか。



自分の行動を変える

相手をコントロールするのは非常に難しいもの。関係を改善したいならまず自分の行動を変えてみましょう。

たとえば今までやっていなかった家事を担当する、つい咎めることばかり言うのをやめて一言でも相手をねぎらう言葉をかけるなど、小さなことでいいのです。お互いにパートナーのことを気遣っているという姿勢を見せることが大切です。



笑顔で話しかける

夫婦関係が冷め切っていると、会話は最小限でネガティブなことだけを相手に伝えがちになります。これでは「話しても嫌な気持ちになるだけ」と思い、会話を避けてさらに距離が遠くなる悪循環になってしまいます。たとえば、「おはよう」などという挨拶からでいいので笑顔で話しかけ、「パートナーと会話することは楽しいことだ」という感覚を取り戻すことから始めましょう。



少し照れくさいかもしれませんが、パートナーのファションをほめたり、してくれたことへの感謝を口にすれば、次第に雰囲気が和やかになっていくはずです。



■まとめ



いくら夫婦とはいえ元は他人です。相手に幸せにしてもらおうと期待しすぎていると、思い通りにならずにガッカリしたり、結婚が正しかったのかと悩んだりしてしまうこともあるでしょう。しかし、家庭というチームを一緒に支えるのが本来の形。相手にばかり要求するのではなく、お互いに「支える」「思いやる」という気持ちを忘れないことが大切です。



すでに夫婦関係が冷え切ってしまっているのなら、自分の行動を変え、笑顔でパートナーに接することから始めてみてください。自分が変わるで、相手も自分の態度を改めやすくなり、また良好な夫婦関係を取り戻せるかもしれませんよ。