今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは116.35円↓下値メドは114.80円[ウクライナ] ロシアのSWIFT排除で国際取引が止まるわけではない。手続きが煩雑になるだけ
[ウクライナ] ウクライナからの部品供給不足でドイツ自動車メーカーが工場休止
[ウクライナ] エジプトが経済的苦境。最大の小麦輸入国で外貨収入はロシア観光客に依存
8日(火曜)のドル/円は「円安」
24時間のレンジは115.24円から115.79円。
2022年の47営業日目は115.27円からスタート。東京時間昼前につけた115.24円が安値。115円台を維持して、その後はウクライナ戦争の状況を見ながら、夜遅くに115.79円まで上昇して高値をつけた。終値は115.66円(前日比+0.35円)。
この日は終日115円台の取引だった。先週は、2日にロシアとウクライナの停戦交渉の進展期待から115.80円までリリーフ・ラリー(不安後退による反騰)で円安に動いたが、4日には上昇分を全て吐き出した。しかし円高が加速することもなく、今週に入って7日と8日の2日間でゲロした分を取り戻して、1週間前の状態に戻っている。今月はまだ114.65円から115.80円のレンジを抜け出せない状況。
レジスタンスは、115.79円(3/8高値)、115.87円(2/15高値)、116.00円。
サポートは、115.35円(200時間移動平均)114.80円(3/7安値)。
EU(欧州連合)は10、11日に緊急サミットを開く。
ウクライナがNATO(北大西洋条約機構NATO)加盟を主張しないとのニュースが停戦期待となって一時ユーロが買われたが、すでに報じられていた内容だとわかり上昇は限定的。米国がロシア産原油の輸入停止を発表したことも、ユーロの上昇を抑えた。
8日のユーロ/円は「ユーロ高」。24時間のレンジは125.03円から126.73円。
125.09円からスタートして、東京時間夕方につけた125.03円が安値。ほとんど下がらず、その後は上昇に転じて明け方に高値126.73円をつけた。終値は126.10円(前日比+0.96円)。
レジスタンスは、125.95円(3/7安値)127.82円(3/4高値)。
サポートは、 125.03円(3/8安値)、124.39円(3/7安値)。
8日のユーロ/ドルは「ユーロ高」。24時間のレンジは1.0847ドルから1.0959ドル。
東京時間朝につけた1.0847ドルを安値にして、明け方に1.0959ドルまで上昇して高値をつけた。終値は1.0903ドル(前日比+0.0053ドル)。
レジスタンスは、1.0959ドル(3/8高値)、1.1068ドル(3/4高値)。
サポートは、1.0847ドル(3/8安値)、1.0806ドル(3/7安値)。
今日の注目通貨はユーロ/円です。


主要指標 終値

今日の為替ウォーキング
今日の一言
チャンピオンというのは、高みに達するまでプレーを続けるものです - キング夫人(元テニス選手)
Don’t Stop Believin’
BLS(米労働省労働統計局)が3月4日に発表した2月の雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が+67.8万人となり、市場予想(+40.0万人)を大きく上回った。前回1月のNFPも+46.7万人から+48.1万人に上方修正された。
米国の雇用市場における非農業部門雇用者数は、2020年4月から2022年2月までの22ヵ月間で、 合計で約1,950万人増加した。新型コロナによって2020年2月と3月の2カ月間で失われた2,156万人にはまだ約206万人足りない。とはいえ、就業者数は平均すると毎月+52.7万人増えているので、今後もこのペースを維持するなら今年6月には、雇用市場はコロナ前の状態に戻ることになる。
FRB(米連邦準備制度理事会)は、雇用市場が「完全雇用」の状態に戻ったとの判断で、来週のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げする予定だ。FRBが新型コロナ対策として緊急利下げに踏み切ったのは2020年3月3日。それからほぼ2年でFRBは利上げサイクルに入る。
雇用促進とインフレ対策のトレードオフ(失業率を低めようとすれば物価の上昇圧力が強まり、物価を安定させようとすれば失業率が高まる)において、インフレが可処分所得を圧迫し、政策が支援すべき人々にダメージを与えているかどうかを計測した結果、これ以上の流動性供給はメリットよりデメリットの方が大きいとの結論にFRBは至ったのだ。
平均労働賃金は、前月比+0.0%で横ばい、前年比も+5.1%と予想を下回った。これは飲食業などに携わる、比較的低賃金の従業員が大量に労働市場に復帰したことで賃金の「平均値」が下がってしまったから。統計的な理由で労働賃金が下がったように見えるだけで、むしろ採用が急増していると捉えるべき。アトランタ連銀による賃金追跡調査によると、労働賃金は過去最大の上昇率となっている。
その一方で、平均週間労働時間が増えたのは、労働力不足が従業員の残業という形でしわ寄せされているということで、労働市場のひっ迫を示唆している。
2月の労働参加率は、62.3%へ僅かに上昇。労働参加率はコロナ禍前の2020年2月(63.4%)よりも1.1ポイント低く、いまだにその差を埋められていない。しかし、プライムエイジと呼ばれる25-54歳の働き盛り世代の労働参加率は、コロナ禍前の83%には及ばないまでも82.0%から82.2%へ力強く伸びた。失業率が低下するなかで、プライムエイジの労働参加率の上昇は明るい兆しといえる。

今週の 重要経済指標

今日の注目通貨:ユーロ/円
今週の予想レンジ ↑131.19円 ↓121.77円
ユーロ/円のブルベアの分かれ目は126.48円。
126.48円より上ならばユーロ買いが優勢、126.48円より下ならばユーロ売りが優勢。
133.15円 : 2022年 高値
132.99円 : 第4 レジスタンス(HBO)
131.19円 : 第3 レジスタンス
130.54円 : 2022年 平均値
129.39円 : 第2 レジスタンス
129.24円 : 03月 高値
128.84円 : 第1 レジスタンス
127.39円 : 03月 61.8%
126.82円 : 03月 平均値
126.48円 : ピボット
126.24円 : 03月 38.2%
125.09円 : 2021年 安値
124.62円 : 2018年 安値
124.39円 : 2022年 安値
124.13円 : 第1 サポート
123.57円 : 第2 サポート
121.77円 : 第3 サポート
119.97円 : 第4 サポート(LBO)

(荒地 潤)