2024年下期は4%減益、国内通信キャリアの投資減を海外事業の成長がカバーへ
現地コード 銘柄名 00552中国通信服務
(チャイナ・コムサービス)
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中国電信集団傘下の通信支援サービス会社、中国通信服務の2024年下期の利益は前年同期比4.4%減と、BOCIの予想から下振れた。非通信企業向けと国際市場向けビジネスが売上高を支える半面、国内の通信キャリア向けビジネスは各社の設備投資の縮小により、引き続き低調だった。
2024年下期の純利益は前年同期比4.4%減の15億元と、BOCIの予想に届かなかった。国内通信キャリアの設備投資の縮小に足を取られ、売上高がわずか0.2%増の756億元にとどまったことが響いた。セグメント別では、TIS(通信インフラ)サービス部門の売上高が前年同期比2.5%減(売上高全体に占めるTISの割合は50.1%)。海外業務は堅調に伸びたものの、国内通信キャリアの投資の縮小と、自主的な低価値プロジェクトの抑制が減収要因となった。また、BPO(業務受託)サービス部門の売上高も、主に低価値プロジェクトの抑制方針が影響して2.4%の減収。残るACOサービス部門の前年同期比10.7%の増収を打ち消す形となった。戦略的新規ビジネス関連の新規契約は下期に30%増加。新規契約全体に占める割合が37%に達した。
同社は国内通信キャリアの設備投資減による打撃をカバーするため、「CAPEX+OPEX+スマートアプリケーション」戦略に取り組む(CAPEXとOPEXはそれぞれ、国内通信キャリアの設備投資と営業支出を指す)。成長エンジンとなるのは引き続き海外ビジネス。2024年通期には、海外売上高が前年比22.3%増の42億元に達した。特に中東とアジア太平洋地域の伸びが大きく、経営陣はこの2地域と中南米(2024年に進出)向けがこの先、売上高の伸びをけん引する見通しを示している。
一方、低採算プロジェクトの自主的な抑制を受け、下期の粗利益率はほぼ前年同期並みを維持した。経営陣は今後もほぼ同様の傾向が続くとみている。
BOCIは目標株価の算出ベースを予想PER8.1倍に据え置きながらも、2024年予想から2025年予想ベースにシフトし、目標株価を引き下げた。レーティング面の潜在リスク要因としては、マクロ経済の減速した場合に、企業や政府機関のIT支出が鈍化する可能性を挙げている。
(Bank of China int.)