■藤井聡太”新棋聖”誕生で「観る将」も増える!?



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2020年7月16日、将棋の八大タイトル戦の一つ「ヒューリック杯棋聖戦( https://www.shogi.or.jp/match/kisei/ )」の最終対局で藤井聡太七段が勝利をおさめ、「藤井新棋聖」が誕生しました。18歳の誕生日を3日後に控えた(※1( https://www.shogi.or.jp/player/pro/307.html ))タイトル獲得は、1990年に屋敷伸之現九段が達成した将棋史上最年少記録「18歳6カ月」を7カ月更新するものです。

(※2( https://www.shogi.or.jp/news/2020/07/200716_n_fujiisota_record.html ))



我が子や孫を応援する気持ちで見守っていたファン、彼に憧れる将棋キッズたちはたくさんいるでしょう。また、将棋には詳しくないけれど、彼の快進撃をきっかけに、将棋や棋士に興味を持った、という人も多いのではないでしょうか。



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■「観る将」って知ってますか?



将棋を「指す」より「観る」のが好き、という新しいファン層のことです。対局時の食事や衣装、棋士の日常など、対局内容以外にフォーカスした報道も多くなりましたよね。将棋ファンのすそ野が広がりつつある印象を受けます。



今回は、どれくらいの人が将棋を指しているのか、費用はどれくらいかかるのか、などをみていきたいと思います。



(※1)藤井新棋聖は2002年7月19日生まれです。「藤井聡太 棋士データベース( https://www.shogi.or.jp/player/pro/307.html )」公益社団法人日本将棋連盟
(※2)「藤井聡太七段、史上最年少でタイトル獲得!( https://www.shogi.or.jp/news/2020/07/200716_n_fujiisota_record.html )」公益社団法人日本将棋連盟



■「将棋人口」ってどれくらい?



将棋を指す人って、どれくらいいるのでしょう?正確な数字は把握しづらいですが、公益財団法人日本生産性本部が刊行している「レジャー白書 2019( https://www.jpc-net.jp/research/detail/002739.html )」の、余暇活動に関する調査データが参考になりそうです。なお、調査対象は15歳以上79歳以下の男女です。



同書の「余暇活動への参加・消費の実態」によると、2018年の将棋の参加人口は680万人です。この数字だけではちょっとイメージしにくいかもしれませんね。囲碁・麻雀と比較しながら、過去10年間の参加人口(※3)の推移をみてみましょう。



(※3)「参加人口」の定義について
ある余暇活動を、1年間に1回以上おこなった人口(全国、推計値)。参加率に2019年1月現在の総務省統計局の推計による15~79歳人口9,988万人(男性4,962万人、女性5,025万人)を掛け合わせて推計。性年代別構成比は、性・年代別参加率に性・年代別の人口を掛け合わせて推計。(「レジャー白書2019(p11 調査仕様)」より抜粋)



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公益財団法人日本生産性本部の資料をもとに編集部作成



上のグラフによると、将棋の参加人口は約680万人(2018年)。推移をみてみると、囲碁に常に2倍以上の差をつけていますが、麻雀とはいい勝負といった感じでしょうか。ちなみに、参加人口の規模が近い余暇活動を挙げると、バドミントン・登山(680万人)、ゴルフ[練習場](660万人)、洋裁・和裁(650万人)などです。何となくイメージできましたか?



次は、性別・年代別にみた参加者の割合をみていきます。



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公益財団法人日本生産性本部の資料をもとに編集部作成



どの年代でも、男性>女性となっていますね。男女別の特徴をみてみましょう。女性は20代から50代にかけて緩やかに増えています。これに対し男性は、10代から50代にかけて増加・減少を繰り返し、50代から70代にかけて増加を続けています。リタイヤ後の趣味として選ぶ男性が多い、ということが推測されますね。



また、この調査は「15歳未満」は対象外。家族と指す、将棋教室に通っているなどの小中学生を含めた場合、将棋の参加(競技)人口は、先述の680万人という数字を大幅に超えると考えてよいでしょう。(約1000万人と推計されることも多いようです)



次は、同白書「余暇活動への参加・消費の実態」(2018年)から、「参加希望率」と「費用」について、囲碁・麻雀との比較もまじえながらみていきます。



参加希望率

将棋…8.4%
囲碁…4.5%
麻雀…8.6%



参加希望率は、「将来やってみたい、あるいは今後も続けたい(回答者)」とする人の割合です。ちなみに、先に挙げた「バドミントン」は7.8%、「登山」は13.8%となっています。



1回当たり費用

将棋…560円
囲碁…1,080円
麻雀…580円



年間平均費用:下段( )内は内訳

将棋…7,100円
(用具2,400円、会費等4,700円)



囲碁…2万300円
(用具9,800円、会費等1万500円)



麻雀…8,100円
(用具----、会費等8,100円)



■将棋の「年間平均費用」の推移
2012年…900円
2013年…2,300円
2014年…2,700円
2015年…6,700円
2016年…2,700円
2017年…7,100円
2018年…7,100円
(囲碁について全てのデータの記載がないため、将棋のみの掲載とします。)



■さいごに



新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、私たちの生活方式は激変しました。余暇の過ごし方にも大きな影響が出ると考えられます。2020年7月現在、各地でイベントやアマチュア大会が延期・中止となっているほか、将棋道場や教室などではソーシャルディスタンスの確保に苦戦しているようです。



遠出が不要、道具などの初期費用も手頃で、年齢や体力に関係なく楽しめる将棋は、家族の共通の趣味としても好条件ではないかと思われます。「将棋ウォーズ」「将棋倶楽部24」といった対局サイトの認知度も高く、本格的なインターネット対局が可能です。自宅で感染症リスクを気にせず楽しめそうですね。



将棋は指せるけど対局相手が見つからなくて…という人はオンライン対局で。

ルールが難しくて、敷居が高そう…、と感じている人は「観る将」から楽しんでみてはいかがでしょうか。



「ヒューリック杯棋聖戦( https://www.shogi.or.jp/match/kisei/ )」公益財団法人日本将棋連盟
(※1)「藤井聡太 棋士データベース( https://www.shogi.or.jp/player/pro/307.html )」公益社団法人日本将棋連盟
(※2)「藤井聡太七段、史上最年少でタイトル獲得!( https://www.shogi.or.jp/news/2020/07/200716_n_fujiisota_record.html )」公益社団法人日本将棋連盟
「レジャー白書 2019 余暇の現状と産業・市場の動向」公益財団法人日本生産性本部
(「レジャー白書2019 プレスリリース( https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/R10attached.pdf )」 )



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