連日蒸し暑い日が続いており、残念なことに熱中症で亡くなった人のニュースも毎日のように報じられています。
近年では地球温暖化の影響が声高に叫ばれており、ヨーロッパでは記録的な熱波によりライン川の水位が下がったり、山火事が続発したりという報道が続いています。
日本に住む我々の中にも、「近頃は本当に暑くなった」という実感を得ている方も多いかもしれません。
それでは実際に日本の気温はどの程度暑くなってきているのでしょうか。
■【気象庁】記録でわかる!日本はどれだけ暑くなっているのか【平均気温編】
以下が気象庁が掲載している「1898~2021年の8月平均気温偏差」です。長期的には100年あたり1.11℃というペースで温暖化傾向がみられています。

出所:気象庁「日本の月平均気温」
気象庁の計測によると、直近30年分における8月の平均気温は以下のように推移しています。

出所:気象庁「観測開始からの毎月の値」からLIMO編集部作成
このグラフは気象庁の観測データをそのまま用いています。しかし、2014年11月に東京の観測拠点は移転しており、2014年11月以降の平均気温の計測値は0.9℃低下したと推計されています。

出所:気象庁「「東京」の観測地点の移転について」
そこで、上述のグラフで2015年以降のデータに0.9℃ずつプラスして、仮想的に観測条件を揃えてみた結果が以下となります。

出所:気象庁「観測開始からの毎月の値」からLIMO編集部作成
直近30年間における8月の平均気温はおおむね右肩上がりとなっており、29℃を超えた年は1992~2001年には計1年だけでしたが、2002~2011年では計2年、2012~2021年では計5年観測されています。
■【気象庁】記録でわかる!日本はどれだけ暑くなっているのか【最高気温編】
同様に気象庁のデータから直近30年における8月の日最高気温の月平均値の推移を確認してみます。

出所:気象庁「観測開始からの毎月の値」からLIMO編集部作成
このグラフも平均気温同様に観測地点移転の影響を受けているため、補正のために2015年以降のデータに0.2℃をプラスしてみます。

出所:気象庁「観測開始からの毎月の値」からLIMO編集部作成
以上の結果は日最高気温の月平均値、つまり8月1日~8月31日の最高気温の平均値です。
8月における日最高気温の月平均値が30度以下だった年は、1992~2001年では計3年。2002~2011年では計1年、2012~2021年ではゼロとなっています。
とりわけ2020年においては8月における日最高気温の月平均値が34.3℃と記録的な猛暑。歴代8月における最高気温1位も2020年の記録となっています。

出所:気象庁「歴代全国ランキング」
■まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。
近年は暑い日が続く印象ですが、観測結果も近年は暑くなり続けているという傾向を裏付けています。
環境省は「熱中症予防サイト( https://www.wbgt.env.go.jp/ )」という特設コンテンツを開設しており、猛暑を乗り切るうえで役立つ情報をさまざま掲載しています。
是非参考にしてみてください。
■参考資料
- 気象庁「過去の気象データ・ダウンロード」( https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/index.php )
- 気象庁「日々の天気図(2022年4月以前の天気図)」( https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/hibiten/index.html )
- 気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」( https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/extreme/extreme_p.html )
- 気象庁「「東京」の観測地点の移転について」( https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/koushu141114/shiryou1.pdf )
- 気象庁「歴代全国ランキング」( https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/rankall.php )
- 東京都心でこの夏14回目の猛暑日 歴代最多を更新 記録的な猛暑とどまらず( https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2022/08/09/18846.html )