■【就活企業研究シリーズ】企業業績、従業員数、給与と最近の株価
2020年卒業の大学生による就職活動についての話題を耳にするようになってきました。試験も終わり、業界研究や企業研究に時間をかけているという学生も多いのではないでしょうか。
シリーズでお伝えしている「就活企業研究シリーズ」。今回はその中でも慶應義塾大学・理工学研究科の卒業生が就職する人数が上位企業の一部について、有価証券報告書をもとに過去5年間の業績動向、従業員数、年間平均給与や最近の株価動向について見ていきましょう。
■理工学研究科卒業生の上位企業ランキング
慶應義塾大学が発表した2018年4月現在の同大学大学院理工学研究科を卒業した上位20社就職先は以下の通りです(大学院後期博士課程は除く)。
- キヤノン:26人(5人)
- ソニー:15人(1人)
- 富士通:15人(0人)
- エヌ・ティ・ティ・データ:14人(3人)
- 野村総合研究所:13人(3人)
- トヨタ自動車:11人(1人)
- 日本放送協会:10人(1人)
- 本田技研工業:10人(2人)
- NTTドコモ:9人(1人)
- 日産自動車:8人(2人)
- アクセンチュア:7人(3人)
- パナソニック:7人(1人)
- 新日鉄住金ソリューションズ:7人(2人)
- 新日鐵住金:7人(0人)
- 日立製作所:7人(1人)
- ソフトバンク:6人(0人)
- 三菱電機:6人(0人)
- 東レ:6人(1人)
- 味の素:6人(0人)
- エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ:5人(0人)
- 旭化成:5人(1人)
- 三菱重工業:5人(0人)
- 住友化学:5人(1人)
- 日揮:5人(0人)
- 日本アイ・ビー・エム:5人(0人)
- 日本電気:5人(0人)
- ※カッコ内は女子で内数
■就職先企業の特徴と主な就職先企業の業績と株価
さて、ここではそうした上位就職先企業について特徴的な企業の業績動向や従業員数、給与とともに最近の株価を見ていきましょう。
大学に入学する際には自分が勉強したいことがさらにできる大学、また自分の学力や偏差値にあった学校を選ぶというのは熱心に誰もがしてきたかと思います。
一方で、高校生の段階で「大学卒業後にどの企業に就職しているのか」というところまでは気が回らないと思います。有名大学を卒業して就職する企業を事前に知っておくというのはよいのではないでしょうか。
キヤノン
同社の過去5年の業績動向について見ていきましょう。税引前当期純利益は、2016年12月期を除いては、3000億円台を達成しています。2016年12月期は2446億円となっていました。
また、同社株主に帰属する当期純利益は、2016年12月期を除いては2000億円台を達成しています。2016年12月期は1506億円となっています。
同社の2017年12月期の従業員数(連結)は19万7776人。また単体では2万6075人。単体の平均年間給与は782万円で、平均年齢は43.5歳となっています。
同社の過去1年の株価を振り返っておきましょう。今年に入って反発しているものの、昨年は右肩下がりの一念だったといえるでしょう。今後の業績が成長フェーズに入るのかも含めて株価には注目です。
エヌ・ティ・ティ・データ
同社の過去5年の業績動向について見ていきましょう。経常利益では、増加傾向にあるといえます。2014年3月期に621億円であった水準が、2018年3月期には1215億円にまで増加しています。
また、当期純利益(親会社株主に帰属する)は経常利益の動向と似ており、概ね増加傾向にあるといえます。2014年3月期に232億円であったのが、2018年3月期には581億円にまで拡大しています。
同社の2018年3月期の従業員数(連結)は11万8006人。
同社の過去1年の株価を振り返っておきましょう。一時は1600円に迫りましたが、現在は1200円台となっています。2018年前半は順調に値を上げましたが、10月以降大きく値を崩した格好です。
■まとめにかえて
ここでお示ししたランキングや企業が必ずしも学生の人気ランキング順というわけではありません。積極的に採用する企業が結果として上位就職先企業となっている側面もありますが、一方で学生が就職を希望しないことには最終的には就職先にはなりません。その観点からも、採用側の企業と大学生の需要と供給が一致した結果といえるでしょう。
また、注意すべきは連結従業員数と単体従業員数の違いです。たとえば、連結子会社が多い企業は一見すると従業員数が多く見えます。自分がどの会社に応募をしようとしているのかは改めて注意するのが良いでしょう。連結での従業員数が多く見えても、自分が応募している企業の従業員数が少ないこともあります。
最後に、企業研究をする際には、今回参考したような有価証券報告書や決算説明会資料なども参考にするとよいでしょう。決算説明会資料はどの投資家にもわかるように説明がされていることも多く、学生にとっても有益な資料といえます。決算説明会資料はアニュアルレポートほど堅苦しくなく、事業ごとの業績が分かりやすい資料といえます。
【参考資料】
慶應義塾大学「慶應義塾大学 2017年度 上位就職先企業(3名以上上位20社)」( http://www.gakuji.keio.ac.jp/life/shinro/3946mc0000003d8t-att/a1530669479061.pdf )