株式投資の基本でありながら、奥深い「注文方法」。指値注文と成行注文、どちらを選ぶべきか、株価チャートから読み解く力を養うクイズです。
今日のクイズ
今日は、株の買い注文、売り注文の出し方について学ぶクイズを二つ出します。株価チャートを見て考えてください。
【第1問】以下のA社とB社、それぞれ100株買うことにしました。注文の出し方として一番良いと思う方法を、以下【1】~【6】からそれぞれ一つだけ選んでください。
【1】1,150円に100株の買い指値
【2】1,250円に100株の買い指値
【3】1,350円に100株の買い指値
【4】1,450円に100株の買い指値
【5】1,550円に100株の買い指値
【6】成行で買い

注文の出し方は【1】~【6】のほかにもいろいろありますが、ここでは【1】~【6】のうち、どれか一つを選ばなければならないとして最も良いと思うものを選んでください。
【第2問】以下のC社とD社、それぞれ100株ずつ保有していますが、両方とも保有する100株を売ることにしました。注文の出し方として一番良いと思う方法を、以下【1】~【6】からそれぞれ一つだけ選んでください。注文を出してすぐ売れなくてもよく、1週間以内で売れればよいとして考えてください。
【1】1,550円に100株の売り指値
【2】1,450円に100株の売り指値
【3】1,350円に100株の売り指値
【4】1,250円に100株の売り指値
【5】1,150円に100株の売り指値
【6】成行で売り

すでに気づいていると思いますが、A社とC社はまったく同じチャートにしています。買いたいか売りたいか、投資判断だけ異なるという設定です。B社とD社もまったく同じチャートです。
指値・成行注文とは

少しでも早く、必ず約定(やくじょう)したいならば、成行で注文を出すべきです。すぐに約定しなくてもよい、少しでも有利な価格で約定したいと思う場合は、指値を利用すると良いでしょう。
指値にするとき、いくらに指値するかが重要です。急いで売買すべきか、急ぐ必要がないかを考えて、指値をする価格を選んでください。
A社・B社・C社・D社の株価チャートを見て、買いや売りを急ぐべきか、急ぐ必要がないかを考えて答えてください。
正解
正解をお伝えする前に、ひとことお伝えすることがあります。
売買注文の出し方に絶対の正解はありません。どういう出し方が良いか、人によって考え方は異なります。
今日のクイズでは、私がファンドマネジャー時代にやっていた「もっとも良いと思う方法」を正解としています。
【第1問】
A社:【1】1,150円に100株の買い指値
B社:【6】成行で買い
A社の株価チャートを見ると、直近で何か悪材料が出て、投資家が大慌てで売ってきているように見えます。ここから、さらに値下がりする可能性が高いと思えるので、買いは急ぎません。かなり下の価格に指値します。数日買わずに様子見してもよいかもしれません。
B社の株価チャートを見ると、直近で何か好材料が出て、投資家が大慌てで買ってきているように見えます。
【第2問】
C社:【6】成行で売り
D社:【1】1,550円に100株の売り指値
C社はさらに値下がりしそうなので、売りは急ぎます。D社はさらに値上がりしそうなので、売りは急ぎません。かなり上に売り指値します。
C社の売り方で、【5】1,150円に100株の売り指値を選んだ方も正解とします。前日終値が1,250円ですから、今日寄付(よりつき:最初につく株価)が1,150円より高ければ、その株価で売れます。例えば、寄付1,200円ならば1,200円で売れます。寄付1,160円ならば1,160円で売れます。
それは成行売りでも同じです。寄付1,200円ならば1,200円で売れます。寄付1,160円ならば1,160円で売れます。
成行売りと指値売りの違いが出るのは、寄付で1,150円を下回る時です。
悪材料が出るとき、どんどん下がるリスクもあるので、100株しか持っていないならば私は成行で売ります。
チャートの読み方を勉強したい方に
最後に、私の著書を紹介します。ダイヤモンド社より、株価チャートの読み方をトレーニングする「株トレ」(黄色の本)が出版されています。決算書の見方など学ぶ「株トレ ファンダメンタルズ編」(水色の本)とともに、ぜひご参照ください。どちらも一問一答形式で、クイズを解きながら株式投資を学ぶ内容です。
「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ 」
「 2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編 」

(窪田 真之)