トランプ政権の保護主義的な政策が日本株に影響を与える中、ゲームやアニメなどのコンテンツに関連した日本株は安定したパフォーマンスを見せています。急成長する世界のコンテンツ産業で存在感を発揮する日本のゲーム&アニメ株の投資魅力を探ります。
米大統領選挙後の日本株パフォーマンス
足元の日本株は軟調です。背景にはさまざまな理由がありますが、トランプ政権による保護主義的な政策によって世界経済の不確実性が高まっていることも理由の一つでしょう。
図表1は、米国の大統領選挙の投開票が行われた11月5日以降の日本株のパフォーマンスです。

TOPIX(東証株価指数)が+2.1%とやや上昇した中で、クリーンテックや半導体、バイオ&メドテックがTOPIXを大きく下回っています。
トランプ大統領は1月20日の就任初日に選挙公約通り、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱する大統領令に署名しました。環境問題の解決策となる技術やサービスへの投資が減退するとの懸念から日本のクリーンテック株にも逆風が吹いています。
また、半導体株のパフォーマンスはさまざまな影響を受けていますが、前政権以上にトランプ政権は中国の技術力を制限する意向から、主要同盟国に中国半導体産業への規制強化を迫っています。
バイオ&メドテックに関して、日本の医薬品輸出額は年々増加しており、特に米国向けは全体の3~4割を占める大きな存在です。米国でワクチン懐疑論者のロバート・ケネディ・ジュニア氏が厚生長官に就任したことや、引き続き薬価引き下げ圧力を受けていること、関税の引き上げ方針などが重荷となっています。
一方、TOPIXを上回って上昇している日本株の中で特にパフォーマンスが安定しているのは、フィンテックとゲーム&アニメです。
日本のフィンテック株は国内事業を中心としており米国の影響を受けにくいことや、利上げ局面が続いている日本では金融機関の収益改善・向上が見られていることが挙げられます。
ゲーム&アニメ株など日本のゲームやアニメ産業は、他の産業に比べて関税の影響を受けづらく、海外成長が期待されるテーマです。WTO(世界貿易機関)は1998年以降、デジタルコンテンツなどの「電子送信」には関税を賦課しない「電子商取引モラトリアム」を策定し、2年ごとに更新してきました。
テーマの動きを見ることで今がどのような相場か理解することにつながります。どの投資テーマも長期的に有望だと考えていますが、テーマ投資は長期から短中期まで幅広い投資に活用できるでしょう。
さらなる成長が期待される日本のコンテンツ産業
最も上昇率の高いゲーム&アニメ株の投資環境について確認します。世界のコンテンツ産業の市場規模は約135.6兆円と、石油化学産業や昨今AI需要で活況な半導体産業を上回る規模です(図表2)。
また、日本由来のコンテンツの海外売上は4.7兆円で、鉄鋼や半導体の輸出額に匹敵する規模になっています。実際、創作したIP(知的財産権)をライセンスし商品化する「メディア・フランチャイズ」で、全世界における累計売上でポケモンやハローキティなど日本のコンテンツがランキング上位を占めているとされます。

日本および世界のアニメ産業は拡大が続いており、特に海外の市場規模は11年連続で拡大を続けています。IPと親和性が高いゲームも有望な市場です。世界の市場規模は2024年時点で4,729億ドル(約70兆円)と年率18.5%もの高成長を遂げており、さらに2029年までの5年間で6,882億ドル(約102兆円)に拡大すると予測されています(図表3)。
今後も紙からデジタルへ、テレビからプラットフォームへ変革する中で、世界的に競争力のあるIPやコンテンツ制作で強みを持つ日本企業の成長が期待される分野といえるでしょう。

日本のゲーム&アニメ株をまとめてつかむ!
グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式 ETF(銘柄コード:2640) は、ゲーム開発および販売、eスポーツ、ゲームプレイ動画の配信、アニメ・漫画の制作など、ゲームおよびアニメに関連した商品・サービスを提供している日本企業20社に投資するETF(上場投資信託)です。
図表4は当ETFの対象株価指数の構成上位10銘柄です。
カプコンは2月28日に発売した大人気シリーズの最新作「モンスターハンターワイルズ」が、発売から3日で全世界販売本数800万本を達成し、同社史上最速の出足となりました。

ゲーム企業は以前ほどではないものの、新作ゲーム機・タイトルの発表や売れ行きによって業績が大きく変動し、株価も大きく変動することがあります。例えばスクウェア・エニックス・ホールディングスは、2024年5月に発表した決算で、タイトルの開発取りやめに伴うコンテンツ廃棄損やコンテンツ制作における評価損を計上し、一時ストップ安まで急落しました。
また、組入上位ではありませんがディー・エヌ・エーは、2024年10月にリリースしたスマホゲーム「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」が業績をけん引し、株価はリリースから2025年3月14日まで90%超上昇しています。
個別のゲーム関連企業に投資するのも良いですが、複数の銘柄にまとめて投資することで成長を取りこぼすことなく、またリスクを抑えながら投資ができると考えています。図表5は当ETFの対象株価指数の推移です。対象株価指数はTOPIXを安定して上回っており、特に2020年のコロナ禍や2024年の中盤以降、一層その差が拡大してきています。

当ETFの売買単位は1口、1口当たり約3,819円*と、少額からゲームとアニメに関連する20銘柄に投資が可能です。ETFの最新情報は こちら からご確認ください。
*2025年3月17日時点の基準価額
<投資リスク>
当ファンドは、値動きのある有価証券等に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、投資元本が保証されているものではなく、これを割込むことがあります。
<ファンドの費用>
ETFの市場での売買には、証券会社が独自に定める売買委託手数料がかかり、約定金額とは別にご負担いただきます。(取扱会社証券会社ごとに手数料率が異なりますので、その上限額を表示することができません。)保有期間中に間接的にご負担いただく費用として運用管理費用(信託報酬)がかかります。グローバルX ゲーム&アニメ-日本株式 ETFの運用管理費用は0.649%(税込)です。また、その他の費用・手数料としては、組入有価証券売買時の売買委託手数料、先物取引・オプション取引等に要する費用、監査報酬等を信託財産でご負担いただきます。※「その他の費用・手数料」については、運用状況等により変動するため、事前に料率、上限額等を示すことができません。
Global X Japan株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第3174号 一般社団法人日本投資顧問業協会会員 一般社団法人投資信託協会会員
(Global X Japan)