「ベジタリアン」「ビーガン」などといった食事方法・思想は、海外セレブやモデルたちの間でも流行っていることから、日本でもよく聞くようになりました。



肉や魚など命が宿っているものを食べないベジタリアンやビーガンですが、不思議なことに彼らのほとんどは「外国人」。



筆者の友人にはベジタリアンが多いのですが、その全員はイギリスやアメリカなどから日本に移住してきている外国人なのです。



なぜ外国人たちはベジタリアンやビーガンになっていくのか?今回は、イギリス人とアメリカ人のベジタリアンたちに、ベジタリアンになったきっかけについて聞いてみました。



■ベジタリアンになったのは「動物がかわいそうだから」



筆者の友人であるイギリス人カップルは、日本に移住してきて約10年。筆者が運営していた英会話教室のネイティブ講師として派遣されてきたのが出会いのきっかけで、食事をする機会も頻繁にある間柄です。



彼らに招かれてホームパーティーを行ったことも数え切れないほどありますが、印象的だったのは、凛とした眼差しで「We don’t eat any meats. (私たちは肉を食べません!)」と宣言していたこと。



なぜ肉を食べないのか聞いてみると、友人カップルは口を揃えてこういいます。



「動物がかわいそうでハンバーグなんて食べられない!」「牛や豚などの動物は、犬や猫と同じ。殺して食べるなんてあり得ない!」と…。



今までベジタリアンとは「肉や魚が嫌いなだけ」「ダイエットのため」「宗教上の都合」と考えていた筆者は、彼/彼女らの発言を聞いて衝撃を受けたものです。



■「ベジタリアン」と「ビーガン」の違い



「ベジタリアン」とはどういう人のことをいうのでしょうか。



日本ベジタリアン協会によると、「ベジタリアン」の定義は流動的で、現在は「畜肉を食べない人」を広義なベジタリアンとする傾向があるようです。



また、一言で「ベジタリアン」といっても、植物性食品に加えて乳・乳製品を食べる人たちを「ラクト・ベジタリアン」、植物性食品と乳・卵を食べる人たちを「ラクト・オボ・ベジタリアン」というそうです。



その他には、植物性食品・乳・卵と魚を食べる「ベスコ・ベジタリアン」や、鶏肉を食べる「ボーヨー・ベジタリアン」などがありますが、国際ベジタリアン連合はこれらのタイプをベジタリアンと認めていないようです(※)。



ですが、近年では「ビーガン」にも注目が寄せられていますが、ベジタリアンとビーガンは何が違うのでしょうか?



ベジタリアンは先ほどお伝えしたように「畜肉を食べない」人たちのことですが、ビーガンはもっとストイック!



「完全菜食主義者」との別名もあることから、ビーガンの人たちは、命ある動物から採取された食品(卵や牛乳、チーズ、はちみつ、ゼラチンなど)は一切口にすることはありません。



それどころか、羊の毛からできているウール製品や毛皮も着ることがなく、革製のハンドバッグや財布などもNG!ボディソープやシャンプーなど徹底的にこだわり、植物性の原料が使用されているもののみを使用するのがビーガンです。



日本ベジタリアン協会によると、「ビーガニズム」とは、「食用・衣料用、その他の目的のために動物を搾取したり苦しめたりすることを、できる限り止めようとする生き方」としています(※)。



このように、ビーガンはベジタリアンよりも徹底した動物愛護のポリシーがあるため、衣食住に関して多くの規制がかかるという特徴があります。



■ベジタリアンやビーガンたちの悩みとは



筆者の友人には多くのベジタリアンやビーガンたちがいますが、彼らの悩みといえば「外食をしても食べられるものが少ない」ということ。



外国に比べると、日本人のベジタリアンやビーガンは圧倒的少数派。
日本にあるレストランの多くには、ベジタリアンやビーガンが食べられない肉や魚、動物性の出汁を使用した料理で溢れていますよね。



筆者の友人たちも「もっぱら家でクッキングしているよ」という場合が多く、日本の飲食店にはベジタリアンやビーガンの人たちが楽しめるメニューが少ないことを思い知らされます。



多くの外国人が日本に訪れる東京オリンピックまであとわずか。世界中から多くのベジタリアンやビーガンたちが日本へやってくることを考えると、今から彼ら向けのメニューを考案しておくのも賢いビジネス戦略かもしれませんね。



【参考】
(※)「ベジタリアンとは?( http://www.jpvs.org/menu-info/ )」日本ベジタリアン協会
 



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