クレジットカードはキャッシュレス決済の代表的な存在ですが、最近では様々なキャッシュレス決済の方法があります。その中でもデビットカードは、感覚的にはクレジットカードと似ているものの、どちらを使うべきか迷っている人もいるかもしれませんね。



実際にはクレジットカードは後払いで、デビットカードは即時決済なのですが、利用できるシチュエーションは非常に似通っています。



そこで今回は、どちらのカードを利用するべきかを考えるときのヒントとなるように、クレジットカードとデビットカードそれぞれの特徴について説明していきたいと思います。



■保有率には3.5倍の差がある



JCBが2018年に行った「クレジットカードに関する総合調査」によると、クレジットカードの保有率が84.0%なのに対して、デビットカードの保有率は23.5%と、保有率には約3.5倍もの差があります。



クレジットカードが言わば「老舗」なのに対して、デビットカードが「新興勢力」であることを考えると、保有率に差があること自体はそこまで驚くことではありません。



ただ、クレジットカードを利用している層の中には、好んでクレジットカードを選択しているというよりは、今まで使い続けてきたから何となく…という理由で、クレジットカードを利用している人も一定数いると考えられます。



クレジットカードとデビットカードそれぞれの特徴やメリットを今一度考えたうえで、自分のライフスタイルに照らし合わせてみると、デビットカードの方が使いやすいという人も出てくるかもしれません。



■ポイント還元率や付帯サービスが優れているのはクレジットカード



デビットカードと比較した場合のクレジットカードのメリットとして、まず考えられるのはポイント還元率の高さです。両者とも、決済した金額に応じてポイントが貯められますが、デビットカードのポイント還元率が0.5%程度なのに対して、クレジットカードには1.0%~1.5%程度の高い還元率を有するものもあります。



仮に年間で決済する金額が100万円だとすると、ポイント還元率が0.5%だと5,000ポイントしか貯まりませんが、ポイント還元率が1.5%だと15,000ポイントが貯まります。



貯めたポイントは1ポイント=1円相当で利用できることが多いので、高還元率のクレジットカードであれば、デビットカードよりも年間で1万円近くお得なことが分かりますね。



また、海外旅行傷害保険や空港ラウンジサービスなどの付帯サービスは、デビットカードよりもクレジットカードのほうが優れていることが多く、デビットカードでは付帯サービスがほぼない場合もあります。



決済手段として利用する以外の+αを求めている人は、クレジットカードを利用するべきと言えるでしょう。



■現金に近い感覚で利用できて「使いすぎ」を防げるのはデビットカード



デビットカードは、口座に入っているお金を利用して決済をするので、現金と同じような感覚で利用できます。



クレジットカードのように後払いではなく、支払い方も一括のみで分割払いやリボ払いといった支払い方法は利用できませんが、それこそがデビットカードのメリットとなります。



口座に入っている金額までしか決済できずに一括でしか支払えないということは、必然的に「使いすぎ」を防ぎ、節約につながるからです。



手元の現金が減らないのをいいことにクレジットカードをどんどん利用して、明細で引き落とし金額を確認して青ざめる、といった経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そういったことを防げるのは、デビットカードの優位性なので、ついつい使いすぎてしまうというような人には、デビットカードがおすすめです。



また、後払いではないので審査も必要なく、銀行口座を所有し年齢条件を満たしていれば、誰でも発行可能なことも見逃せません。クレジットカードを発行できない人にとって、その代替手段としてデビットカードは魅力的な存在ですね。



■両方持っておいて用途で使い分けるのもアリ!



ここまで、クレジットカードとデビットカードのそれぞれのメリットについて見てきましたが、両者は二者択一というわけではなく、両方を所有して使い分けることも可能です。



デビットカードは現金と同じような感覚で利用できるので、普段使い用もしくは衝動買い防止用としての利用が便利です。



クレジットカードは高額な買い物をしたい場合に分割払いすることで、口座から一気にお金がなくなるのを防げます。



それぞれの特徴をしっかり理解することで、利用しやすいシチュエーションも自ずと分かってくるので、適材適所で利用すると良いですね。



■まとめ



クレジットカードとデビットカードは見た目こそよく似ていますが、決済手段としての特徴は大きく異なります。

そのため、決済手段にどのようなことを求めるか、無駄遣いしてしまうクセがあるか、そもそもクレジットカードの審査に通るのかなど、自分の普段の生活を振り返りながら検討してみましょう。



今までクレジットカード、もしくはデビットカードの一方しか使ってこなかったという人も、自分にとって新しい決済手段に目を向けてみてもいいかもしれませんね。



【参考】「クレジットカードに関する総合調査 2018年度版調査結果レポート( https://www.global.jcb/ja/press/news_file/file/report2018.pdf )」(JCB)
 



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