2024年に11%増益、原油下落見通しも埋蔵量の確保と高配当利回りを評価
現地コード 銘柄名 00883中国海洋石油
(CNOOC)
株価 情報種類
18.68HKD
(3/28現在)
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中国最大のオフショア石油開発会社、CNOOCの2024年12月本決算は、純利益が前年比11%増の1,379億元と、BOCIの予想通りの水準だった。石油・ガスの実勢価格が2-3%低下する中、生産量の力強い伸びやその他税額(企業所得税以外)の縮小、コスト管理の効果が増益決算を支えた。
2024年通期の石油・ガス生産量は、前年比7%増の7億2,680万BOE(石油換算バレル)。2017-22年の新たな採掘権取得向けに、2023年に追加費用60億元を支払った関係で、所得税以外の税負担は17%縮小した。また、コスト管理が奏功し、オールインコスト(費用総額)は1%減。こうした要因が寄与し、石油・ガス実勢価格の低下にもかかわらず、2桁増益を確保した。
リザーブ・リプレースメント・レシオ(RRR:資源埋蔵量の回復率。期中の確認埋蔵量増加分÷生産量)は2024年に167%という異例の高率を記録。可採年数(今後何年間生産できるかを示す指標)も10年を維持した。探査の持続的な成功がこの先、さらなる生産量の増加につながる可能性がある。
BOCIは2025年の純利益について、前年比横ばいを見込む。ブレント原油の平均価格が前年比10%下落し、1バレル=72米ドルにとどまると想定しながらも、石油・ガス総生産量の6%増(同社経営陣が示したガイダンスの中央値7億7,000万バレルを予想)が相殺するとの見方。
2024年の期末配当は1株当たり0.66HKドルの予定であり、通期の配当性向は44.5%。同社は45%の配当性向を約束しており、現在株価に基づく2025-27年の予想配当利回りは6.6-7.5%と、相対的に高水準となる。BOCIは2025年のブレント原油相場について10%の軟化を見込むが、半面、複数の産油国が絡む地政学リスクを指摘。長期的に1バレル=70米ドルを下回る可能性は低いとみている。
BOCIは今回、目標株価の算出ベースを2024-26年の予想配当利回り5.5%から、2025-27年の同予想利回りにシフトし、目標株価を引き下げた。新たな目標値は2025年予想PER(株価収益率)で7.6倍に相当する。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、原油急落の可能性と、予想外にコストが膨らむ可能性を挙げている。
(Bank of China int.)