結婚したら夫婦は運命共同体。なんでも一緒、お互いのことは包み隠さず報告しよう、夫婦ふたりの間に秘密は無しにしましょう…。

一見「なんて素敵な夫婦」と思ってしまいそうですが、実はそうでもないようです。



夫婦仲良しの秘訣、それは「共有する部分はほんの少しだけ」にしておくこと。いったいなぜか…? その理由をご紹介しましょう。



■結婚したのだから「報告義務がある」!? 



メーカー勤務のHさん(34歳)は、5歳年下の妻と結婚して2年。ふたりの間に子供はいません。Hさん夫婦は、休日はいつも一緒にお出かけ。まさに「オシドリ夫婦」と会社でも評判なのですが…実際はそんなことはないようです。



「正直、結婚を後悔しています」



Hさんはため息交じりにそう答えました。結婚するにあたり、奥さんから「夫婦間で隠し事は無しにしましょう」と告げられたHさん、夫婦なんだから当たり前…とばかりに二つ返事でOKしたのだそう。



「もともと妻はヤキモチ焼きで疑り深い性分だったんですが、自分自身何もやましいことがなかったので、特に気にしていませんでした。でも、結婚したらまさかこんなに気詰まりになるなんて…」



婚姻届も出し、いよいよ結婚生活がスタートしました。すると妻は「ふたりの間に秘密は無しだから」と、Hさんのスマホを勝手に見たり、Hさんのスケジュール帳を開いたりするように。



「僕の目を盗んで見るのではなく堂々と僕の目の前で見ている。で、不審に思うことがあると『このLINEの相手は誰なの?』『この日のスケジュール何なの?』と聞いてくる。いわば監視ですよ」



会社帰りに飲みに行くことになり、妻に電話すれば「誰とどこに行くの? 帰りは何時?」と矢継ぎ早に質問。「そんなのわからない」と答えようものなら烈火のごとく怒りだし、「あなたは既婚者なんだから報告義務がある」とHさんを責め立てるのだとか。



「隠し事をしないって、なんでも逐一報告することなんですかね…。最近は『報告義務がある』という言葉を聞くたびに、愛情が冷めていくのを感じます。



■必要なのは「共有」ではなく「共感」



はたしてHさんの妻が言う通り、夫婦間には「報告義務」というものが存在するのでしょうか? はたまた「夫婦でなんでも共有する」ことは本当に正しいことなのでしょうか…? Hさんの発言が、答えを物語っている気がします。



思うに、Hさんの妻が間違っているのは、Hさんをまったく信用していないこと。休日に一緒に行動するのも、おそらくHさんと一緒に楽しい時間を過ごしたいからではなく、Hさんを自分の監視下に置いて安心したいから…ではないでしょうか。



Hさんの例は極端ではありますが、世の中に“ニコイチ”夫婦はたくさんいます。「夫の同窓会に妻が付いてくる」「妻のママ友会に夫も一緒に参加する」なんて夫婦も世の中にはたくさんいるそうです。本人はそれで満足なのかもしれませんが、周りにすれば話題に気を使うし、無下にもできないし…で、ものすごく気疲れしてしまいますよね。

やはり、夫婦ですべてを共有する、というのは無理があるのでは…と思う筆者です。



よく、恋人同士が長続きする秘訣として「お互いの時間、お互いの世界を大切にすること」「相手に依存せず、自立すること」が挙げられますが、夫婦にも同じことが言えるはず。結婚するまでは、お互いのプライベートを大切にしたほうがうまくいき、結婚したらお互いのプライベートに干渉するほうがうまくいく…なんてことはありえない、と思うのです。



大切なのは、「相手のスケジュールをすべてわかっている」ことではなく「相手の人間性をしっかりわかっている」こと。お互いの交友関係やスケジュール、スマホの中身…なんでも「共有」するのではなく、相手の価値観や考え方に「共感」できること。これぞ理想の夫婦だと言える気がします。



■まとめ



夫婦がいくら共有してもいいのは「気持ち」だけ。夫婦間でもお互いのプライベートは「不可侵領域」として大切にしたいもの。そのためには、絶対的な信頼関係を構築しておく必要があります。



不思議なもので、信頼関係がしっかりとしていれば、こちらから聞かずとも自然と「今日は○○と会う」と相手から話をしてくれるようになるものです。お互いのことを「義務」として共有するのではなく、日常の会話の一環として共有している──これぞ「仲の良い夫婦」と言えるのではないでしょうか。



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