2024年下期決算は予想上振れ、多方面の投資加速で最大手の地位強化へ

現地コード 銘柄名 06618

京東健康


(JDヘルス)


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40.80HKD
(3/7現在)


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 中国の医薬品ネット通販最大手、京東健康の2024年下期決算は、売上高が前年同期比13%増と、市場コンセンサス予想を1%上回った。粗利益率は市場予想から下振れ、営業費用も増大したが、主に金融収益の好調により、調整後の純利益率は予想を上回る7.2%だった。

BOCIは同社が2025年に、ユーザーや製品、販売チャネルなど各方面への投資を積極化させるとの見方。同時に、サプライチェーンやフルフィルメント(受注から配送までの一連の業務)能力を強化し、ユーザーにとっての魅力を高めていくと予想。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 オフライン医療サービスの浸透や院外処方薬ビジネスへの政策支援が追い風となる中、同社は2025年に、ユーザーの獲得や価格競争力、サプライチェーン、サービスカテゴリー、オムニチャネル、フルフィルメント、パートナーシップ、AI、オフラインインフラなど、各方面で投資を加速させる見込み。存在感をさらに高め、業界トップの座を固める見通しという。うちAIの活用について、BOCIは収益への直接的な影響は想定していないとしながらも、効率化やユーザー体験の改善に寄与するとみている。フルフィルメント、マーケティング、研究開発など各種費用を含む総経費に関する2025-27年の想定値を8-10%上方修正し、粗利益率に関する予想を維持。2025-26年の予想売上高を2%引き上げる半面、調整後のEPADS(1ADS=米預託株式当たり利益)予想を3%減額修正している。


 2024年下期の売上高は前年同期比13%増の298億元と、市場予想から1%上振れた。商品売上高は11%増。広告主の増加に伴う広告料収入の伸びを受け、サービス売上高は25%増を達成した。年間アクティブユーザー数は1億8,400万人に増加し、第三者の出店者数は期末時点で10万件を上回った。

粗利益率は市場予想の22.7%をやや下回る22.2%。営業経費も膨らんだが、潤沢なキャッシュポジションに由来する力強い金融収益が寄与し、調整後純利益は予想を上回る7.2%に達した。


 BOCIはDCF方式に基づく同社の目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。目標株価の算出に当たっては、WACC(加重平均資本コスト)を9.5%、永久成長率を4%と想定した。一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、規制強化、コロナ禍後の「正常化」、投資の失敗、親会社であるEC大手JDドットコム(09618)からの支援の縮小、競争激化などの可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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