ポンポン咲きや八重咲きの華やかなダリアはウキウキするような可愛らしさ。切り花でも人気のダリアは品種が豊富でその種類は3万種以上とも言われています。



そんなダリアは自宅でも育てて楽しめる花。今は球根が購入できる時期なので好みの花の形や色を選んで春に植えることができますよ。



今回はダリアの基本情報や育て方、育てるときに注意するポイントについて紹介します。



■ダリアの基本情報



  • キク科ダリア属
  • 多年草、球根植物
  • 原産地:メキシコ、グアテマラ
  • 参考価格:200~400円前後(球根1つあたり)

江戸時代末期にオランダから日本に伝わり、その美しさから天竺牡丹とも呼ばれたダリア。大輪から中・小輪まで多種多様な姿を楽しめるダリアは毎年新品種が作出されており、その数は3万種以上といわれています。



丈夫で育てやすく、初心者もチャレンジしやすい花です。開花時期も長いことから花壇を彩る主役級の花ともいえるでしょう。



春のガーデニング【華やかなダリア】鉢植え・地植えで育てるには?注意するポイントは?

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■鉢植え・地植え、それぞれの育て方



ダリアは球根で植え付けるのが一般的。球根は必ず発芽部に芽があるものを選びます。球根の大小に関わらず、芽がないものは植えても発芽しないので注意しましょう。



ダリアは寒さに弱く、寒い時に植え付けても発芽しません。植え付け時期は3~5月頃、植え付けの適温は20度くらいが目安です。



■鉢植えで育てる場合



ダリアは横に根が張るので大きめの鉢に植え付けます。土は市販の草花の培養土などで構いません。あらかじめ、鉢底石を多めに敷いておきましょう。



大輪系のダリアは10号鉢に10センチほどの深さで球根を1つ植え付けるのが目安です。中・小輪系の場合は7~8号の鉢に1つの球根を目安に5センチほどの深さで植えてください。



発芽点が上向きになるよう鉢の中央に球根を置き、ウォータースペースまで用土を被せます。支柱を4本立て、できればマルチングもしておきましょう。



日当たりのよいところで育て、土が乾いたら水をあげるようにします。夏の暑さは苦手なので、直射日光があたるところや照り返しがある場所に置くのは避けましょう。



■地植えで育てる場合



ダリアは横に広く根を張るので、可能ならば地植えがおすすめです。腐葉土などの堆肥を土に混ぜ込み、水はけのよい土壌を作りましょう。



中・大輪以上なら50センチ、中輪よりも小さければ30センチ以上の間隔を開け、球根を植え付けます。

深さ5~10センチの植穴を掘り、発芽点が上向きになるよう球根を置きましょう。



春のガーデニング【華やかなダリア】鉢植え・地植えで育てるには?注意するポイントは?

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各球根に支柱を4本ずつ立て、植穴に土を戻し球根を植えます。全ての作業が終わったら、水をたっぷりあげましょう。植え付け時に水やりをした以降は、発芽まで水やりは不要です。



夏の直射日光は苦手なので、遮光ネットや寒冷紗を張って遮断しましょう。



■ダリアの仕立て方



ダリアは花の大きさによって、仕立て方が異なります。ポイントは摘芯するタイミングと位置です。



定植後3~4週間後に芽が出るので脇芽を放置しておくと枝分かれが進み栄養が分散してしまい、花が育ちにくくなってしまいます。



下の脇芽を残すことで、バランスが良くどっしりと安定した株に育ちます。



■大輪種



茎が5~6節までに伸びた時、一番花は頂点に1つのみ咲かせるようにして、下2節の芽を残し他の脇芽は全てかき取ります。その後一番花が咲いた主茎を切り戻します。二番花は残した下2節の芽からそれぞれ花が咲くようになります。



■中・小輪種



中・小輪種の場合も、茎が5~6節まで伸びたタイミングで下3節を残して摘芯をしましょう。脇芽が生長して5~6本の茎立ちになり、一番花はそれぞれの頂点に花を咲かせます。



次も下3節を残し脇芽をかき取ることで、養分が行き渡りたくさんの花を咲かせることができます。



春のガーデニング【華やかなダリア】鉢植え・地植えで育てるには?注意するポイントは?

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■その他の注意するポイント



■肥料



追肥は植え付け1カ月後から行います。株の生長が思わしくない、葉の色が薄いといった状態の時に用法・用量を守って与えましょう。気温が高い夏はダリアも疲れているので追肥を控え、秋になったら再開します。



■切り戻し



切り戻しをすることで、秋花を咲かせるための準備をします。夏の暑さや病害虫で弱ったダリアを復活させる方法としても効果的です。



1節以上を残すようにして、地上30~40センチほどの高さで主茎を切断します。しばらくすると脇芽が出てきますが、地中もしくは地際から出てきた脇芽だけを残し、それ以外はすべてかき取ってください。



主茎の中は空洞になっているため、切り戻し後そのままにしておくと水がたまり腐敗を引き起こしてしまいます。主茎を切断したら切り口を乾燥させたあと、覆いをしましょう。



■病害虫



ダリアにはハダニやアブラムシ、ネキリムシなどが発生します。見つけ次第捕殺し、薬剤を散布しましょう。葉の表面に粉をまぶしたようになるうどんこ病なら適切な薬剤の散布で対処できます。



黄色い斑が出るウイルス感染や茎の変色等が見られる青枯病の場合は対処法がないので予防が大切になります。茂りすぎた葉を取って風通しを良くしたり、適切な水やりで過湿にしないことが大切です。



■花後の管理



見頃を過ぎた花はガク片真下で切り落とすと、断面も空洞になりません。秋は球根が育つ季節なので、霜がおりるまでに球根を掘り上げることで、来年またダリアを楽しむことができます。



春のガーデニング【華やかなダリア】鉢植え・地植えで育てるには?注意するポイントは?

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掘り上げた球根は水で洗い、1週間ほど乾燥させます。湿度の高い地域ではバーミキュライトやピートモスを混ぜた土を入れた箱の中に球根を入れ保管します。



乾燥する地域では土に混ぜた湿らせたバーミキュライトを入れた箱の中に球根を入れてください。霜に当たらず、気温が5度を下回らない場所で管理しましょう。



■まとめにかえて



手をかければかけるだけ、立派な美しい花を見せてくれるダリア。



球根植物なので、ポイントを押さえてお世話をすれば何年も楽しめるのも大きな魅力です。種類も豊富なので、ぜひ挑戦してみてください。



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