■ペット保険を選ぶときの比較ポイント3選



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これから本格的な夏を迎えるにあたり、大切なペットの体調管理に気を遣う方は多いでしょう。



室内飼いの子がいれば室温調整をし、散歩が必要な子がいれば早朝や夕方などの時間にずらすなど、何かと気を遣うものです。



それでも体調を崩す兆しが見られれば、すぐに動物病院に駆け込みたくなりますよね。しかし、ペットには人間のような「健康保険」がありません。自由診療なので、その治療費は時に想像以上に高額となるケースがあります。



そんな時に役立つのが「ペット保険」ですが、中には「必要ない」と感じて加入していない飼い主さんもいます。



本当にペット保険はいらないのでしょうか。ペット保険の役割や必要性について考えてみましょう。



■ペット保険とは?どう役立つのか



ペット保険とは、ペットが病気やケガで診療を受けた場合、その費用の一部を負担してもらえる保険商品です。



私たち人間が病院にかかるとき、医療費に対して原則3割しか負担しなくてもいいようになっています。これは健康保険制度が充実しているからですが、ペットにはこのような健康保険がありません。



もし10万円の治療を受ければ丸々自己負担となりますし、さらに動物の診療は自由診療となるため、病院によって費用が異なります。予測できない治療費に対し、不安を軽減する役割もペット保険にはあるのです。



■ペット保険が補償する費用とは



ペット保険が補償する費用は、保険によって異なります。

ここでは一般的な補償内容についてご紹介しますが、詳しくは個別の保険商品にてご確認ください。



■ペット保険の補償対象



  • 入院費用:治療のための入院費用
  • 通院費用:治療のため通院したときにかかった費用(診療費、処置費、処方薬代など)
  • 手術費用:治療のための手術費用、麻酔費用など

■ペット保険の補償対象外



  • ワクチン接種
  • 健康診断
  • 避妊・去勢手術
  • 妊娠、出産にかかる費用
  • 妊娠中の病気やケガ
  • 予防接種やワクチン接種で防げる感染症(狂犬病、フィラリアなど)
  • 歯の治療やトリミングなど健康体への処置とされるもの
  • 保険に加入する前から治療していたもの

など



特に保険加入前に治療していた病気については、ペット保険の補償対象外となることに注意をしましょう。



「病気で治療費が高額になりそうだから、保険に入る」という選択はできないのです。逆に言えば、保険に入れるのは健康なときだけといえます。



これは人間でも同じ保険の鉄則です。



■ペット保険は必要ないのか



ペットの治療費を支えてくれるペット保険ですが、保険料が発生するのも事実です。本当に必要なものなのか、慎重になりますよね。



アニコム損害保険株式会社がペット保険契約者へ行ったアンケート「ペットにかける年間支出調査」によると、2021年にかかった治療費は犬が5万9387円、猫が3万4395万円でした(2022年3月2日公表)。



このうち猫は前年よりも増加したことがわかっています。



ペット保険はいらない?夏目前に考えたいペット保険の必要性

出所:アニコム損害保険株式会社「ペットにかける年間支出調査」



3割の飼い主が「自分自身よりもペットに医療費用をかけている」と回答したことから、ペットの治療費は意外にかかることが予想できます。



またアニコム損害保険株式会社の「「犬の熱中症週間予報」を4月28日から配信開始」によると、犬の熱中症の診療件数(2021年)は7月に大きく増加したことがわかりました。



ペット保険はいらない?夏目前に考えたいペット保険の必要性

出所:アニコム損害保険株式会社「「犬の熱中症週間予報」を4月28日から配信開始」



4月から5月にかけては診療件数が3倍になり、5月から6月には約2倍に増えていることもわかります。



これからの季節、体調を崩す前に一度はペット保険への加入を検討しておきたいものです。



■ペット保険はどう選ぶ?比較ポイント3選



ペット保険はいろいろな保険会社から販売されており、それぞれでプランが異なります。比較するポイントとして3つご紹介します。



■補償割合



補償割合とは、治療費に対して何パーセントの保険金が支払われるかという割合をいいます。例えば補償割合が70%のプランであれば、10万円の治療で7万円の保険金が受け取れることになります。



当然補償割合が高いほど自己負担額は下がりますが、その分保険料は割高になります。多くのペット保険では補償割合を自分で選べるので、予算と相談して選択することになるでしょう。



■免責金額



どれだけ補償されるか知りたいとき、「免責金額」にも着目しましょう。例えば免責金額が5000円になっている場合、治療費が5000円までは保険金が支払われません。



ただし、免責金額を設定することで保険料を安くする効果があります。保険会社やプランによって異なるので、必ずチェックしておきましょう。



■限度額



ペット保険には、補償に対して限度額や限度回数を設けているものも多くあります。

例えば入院は1年間で◯日まで、1日あたりの支払限度額は△△万円まで、などです。



限度を超えた分は自己負担になるため、いくら補償割合が高いプランであっても自己負担が発生することもめずらしくありません。



こうした点もきちんと押さえておきましょう。



この他、独自の特約を用意している保険もあります。例えば他人に噛みついてケガを負わせてしまったときの損害賠償費用や、葬祭費用などです。補償や特約をじっくり確認しましょう。



■ペット保険はすべての人に必要ないとはいえない



ペット保険は強制加入ではないので、必ずしも加入する必要はありません。しかし、一概に「必要ないもの」ともいえません。



わずかな病気の兆候が見られたとき、治療費が気になって受診をためらうケースが出てくるかもしれません。



もしペット保険に加入していれば、受診のハードルがさがり早期発見につながるのです。



また保護猫などでは、譲渡の条件として「ペット保険への加入」が義務付けられるケースもあります。



これほどまでに身近になってきたペット保険。

月々1000円弱のプランもあるので、まだ加入していない方は一度検討してみてはいかがでしょうか。



■参考資料



  • アニコム損害保険株式会社「【2021最新版】ペットにかける年間支出調査」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000028421.html )
  • アニコム損害保険株式会社「「犬の熱中症週間予報」を4月28日から配信開始」( https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000028421.html )
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