就職活動がいよいよ佳境に入ってきたという就活生の方もいるのではないでしょうか。そのためか、大手町などのビジネス街にはリクルートスーツの学生が目立ちます。

ただ、その姿にちょっとした違和感を感じるビジネスパーソンもいるようです。



大手金融機関に長年勤務し、上場企業の役員などと接する機会が多かったA氏はこういいます。



「黒いスーツは通常は冠婚葬祭で着用するもの。面接に黒い色で来られると、何かドキッとします」



また、大手輸送サービス会社で広報などを担当していたB氏もこういいます。



「大きなイベント等でお客様の案内をする社員が黒色のスーツを着用することはありますが、就職活動の学生が面接用に黒いスーツを着ているのには違和感を覚えます」



このように、昨今は黒のリクルートスーツをよく目にしますが、一部のビジネスパーソンには疑問を持たれているようです。



■リクルートスーツは何色を選ぶべきか



では、リクルートスーツはどのような色を選べばよいのでしょうか。



A氏はこういいます。



「あまりカジュアルになり過ぎるのも問題ですが、個人的な意見も含めて申し上げると、チャコールグレーやネイビーブルーのスーツであれば、就職活動の面接でもそれほど違和感があるということにはならないと思います」



「チャコールグレーの場合、人によりますが、年齢がやや上に見える雰囲気も出せます。日頃、実年齢より若く見られるが、面接では頼りがいのある印象を与えたいという人はチャコールグレーを試してみてはどうでしょうか。一方、若々しく見せたいというのであれば、ネイビーブルーのスーツが選択肢として挙がるでしょう」



「ただ、面接をする企業の従業員のスタイルやカラーを想定して、それに合わせるという姿勢が基本的には必要です。これは社会人になっても同じです」



就活生がこぞってチャコールグレーのスーツを着用するようになれば、現在多くの学生が黒いリクルートスーツを着用しているのと同じになってしまい、学生間で差が出ないのではと聞くと、次のような答えが返ってきました。



「そんなことはないんですよ。

意外なところで服装や見た目に気を使っているということは結構わかるものです。これはビジネスパーソンでも同じですね」



■スタイリッシュさは意外なポイントで差が出る



スーツの色を適切に選ぶこと以外にも気をつける点はあるのでしょうか。



前出のA氏はこういいます。



「足元、つまり靴を見るとその人が見た目に気を配っているのか、そうでないかを見分けられることもあります。丁寧に磨かれた靴を履いているのか、スーツやベルトの色を考慮した靴選びができているのかなど、靴を見るだけでも結構いろいろ見て取ることができるのです」



「磨かれている靴であることは最低限必要ですが、様々なシーンで使えるストレートチップの靴を履きこなしている学生の印象はいいですね。また、ベルトが黒なら靴の色も黒にすべきです。時折、ベルトが茶色で靴が黒色という組み合わせを見ることがありますが、この辺りは合わせてほしいなと思いますね」



「意外に忘れられがちですが、靴下の色も靴に合わせるべきです。学生で白い靴下が見えたりすると『ああ、この学生が入社したらここから教えないといけないのか』という感じです」



靴だけでもいろいろポイントがあるものです。



■靴以外の注意点とは



ネクタイについて聞くと、A氏はこう答えます。



「ネクタイも気にしだしたらキリがありませんが、外資系企業や面接に外国人が出てくる場合などは意識した方がいいかもしれません。私は初めて会った外国人にネクタイの色がいいねと褒められるところから会話が始まったことがあります。相手が有名企業のトップメネジメントということで非常に緊張していたので、これには拍子抜けしました」



どのようなネクタイを選べばよいのでしょうか。



「ネクタイは好みが分かれるところなので、なんとも言えませんが、無地をベースに好きな色を選ぶというのもよいでしょう。また、スクールカラーをベースにしたストライプのネクタイという体育会系の学生も見かけますね」



ネクタイの締め方やシャツについての注意点をたずねると、A氏はこう答えます。



「学生時代にスーツを着なれない友人のためにネクタイを締めてあげたことを思い出しますが、うまく締めないと首元なのでアラが目立ちます」



「シャツは何より清潔感が大事です。自分でアイロン仕上げまでする自信があるならば良いですが、難しいならクリーニングに出すのが無難です。自分も学生の時は持っているシャツの枚数が限られていたので、その着回しに苦労していました」



「また、シャツ選びは首回りと袖丈はきれいに見えるようにしたいですね。首回りがゆったりしすぎていると、ややもすればだらしなく見えます」



A氏はこうした服装や細かい見た目のポイントをどのように身につけたのでしょうか。



「私自身も学生時代から知っていたことばかりではありません。新卒で就職した会社の上司に、事あるごとに教えてもらったものが多いです。つまりは面接する企業側の従業員にも、そうした意識がある人がいるということを踏まえておくべきだと言えるでしょう」



-就職活動もビジネスパーソンの第一歩という意識が必要-



編集部おすすめ