今日はFOMCが政策金利を発表する。前回のFOMCでは,4会合ぶりに利下げが見送られ,政策金利であるFF金利の誘導目標を4.25%から4.50%に据え置くことが決定された。

FOMCの声明文からは「インフレが2%の目標に向けて進展を示した」という文言が削除された。FRBメンバーのインフレ懸念は強まっているようだ。


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今日のレンジ予測

[本日のドル/円]上値メドは150.25下値メドは148.55円

日米貿易:日本政府は、防衛予算増加と引き換えにトランプ政権と貿易協定を結ぶ可能性
米利下げ終了?:米経済はFRBに利下げを急かせるようなシグナルを出していない
人民元:中国政府は輸出競争力を維持するため元高を望まない
トランプ関税:パウエルFRB議長「関税の影響を政策に組み入れるのは時期尚早」
FRB:アトランタ連銀総裁「利下げして、またすぐに利上げするのは望ましくない」


前日の市況

 3月18日(火曜)のドル/円相場の終値は149.30円。前日終値比0.12円の「円安」だった。


 トランプ関税が米景気後退を引き起こす不安は強くなっているが、このテーマは、4月2日に相互・分野別関税の発動が実際に発動されるまで小休止。マーケットの目下の関心は、中央銀行の金融政策である。


ドル/円、一時150円に迫る。トランプ政策で日銀は利上げ延期、FRBは利下げ終了か?
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 2025年55営業日目は149.17円からスタート。この日は東京市場から円売りが優勢だった。日本銀行が本日の会合で追加利上げを見送る一方で、FRB(米連邦準備制度理事会)は、今年の利下げは2回から1回に減るとの予想が広がっている。石破茂首相の「商品券配布」問題による政局不安定化も円安材料のひとつとなっている。


 ドル/円は前日の高値(149.28円)を早々に超えると東京時間夜遅くには149.94円まで上昇してこの日の高値をつけた。しかし、150円手前で失速すると明け方には149.10円まで下落してこの日の安値をつけた。24時間のレンジ幅は0.84円。


今週後半のドル/円 サポートとレジスタンス

レジスタンス:
151.43円    02/20
151.31円    03/03
150.18円    03/05
149.94円    03/18


サポート:
149.10円    03/18
148.21円    03/17
147.70円    03/14
147.41円    03/13



中期【まだ円高】: 高値と安値の50% =152.71円
ドル/円、一時150円に迫る。トランプ政策で日銀は利上げ延期、FRBは利下げ終了か?
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 1月2日から3月18日までのドル/円のレンジは146.55円から158.87円。
 レンジ幅は、12.32円。
 高値と安値の50%(中間点)は、152.71円。
 現在のレートは中間点よりも「円高」。


2025年 主要指標 終値

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今日の為替ウォーキング

今日の一言

万物は他者のもの、時間のみ自分のものである - セネカ


My Heart Will Go On

 2025年1月29日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)では、4会合ぶりに利下げが見送られ、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を4.25%から4.50%に据え置くことが決定された。FOMCの声明文からは「インフレが2%の目標に向けて進展を示した」という文言が削除された。


 FRBメンバーのインフレ懸念は、昨年12月の会合時点に比べやや強まっている。


 パウエルFRB議長は、利下げを急ぐ必要はないと強調して、「経済が順調に推移し、インフレが続く場合、適切な限り、FF金利を現在のレンジのまま維持する」との考えを示した。FRBが今後の利下げペースをより慎重に進めることが明らかになった。


 パウエルFRB議長は記者会見で、追加の利下げを決定する前に「インフレの実質的な改善」や「労働市場の状況」を確認する必要があると指摘している。この点は非常に重要である。なぜなら、インフレの低下と労働市場の過熱兆候がおさまることが次回利下げの必要条件だとすれば、現時点ではそのような進展が見られないからである。


 金利市場の2025年の利下げ回数予想は2回未満に減少した(ドットチャートは2回利下げを予想)。今回3月の利下げは見送り、5月は五分五分というのがマーケットの予想だ。


ドル/円、一時150円に迫る。トランプ政策で日銀は利上げ延期、FRBは利下げ終了か?
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 2月19日に公表されたFOMC議事録によると、FOMCのメンバーは、今後の経済成長に関して回復が見込まれるものの、インフレ率が依然として目標を上回っていることに注目している。


 議事録の中で特に注目すべきは、今後の政策金利の見通しについての議論だった。パウエルFRB議長は、金利政策を急ぐ必要はなく、データを慎重に評価することが重要であると強調した。


 この発言は、利下げが行われる可能性が依然としてある一方で、インフレが持続的に上昇しない限りは、当面金利を据え置く方針が継続されることを示している。今回3月FOMCでは、金融政策の見直しが行われ今年の利下げ予想が1回に減る可能性も示唆されている。


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今週の注目経済指標

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ヒートマップ分析

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(荒地 潤)

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