毎日忙しく家事や育児をしていると、実家で暮らす独身兄弟の優雅さが羨ましくなることはありませんか?最近話題になった「子供部屋おじさん」。成人したのちも親元を離れず実家の子供部屋で生活している独身男性のことを指す言葉として、最近使われるようになってきました。

自由気ままな本人たちですが、中には心中穏やかではない家族も存在するようです。



■「あの子のお金は用意したから」



お正月休みに3歳下の弟さんと顔を合わせたというYさん。弟さんは子供の頃身体が弱かったこともあり、お母さんはいつも先回りして弟さんの世話を焼いていたそうです。現在、自宅から通える会社に勤めている弟さんですが、ご飯や洗濯は母が担当し、趣味にお金がかかるため家にお金を入れないでいるといいます。



「弟には何度も家にお金を入れる様に伝えました。しかし弟は『親が大丈夫だっていうんだから別にいいだろう』の一点張り。

弟曰く『かあさんは俺が毎日楽しく暮らせることが親の幸せだっていうんだからそれに甘えて何が悪い』んだそう。当然弟は貯金もなく、この先のことなど考えていない様子です」



弟さんを甘やかしすぎではと何度も忠告しモヤモヤしているYさんに対し、お母さんはすまなそうな顔をしながらこう言ったそうです。



「私やお父さんももうそんなに長くないことはわかっているの。自分たちの老後はあなたたちに迷惑をかけないように準備も始めているから安心して。でもね、あの子はそんな風に寄り添う相手に出会えなかった。あなたのような立派なパートナーに恵まれなかったあの子はかわいそうだと思う。

だからこそ、姉であるあなたが年を取ったときあの子のことも気にかけてあげて欲しい」ハッキリは言わなかったものの、お母さんの話は「自分たちが世話しきれなくなったら弟を私たち夫婦で面倒見て欲しい」そういった内容だったといいます。



それを聞いたYさんは「弟が独身を通すことに異論はない。だったら今からあの子に少しでも自立するよう教えたらどうか」と筋を通すよう話しました。お金のこともしっかりさせるべきだと伝えたところ、お母さんから「そこはあなたたちに迷惑をかけないようにしてあるから。本当に、病気や怪我のときに助けてあげて欲しいの」と言われてしまったそう。つまり、お母さんは自分たちだけではなく弟さんの老後に向けてまで貯金をしていたのです。

自分たちの死後まで弟を過保護に守ろうとする親に対し、Yさんは開いた口がふさがらなかったといいます。



■おいしいところ取りをしようとする兄弟



Yさんのお母さんのように、本人が望んでいないところで将来のレールを敷かれている人もいれば、結婚・出産し子供がいる兄弟姉妹を利用しようとするパターンもあるそう。



・「旦那の妹はアウトドアが趣味。冬場などは毎週のようにスノーボードに出かけ、独身を謳歌しています。先日、派遣社員を今後も続けていくのか旦那が質問したところ『結婚も面倒くさいし、今さら正社員を目指す気もない。でもこの家には息子くんもいるし、年を取ったらみんなで暮らせばいいんじゃない?』と言われました。

私たち夫婦は息子が成人したら二人で生きていこうと話し合っています。それなのに『あの子はこのうちの跡取りなんだし、私も同じ苗字なんだから』と笑いながら息子の世話になろうとする義妹。お年玉すら息子にくれたことのない人が、どこまで他人まかせな性格なんだとイライラしました」



・「姪っ子大好きな姉はプレゼントやパーティーが大好きです。『この子たちがいるから自分は独身でも平気』と口癖のように発言します。子供が小さかったときは私も娘たちも喜んでいたのですが、上の娘はまもなく中学生。『もうおばさん呼んでパーティーとかやらなくてよくない?』という娘の意見もわからなくありません。

でも、姪っ子命な姉を突き放すのは心苦しくて…。『お腹を痛めず大切な存在ができた私はラッキー』と笑う姉に、卒業を言い渡すのが今から憂鬱です」



■まとめ



自分たちにとって血を分けた兄弟とは、仲良くできるのであればそれに越したことはありません。しかし、結婚をして家庭を持つとその家には新たなルールが生まれるものです。



自分やパートナー、子供たちが違和感を覚えないのであれば、その関係は問題ないのかもしれません。しかし、望まない形で家庭内に入ってくるようであれば、それが揉め事の火種になってしまうことだってあります。周囲は「血のつながった兄弟」ということで仲良くすることや責任を簡単に押し付けます。

そういった事態にならないように、不安があるときは一度きっちり話し合い、線引きしてみてもいいかもしれません。