優しい色合いの花を咲かせ、梅雨のうっとうしさを吹き飛ばしてくれるアジサイ。
美しく咲くその姿を、庭だけでなく家の中でも楽しんでみませんか。
今回は、アジサイの切り花をできるだけ長く楽しむコツや、ドライフラワーにして飾る方法を紹介します。
■切り花のアジサイを長持ちさせる方法は?
■涼しい時間帯に切り取る
日差しが強くなって気温が上がる日中は、アジサイがぐったりしています。花を切り取るときは、朝か夕方の涼しい時間帯を選びましょう。
水を入れたバケツを準備して、切ったらすぐに水に浸けておくのが長持ちのポイントです。

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■水切りする
水切りとは茎を水中でカットすること。空中で切ると茎の断面が乾燥し、茎の道管に空気が入り込んで水の吸い上げが悪くなります。
茎は斜めに長くカットして、水に触れる面積をできるだけ大きくしましょう。その際は、なるべくよく切れる刃物を使うのがオススメです。
■不要な葉を取る

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葉がたくさん付いていると水分が蒸散しやすくなり、花に十分な水分が補給されません。
1本につき葉は2~3枚程度くらいが適当です。あとは切り落とすか半分以下に小さくカットしましょう。
■茎の中のワタを取る
アジサイの茎に詰まっている白い綿のようなものを、爪楊枝やフォークなどを使ってかき出しましょう。
■直射日光やエアコンの風に当てない
アジサイを生けた花瓶は、直射日光の当たらない明るい窓際に置くのがオススメ。エアコンの乾燥した風はアジサイを傷めることがあります。エアコンの風が直接当たらないようにしましょう。
■こまめに水を替える

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花瓶の水は雑菌が発生しやすい状態。茎を腐らせる原因になるので、水はこまめに取り換えて常に新鮮な状態にしましょう。
水を花瓶の縁までたっぷりと入れることで、水圧が上がり茎が吸水しやすくなります。深さのある花瓶を使うと、花が大きいアジサイを生けても倒れる心配がありません。
■切り花のアジサイがしおれたときは?

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■茎を短く切り戻す
花や葉がしんなりしてきたら、水あげが悪くなってきたサイン。もう一度水の中で、切り口を斜めに切り戻してあげましょう。元気を取り戻します。
■湯あげをする
茎を短くしたくない場合は湯あげをします。
30秒ほどつけて茎から泡が出てきたら、水に入れて冷やしましょう。湯あげする際は花が湯気で傷まないように、新聞紙などを巻いて保護しておくのがポイントです。
■花全体を水に浸す
切り戻しや湯あげをしても花や葉がしんなりしている場合は、水を張ったボールに花全体を浸しましょう。一般的に花は水に濡れると傷むことが多いのですが、アジサイは雨のなかでも咲く花なので、応急処置として効果的です。
■切り口を焼く
やや荒療法ですが、切り口を火で焼く方法もあります。ガスコンロやライターで切り口が少し焦げるまで数秒焼きましょう。その際も湯あげと同様に、花を新聞紙で巻いて保護します。焼きあげが終わったら冷水に入れて冷やしましょう。
■美しいアジサイをドライフラワーに!作り方は?
■ハンギング法
ハンキング法は、吊るして自然乾燥させるだけの簡単な方法です。
晴天が続いて空気が乾燥しているときを見計らって、風通しがよく直射日光が当たらないところに吊るしておきましょう。
茎は乾燥すると細くなります。
■ドライ・イン・ウォーター法

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ドライ・イン・ウォーター法は花瓶に少しだけ水を入れ、花を生けながら自然に水がなくなるまで待つ方法。やや日数はかかりますが、ハンギング法よりキレイな花色が保てます。
水は入れ替えずそのままに。直射日光が当たらない涼しい場所でドライになるのを待ちましょう。水がなくなりアジサイの花弁が和紙のような手触りになれば完成です。
■シリカゲル法
シリカゲル法はシリカゲルを使って人工的に乾かす方法です。市販されているドライフラワー専用シリカゲルを使うのがオススメ。
密閉できる容器にシリカゲルを3センチほど敷きます。小分けにしたアジサイを上向きに置き、スプーンなどでまんべんなくシリカゲルを振りかけましょう。
アジサイがすっかり隠れるまでシリカゲルをかけたら、容器をしっかり密閉します。1週間ほど冷暗所で保管すれば完成です。
■まとめにかえて

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アジサイを翌年も再び開花させるためには、開花中に花の下から2~3節目で剪定します。
切り落としたアジサイは、切り花やドライフラワーで楽しんでみてくださいね。
カラーグラデーションも魅力のアジサイを部屋に飾って、雨続きの梅雨シーズンを爽やかに過ごしてみませんか。