■テクニカル分析 2022年2月21日
■日経平均は一時2万6000円台後半まで下落
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2022年2月18日の東京株式市場で、日経平均株価の終値は、前日より110円80銭安の2万7122円07銭でした。
ウクライナ情勢を巡り警戒感が高まっています。
投資家の間にリスクオフの流れが広がりました。
米株式相場が大きく下げていることも、日本株を下押ししました。
ザラ場では一時、2万7000円を割り込む場面もありました。
今週の展開はどうなるでしょうか。
18日の米株式市場でダウ工業株30種平均は、前日比232ドル85セント安の3万4079ドル18セントとなりました。
3日続落で、約2カ月半ぶりの安値です。
引き続き、ウクライナ情勢は緊迫した状況が続きそうです。
20日には北京冬季五輪の閉会式が行われます。
冬季北京パラリンピックは3月4日から10日間にわたって行われます。
それまでにロシアによるウクライナ侵攻が行われるのではないかと指摘する声もあります。
いずれにしても、先行きが見えにくいことから、投資家の間に引き続きリスクオフの動きが広がりそうです。
週初から日本株も軟調になる可能性があります。
ロシアがウクライナに侵攻した場合、米国をはじめとする欧米諸国はロシアに経済制裁を科すでしょう。
逆に、ロシアから欧州などへの天然ガスや原油などのエネルギー供給が止まるでしょう。
ロシアだけでなく、欧州の経済、さらには日本も含めた経済に大きな影響が出そうです。
物価が上昇しインフレ傾向になる可能性もあります。
その場合、米FRB(連邦準備理事会)は引き続き、金融を引き締め、タカ派傾向が強まるでしょう。
当面はウクライナ情勢に関して警戒が必要です。
国境付近での小競り合いや要人の発言などによって相場が大きく振られる可能性があります。
柔軟に対応できるように備えておきたいところです。
国内では主要企業の決算発表が相次いで行われましたが、上方修正した企業も多かったようです。
好決算に株価がついていっていない状況ともいえますが、逆に割安銘柄の仕込みの時期ともいえるでしょう。
チャンスをつかみたいところです。
■25日移動平均線付近で上値を押さえられる
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先週の日経平均の値動きをテクニカル面から振り返ってみましょう。
週初14日は窓をあけて寄り付いたものの引けにかけては陰線となりました。
ただし、ローソク足の実体が25日線を回復したことから、その後の上昇も期待されました。
実際には翌15日に大きく窓をあけて下落すると陰線が続きました。
25日線付近まで上昇すると上値を押さえられ下落するという動きでした。
今週以降の展開はどうなるでしょうか。
方向としては大きく2つ。
このまま25日線を回復できず下落するか、再び25日線を奪回するかです。
前者の場合、1月27日の安値(2万6044円)が当面の下値メドとなります。
ここを割り込むと短期的な下降トレンドラインが形成されてしまいます。
逆にここから25日線を回復すると、1月27日の安値とともにWボトムの形になりますので、今後の上昇が期待できます。
まずは今週、25日線を回復できるかどうかがポイントになります。
ただし、どちらにも行きやすいということは、方向感が出しづらいということでもあります。
上値メドは、直近の戻り高値である2月10日の高値(2万7880円)あたりになります。
ここを回復するまでは様子を見るのも一つの方法です。
足元ではかなり上下に値が振られる展開が続いていますが、1カ月足などの長い足でチャートを見ると、現状は大きな上昇トレンドの上昇一服といったところ。
目線は上にもちながらタイミングを見計らって上昇の動きがあればついていきたいところです。