今年も1年が終わろうとしています。何かと振り返ることの多いこの時期は、ご自身のキャリアについてふと考えるときもあるでしょう。



「転職サービスdoda」がdodaエージェントサービス登録した正社員の20~65歳の男女(有効回答数約45万件)を対象に、2020年9月~2021年8月末に行った「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】(2021年12月13日公表)」によると、30代女性の平均年収は378万円でした。



30代といえば、結婚・子育てなどライフプランの変化が大きい時期。いまは共働き世帯が主流で、なかには「正社員で働き続けたい」と考える女性も多いでしょう。



では、女性が正社員で働き続ける場合、どのような職種なら平均年収を達成できるのでしょうか。女性のお仕事事情について詳しくみていきます。



■働く母、正社員は26.2%



まずは同調査より、年代別の平均年収を男女に分けてみていきましょう。



■年代別:平均年収(男性・女性)



  • 20代:341万円(363万円・317万円)
  • 30代:437万円(474万円・378万円)
  • 40代:502万円(563万円・402万円)
  • 50代:613万円(664万円・435万円)

対象は正社員のため、想像していたよりも高いと感じるかもしれませんね。



総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)」によると、2020年は共働き世帯が1240万世帯、専業主婦世帯が571万世帯です。いまは共働き世帯が多いですが、パートで働かれる方もいるでしょう。



少し前の資料になりますが、厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」をもとに、子どもがいる女性の雇用形態を確認してみましょう。



30代女性の平均年収378万円「正社員で働き続けたい」女性が平均年収をクリアできる職種は?

出典:厚生労働省「2019年国民生活基礎調査の概況」



上記をみると2019年で働く母は72.4%。そのうち正規の職員・従業員は26.2%です。



非正規の職員・従業員が37.8%なので、お子さんがいるご家庭では非正規で働く女性のほうが多いことがわかります。習い事の送迎や急な看病、行事への参加などがあるため、非正規を選ぶ女性が多いのでしょう。



しかし2004年からみると、正社員で働く女性は10ポイントほど増えています。



育児をしながら正社員で働くには、保育園に預けたり、パートナーなど周囲の協力が必要だったりします。育児を担う男性も増え、今後も正社員で働き続ける女性が増えると考えられるでしょう。



■30代女性の「平均年収378万円」達成できる職種は?



仕事と育児を両立するためには、急な休みが取れること、周囲の理解があること、土日休みであることなどの条件があると助かるご家庭は多いでしょう。



そういった環境面に加えて、やりがい、また収入面もきちんと確保したいですよね。



では、女性が平均年収を達成できる職種について、先ほどの転職サービスdodaの「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」より確認していきます。



年収が高い順に、平均年収(女性)で378万円を達成するのは3職種でした。



■職種:平均年収(女性)



  • 専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人):514万円
  • 企画/管理系:438万円
  • 技術系(IT/通信):385万円

それぞれ、小分類に分けて多い順に平均年収を確認しましょう。



■「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」の小分類別・平均年収(女性)



  • リスクコンサルタント:670万円
  • 戦略/経営コンサルタント:586万円
  • 業務改革コンサルタント(BPR):578万円
  • 会計専門職/会計士:552万円
  • 組織/人事コンサルタント:500万円

■「企画/管理系」の小分類別・平均年収(女性)



  • 法務:541万円
  • 知的財産/特許:537万円
  • 内部監査:532万円
  • 内部統制:500万円
  • 経営企画/事業企画:488万円

■「技術系(IT/通信)」の小分類別・平均年収(女性)



  • プロジェクトマネジャー:557万円
  • プリセールス:546万円
  • ITコンサルタント:491万円
  • 研究開発:464万円
  • IT戦略/システム企画:457万円


「専門職(コンサルティングファーム/専門事務所/監査法人)」や「企画/管理系」の職種は平均年収500万円を超えるものも多いですね。



大きく分けた職種では上記3種類ですが、小分類でみると平均年収378万円を超えるものは他にも多くあります。

一つの参考として、調べてみるといいでしょう。



■女性の仕事選びはまだ難しい



出産や育児といったライフイベントを考えると、女性の仕事選びはまだ難しいところがあります。周囲の協力体制や出産を経た後の価値観の変化、体力的な難しさもあるでしょう。



社会も変わりつつありますが、育児をしながら仕事を自由に選びやすいとはまだ言えません。ただ社会が変わるのは待っていられないので、今自分でできることを積み重ねていく必要があります。



時間のできやすいこの年末年始に、今後のライフプランやキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  • 転職サービスdoda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 【最新版】(2021年12月13日公表)」( https://doda.jp/guide/heikin/age/ )
  • 総務省統計局「労働力調査(詳細集計)」( https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/timeseries/html/g0212.html )
  • 厚生労働省「2019年 国民生活基礎調査の概況」( https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/index.html )
  • 転職サービスdoda「平均年収ランキング(165職種別の平均年収/生涯賃金)【最新版】」( https://doda.jp/guide/heikin/syokusyu/#anc_job_09 )
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