今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは148.35円↓下値メドは146.75円メキシコペソ:キャリトレ時代の終わり。トランプ大統領でパラダイムシフト
トランプ大統領:中国にマイナス、しかしインドにはプラス
日本経済:円安による輸入インフレのリスク高まる
原油価格:OPECが2025年の需要見通しを再び下方修正
欧州軍拡:軍需産業への投資は非倫理的という考え方は誤っている。欧州は自由を守るために軍需産業を強化する必要
前日の市況
3月11日(火曜)のドル/円相場の終値は147.76円。前日終値比0.47円の「円安」だった。
ただこの日は、米国の雇用関連の堅調なデータやウクライナ戦争停戦への期待、カナダのオンタリオ州の米国向け電力サーチャージの一時停止のニュースなどで、リスクセンチメントがやや改善した。東京市場で4カ月ぶりの水準まで円高になったドル/円だが、海外市場では円安に動いた。

2025年50営業日目は147.27円からスタートした後、東京時間昼前に前日の安値(146.63円)を下に抜けて146.55円まで下落して、10月4日以来の安値を更新した。
ただその後は買い戻しが優勢になった。147円台を通り抜けると、夜遅くには前日の高値(147.85円)を超えて148.12円まで上昇してこの日の高値をつけた。
この日発表された1月のJOLTS(雇用動態調査)求人件数は、774万件と予想の763万件を上回り、米雇用市場の堅調さを示した。しかしDOGE(米国政府効率化省)による連邦政府および地方政府のリストラがまだ反映されていないため、今後悪化する可能性がある。

ユーロ/ドルは上昇。昨年10月以来の1.09ドル台までユーロ高に動いた。
ウクライナは、米国が提案した30日間の即時停戦案を受け入れる用意があると表明した。これを受け米国はウクライナへの軍事支援を再開するとともに、情報共有を直ちに再開することを発表した。
ドイツでは、これまで「債務ブレーキ」緩和に難色を示していた緑の党が、防衛費増額の措置を巡り、週内の合意を期待交渉の用意があると発言したこと。ドイツの財政拡大を期待してユーロ/ドルが買われる中、ユーロ/円のショートポジションの解消でドル/円は円安に振れた。
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング
今日の一言
世の中で成功するためには、馬鹿のように見せかけ、利口に行動することである - モンテスキュー
Pamela
1月CPIレビュー1月の米CPI(消費者物価指数)は、前年同月比で3.0%上昇し、前月比では0.5%の上昇を記録した。市場予想の2.9%を上回り、約1年半ぶりの大幅な増加となった。米国のインフレ圧力が依然として強いことを示す結果となった。この結果を受けてパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、利下げを急ぐ必要がないとの見方を示している。

1月のCPIは、食料品価格上昇の影響が大きかった。その3分の2は卵の価格上昇だ。卵は15%余り値上がりし、2015年6月以来の大幅となった。
米国の卵の値段は、平均で1ダース1,000円もする。レストランでは卵1個につき80円(50セント)の追加料金(エッグ・サーチャージ)を導入しているところもある。朝食を買うためだけにローンを組む必要があるといったジョークが飛び交っている。
こうした状況で、カナダ、メキシコ、中国の輸入に高関税が適用されるのだ。米国の食料品輸入の17%がカナダ、23%がメキシコ、そして6%が中国からだ。高関税の適用で、食料品価格は10%から12%程度さらに上昇すると予想されている。
食料品の上昇は、トランプ大統領の輸入関税推進に対する警告となるだろう。企業のコスト上昇につながる不法移民の大量送還なども、インフレ悪化要因として批判を受けることになりそうだ。
サービス分野最大の項目である住居費のうち、特に帰属家賃(Owner's Equivalent Rent、 OER)は、全体のCPI上昇の大きな部分を占めており、1月は0.4%上昇した。その他影響が大きかったのはエネルギー価格で、前年同期比で15.8%上昇した。

今週の注目経済指標

コーンチャート分析


(荒地 潤)