苦しいときは戦線拡大するというのは将棋の戦略。トランプ大統領は貿易戦争の規模と範囲をさらに広げました。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは151.35円↓下値メドは149.55円パウエルFRB議長:任期は2026年7月まで。トランプ大統領による更迭は法律上不可能も、レームダック状態になるおそれ
米政治:共和党と民主党に共通する政策があるとすれば、「財政赤字に無関心なこと」
バブル:ECBが「AI株バブル」に警鐘
英国:マンBOE委員「英国のインフレはまだ収まっていない」
ECB:理事全員がハト派へ転向
前日の市況 ドル/円レンジ継続、ユーロ/ドル下げ強める
ドル/円レンジ継続、ユーロ/ドル下げ強める
3月26日(水曜)のドル/円相場の終値は150.57円。前日終値比0.91円の「円安」だった。
トランプ大統領は、2025年4月から米国に輸入される全ての国からの自動車に25%の関税をかけることを正式に表明した。
ただドル/円の反応は限定的で、150円台にとどまっている。一方、ユーロ/ドルは、貿易だけではなく安全保障の面においても、米国との関係が今後さらに悪化するとの予想で1.07ドル前半まで売られている。

2025年61営業日目は149.86円からスタート。東京時間昼前につけた149.84円がこの日の安値。年度末や月末の決済需要などのドル買いで、下げは限定的だった。前日の安値(149.55円)に届くことなく折り返すと、未明には150.62円まで上昇したが、こちらも前日の高値(150.94円)を超えられなかった。24時間のレンジ幅は0.91円。

週中から週後半のドル/円 サポートとレジスタンス
短期:【円安】高値と安値の50% =148.93円
レジスタンス:
151.43円 02/20
151.31円 03/03
150.94円 03/25
150.75円 03/26
サポート:
149.84円 03/26
149.55円 03/25
149.37円 03/24
148.58円 03/21
2025年 主要指標

今日の為替ウォーキング Heartbreaker トランプ大統領を勢いづかせたFRB
今日の一言
努力した者が成功するとは限らない。しかし、成功する者は皆努力している - ベートーベン
Heartbreaker
トランプ大統領を勢いづかせたFRB今回のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、関税による「インフレは一過性」と発言した。(もっとも、この見解に対しては他のFOMCのメンバーから異論がでている。)
しかし、いずれにしても、インフレ上昇リスクに目をつぶり、金利引き下げスタンスを継続するFRBのハト派姿勢が、結果として米国経済をより悪化させることになりかねない。
トランプ大統領は、景気後退になった時はFRBが助けてくれるだろうという安心感でさらに勢いづいてしまった。そして米国に輸入される全ての国からの自動車に25%の関税をかけることを正式に表明した。関税政策をより強硬に進められる自信を深めたのだ。
トランプ大統領は、FRBに繰り返し利下げを要求している。FRBに予防的利下げをさせたいのだ。FRBがトランプ大統領の要求を簡単に受け入れてしまっては、中央銀行の独立性に関わる問題になる。
しかし、利下げを拒否するわけにもいかない。トランプ大統領が「FRBが正しいことをしないから、米経済が悪化した」とFRBにすべて責任を押し付けパウエル議長が悪者にされてしまうリスクがあるからだ。

今週の注目経済指標

ヒートマップ分析


(荒地 潤)