本日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは108.02円↓下値メドは106.30円今朝の天気マークは「くもり」
※天気の判定基準は記事末尾にあります
教科書的には「円高」
日銀の緩和政策はほとんど出尽くしたといってよいでしょう。黒田総裁は「日銀は、必要であればためらうことなく追加緩和を行う」と発言していますが、新型コロナウイルスのこの状況においても、何も動いていない。少なくともマーケットが評価するような斬新な政策を打ち出すことができずにいます。
RBNZ(NZ準備銀行)は先週、「マイナス金利」を検討していることを明らかにしました。FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、FRBのマイナス金利導入について「検討していない」と否定していますが、新型コロナ後の米経済のV字回復への期待がしぼむなかで、FRBがマイナス金利を検討しなくてはいけない時が近い将来やってきそうです。
英国ではベイリーBOE(イングランド銀行)も「現時点でマイナス金利の活用を考えていない」と発言。しかし、EU(欧州連合)との貿易交渉は全く先が見えない状況で、英経済には再び「合意なき離脱」の危険が高まっています。今日はゼロ金利を考えていなくても、明日は分かりません。
世界の中央銀行がマイナス金利に進むのを傍目に日銀が現状維持を続けるならば、FXの教科書的には、金利差は縮小。「円高」ということになります。ドル/円の最新位置情報、ダウ平均、日経平均、NY金先物、NY原油先物の長期チャート、そして新型コロナ感染者数の状況は「今日の注目通貨」をご覧ください。
毎ヨミ!FXトップニュース
15日のドル/円のNY市場終値は107.17円
14日の終値に比べ0.07円のドル安/円高だったので、今朝の天気マークは「くもり」です。
今日の格言:
かけがえのない人間になるためには、いつも他人と違っていなければなりません。
各国・各通貨トピックス
新型コロナウイルス:
公共機関に頼る地域のロックダウン解除は遅くなる傾向
感染第2波の到来を「ほぼ確信」、米対策チーム責任者 ファウチ氏
ブラジル保健相、辞任へ。ボルソナロ大統領は企業に「外出自粛反対」求める
ドル:
米、ファーウェイ制裁強化。中国はアップルやボーイングの制裁で対抗か
ムニューシン財務長官「8月と9月には大きな経済回復を予想」
パウエルFRB議長「追加手段が必要になるかもしれない
ミネアポリス連銀総裁「米経済の回復は緩やかで長い時間が必要」
航空業界:
カンタス航空、『プロジェクトサンライズ』と名付けた約20時間の超長距離運航を断念
円:
黒田日銀総裁「現在の金融政策は今後数年継続する」
ユーロ:
格付け会社フィッチ、フランスを「安定的」から「ネガティブ」に。「AA」は維持。
クノットECB理事「新型コロナは反グローバル化を更に進める」
ポンド:
EUとの自由貿易交渉、進展なし。合意なき離脱の危険高まる
有給休暇プログラム縮小なら、一斉に解雇が始まるおそれ
中国人民元:
中国がデンマークのフェロー諸島に「ファーウェイとの5G契約」強要
豪ドル:
RBA(豪準備銀行)の量的緩和は、一時的手段
南アランド:
実質金利の低下で南アランド支える唯一の防衛ラインが崩壊か
メキシコ:
メキシコ格付け、ジャンク債まで格下げになる可能性も
その他:
NY市、歩行者の交通事故死ゼロ、58日間の最長記録。ロックダウンで
フェイスブックとグーグル、在宅勤務を年末まで延長
ソーシャルディスタンス違反、NYは1,000ドル(約10万7,000円)の罰金
主要指標終値

本日の注目通貨
ドル/円:今週のレンジ予想:106.00円から108.35円
今週のドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は107.18円。107.18円より上ならばドル買い優勢、107.18円より下ならばドル売り優勢。15日のNY終値は107.17円。
ドル高方向を見た場合、108円台が強い抵抗ゾーン。下の位置情報に示すようにピボットの第1、第2レジスタンスがあり、また2019年の中心値で中期的なブルベアの分岐点と考える108.20円も位置しています。まずは11日の高値107.77円を抜けるかどうか。109円台は輸出の売りが多い。
ドル安方向を見ると106円台は買いが厚そう。
114.55円 : 2018年 高値
113.82円 : 2018年 12月 高値
112.40円 : 2019年 高値
112.22円 : 2020年 高値 (02月20日)
111.71円 : 03月 高値 (03月20日)
109.38円 : 04月 高値 (04月06日)
108.93円 : 第3レジスタンス(HBO)
108.35円 : 第2レジスタンス
108.20円 : 2019年 中心値
107.77円 : 05月 高値 (05月11日)
107.76円 : 第1レジスタンス
107.18円 : ピボット
106.88円 : 05月 中心値
106.70円 : 2020年 中心値
106.59円 : 第1サポート
106.00円 : 第2サポート
105.98円 : 05月 安値 (05月06日)
105.41円 : 第3サポート(LBO)
101.17円 : 2020年安値(03月06日)
100.07円 : 2016年 09月 安値
99.53円 : 2016年 08月 安値

ダウ平均と日経平均の推移(2019年5月 ~ 2020年5月)

5月15日(金)のダウ平均は続伸。ファーウェイへの禁輸措置強化なと米中貿易戦争を嫌気した売りが先行したものの、ロックダウンの段階的解除に期待して米国の消費者信頼感指数が予想外に強い結果だったことから買い戻しが入りました。
週ベースでは、ダウ平均が▲2.65%、S&P500が▲2.26%、ナスダックが▲1.17%安で、3指数すべて下落。年初来ではダウ平均が▲17.01%、S&P500が▲11.36%だった一方、ナスダックは+0.47%でした。
NY金先物とNY原油先物の推移(2019年5月 ~ 2020年5月)

先週のNY原油先物市場は大幅反発。OPEC(石油輸出国機構)+の減産効果と石油備蓄量の減少が買い材料。とはいえ、世界の石油備蓄量は上限近くまで積みあがっている状態で、需給が改善するまでにはまだ時間が必要。
NY金先物相場は上昇。米中貿易戦争再燃を嫌気した投資家の資金が流入。世界の中央銀行がマイナス金利導入に向かう中、長期間にわたり金利上昇はないとの予想が金価格を押し上げました。
新型コロナウイルス 世界の感染者数

米国の新型コロナによる死者は来月までに10万人を超えるとの悲観的な予想が出ています。ロシアとブラジルでは感染者が急増しています。ロシアの感染者は英国を上回りました。こんな状況だというのにブラジルのボルソナル大統領は国民の健康より経済を優先。同国の企業に自粛解除を要請しています。
トレード前に必ずチェック!今日発表の重要指標!

◎天気の判定基準とは?
天気マークを見るだけで、ドル高で引けたのか、それともドル安で引けたか、ひと目で確認することができます。
・「晴れ」
当日の終値が、前日の終値に比べて0.20円を超えるドル高/円安だった場合は、「晴れ」の天気マークを表示します。
・「雨」
反対に、終値が0.20円を超えるドル安/円高だった場合は、「雨」の天気マークを表示します。
・「くもり」
終値が上下0.20円の範囲にあった場合は「曇り」のマークを表示します。
※天気マークは、前日の終値との比較を示したもので、今日のマーケットの方向を予想するものではありませんので、ご注意ください。
※ちなみに2018年は、「晴れ」80日、「雨」82日、「くもり」98日 でした。
また、2018年は延べで43.33円上昇、延べで46.41円下落。
(荒地 潤)