ハーブは生命力にあふれ、丈夫で育てやすい植物。環境が合えばどんどん大きくなるので、育てて楽しい植物でもあります。
ハーブの種類はとても多く、一年草、多年草、木本類などに分類されます。このうち多年草で耐寒性があるもの、木本類は冬越しが可能です。
冬になると地上部は枯れる場合もありますが、実は根は生きています。毎年芽吹くのを心待ちにして育てるのも、楽しみ方のひとつといえるでしょう。
本日は、ハーブの寒さ対策と冬越しができるおすすめハーブ5つを紹介します。冬でも育てられるなら、ベランダでも栽培可能。さっそくみていきましょう。
■ベランダで育てるハーブの寒さ対策
ハーブは基本的に丈夫な性質。環境が合えば、ぐんぐん生長します。
多年草のハーブは基本的に冬越しが可能ですが、寒くなると生長のスピードが遅くなり、地上部が枯れてしまう場合もあります。
枯れてしまっても根が生きている場合もありますので、春になるまで気長に見守りましょう。
ただし、寒い朝に霜が降りるような地域は注意が必要です。
このようなことにならないよう、寒さ対策をしてあげるといいですね。ベランダで育てていても、鉢植えだと防寒の対策もしやすくオススメです。
冷え込みが一段と厳しい時期は室内にも入れることもできます。
防寒対策は下記の4つが一般的です。
■マルチング
株元や土の上に藁やココヤシを敷いたり、バークチップで株元を覆う方法です。円形の専用マットも販売されています。育てるハーブにより適したものを選びましょう。
■二重鉢(鉢カバー)
ハーブを植えてある鉢を、さらにひと回り大きな鉢にそのまま入れることです。このようにすることで保温効果が高まります。隙間にプチプチなどの緩衝材を入れると、さらに保温効果がアップします。
■鉢を覆う
二重鉢にも似ていますが、鉢に古くなったバスタオルやフリース素材の布などを直接巻きつける方法です。
■ビニールなどで全体を覆う
支柱を立てて、ビニールや不織布なので覆う本格的な方法です。資材が販売されていますが、不織布が手に入れば手作りできます。
ビニールは熱がこもりやすいので、晴れた日は温室のようになってしまいます。急激な温度変化はハーブにとってもストレスです。このような場合は取り外しましょう。
■冬越しできるハーブ!おすすめ5選
寒さに強く冬越しできる、おすすめハーブを5つ紹介します。
■ミント

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ミント(stranger.studio/Shutterstock.com)
- シソ科
- 多年草
- 草丈:20~90センチ
- 品種:スペアミント、クールミント、パイナップルミント、アップルミントなど
- 参考価格:200円前後(ポット苗)
ペパーミントは古くから薬用、料理として用いられたハーブ。品種が多く、葉の形や香りも異なります。数種類を合わせて育てると、見ためもキレイ。観葉植物として育てることもできます。
生育が旺盛で比較的育てやすいのが特徴。
外に置いておくと地上部だけ枯れる場合がありますが、根は生きています。枯れてはいないので、土が乾燥していたら水をあげましょう。
地上部が枯れている、もしくは葉の量が少ない場合は水やりは少なめで大丈夫です。頻回の水やりは根腐れの原因になります。
春になると再び芽吹き、緑色のキレイな葉がこんもりと茂るようになります。
■レモンバーム

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レモンバーム(Julia Tsokur/Shutterstock.com)
- シソ科
- 多年草
- 草丈:20~70センチ
- 参考価格:200円前後(ポット苗)
レモンを思わせるさわやかな香りがするレモンバーム。初夏に白い小さな花が咲く、なんとも可愛らしいハーブです。
生育が旺盛で強健。手間もほとんどかからないでしょう。ポットから植え替えて、環境が合うと早々と大きくなります。
気温が下ってくると、葉を落として枯れ始める場合もあります。根は生きているので、春まで様子を見ましょう。
生長が著しく株の姿が乱れてしまった場合は、初冬に短く切ってしまっても問題ありません。
春になると新芽が出てきて株の姿がキレイに整います。
肥料は春先に元肥を与え、生長期に追肥しましょう。こうすればしっかりとした葉が収穫できます。
■オレガノ

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オレガノ(Stocksnapper/Shutterstock.com)
- シソ科
- 多年草
- 草丈:20~90センチ
- 参考価格:200円前後(ポット苗)
オレガノも品種が多いハーブのひとつ。ワイルドマジョラムというハーブが一般的にオレガノと呼ばれています。スパイシーな香りが特徴です。
他にも甘い香りのスイートマジョラム、強い香りのグリークオレガノ、シリアンオレガノなどがあります。花がキレイな観賞用のオレガノもあります。
古くから栽培されているため、生命力が強く育てやすいのが特徴。陽当たり、風通しのよいところで育てましょう。水やりは土が乾燥したらたっぷりあげます。
生育場所が合えば、どんどん大きくなります。そのため、数年に一度は株分けをしましょう。
乾燥するとハダニがつきやすくなります。見つけたら、シャワーの水流などで洗い流しましょう。
■フェンネル

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左がフェンネル、右はローズマリー(Nicoletta Fornaro/Shutterstock.com)
- セリ科
- 多年草
- 草丈:100~200センチ
- 参考価格:200円前後(ポット苗)
よく出回っているのはスイートフェンネルという品種で、和名は「ウイキョウ」といいます。
寒さに強いハーブで強健です。生育条件が整えば、葉は一年を通して収穫が可能。草丈が大きくなるので、ベランダなど、ある程度スペースが確保できるところで育てましょう。
日あたり、風通しのよいところを好みます。
水やりは土が乾いたらたっぷりとあげます。背が高いので、水切れをおこすと茎が折れる場合があります。そのまま枯れてしまう場合もあるので、注意しましょう。
アブラムシやカメムシなどがつくことがあるので、見つけたら捕殺します。
■ワイルドストロベリー

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ワイルドストロベリー(MarinaGreen /Shutterstock.com)
- バラ科
- 多年草
- 草丈:10~30センチ
- 参考価格:200円前後(ポット苗)
小さな可愛らしい赤い実がなるワイルドストロベリー。暖地であれば冬の寒さにも負けない丈夫さで、生育が旺盛。ほぼ一年を通じて生育が可能です。
乾燥を嫌うので、土が乾いたらたっぷりと水をあげます。基本的には風通しのよい日なたで育てましょう。
長く栽培すると株が老化して実をつけにくくなります。通常のイチゴと同じようにランナーが伸びて子株ができるので、この子株をうまく育てれば、収穫を長く楽しむことができます。
アブラムシがつきやすいので観察は怠らないようにしましょう。野菜用の農薬で駆除もできますが、食用にする予定の人で農薬が気になる人はセロテープでこまめにとるのもひとつの方法です。
■まとめにかえて
秋冬は育てられる野菜も少なくなりがちです。ハーブは一年中楽しめるものが多く、収穫も楽しめますし、何よりもベランダに置いたハーブが窓から見える景色もステキです。
今の時期は摘み取ってハーブバスや長めに切ってクリスマス用のスワッグにしてもオススメ。
いろいろな楽しみ方ができるのがハーブのおもしろいところです。ぜひ育ててみてくださいね。