2024年通期の業績悪化も営業利益率が上振れ、ファンダメンタルズ改善か
現地コード 銘柄名 02319中国蒙牛乳業
(チャイナ・モンニュウ・デイリー)
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19.50HKD
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中国の乳業大手、中国蒙牛乳業の2024年12月本決算は、売上高が前年比10.1%減少し、調整後利益も縮小した。コア営業利益率は予想を上回ったが、これは原料乳調達価格の軟化や製品構成の改善、コスト管理の強化によるもの。
2024年通期の売上高は前年比10.1%減の887億元と、BOCIの予想とほぼ一致した(上期、下期にそれぞれ前年同期比12.6%、7.4%の減収)。営業利益は17.6%増の72億5,700万元、コア営業利益率は8.2%(前年6.3%)と、予想を上回る水準。販管費は緩やかに増大したものの、粗利益率の改善(前年比2.4ポイント上昇)が寄与した。通期の純利益は98%減の1億500万元だったが、豪ベビー用粉ミルクメーカー、ベラミーズに絡む減損損失(39億8,100万元)や中国現代牧業(01117)ののれん代減損損失(3億4,900万元)を除外した調整後利益は44億3,500万元(前年48億900万元)。調整後利益に基づく配当性向は45%と、前年の40%を上回った。
経営陣は続く2025年通期の売上高について、前年比で1桁台前半の伸びを見込む(1-3月期の売上高はほぼ横ばいにとどまる見通し)。コア営業利益率に関しては前年並みを予想。長期的には営業利益率の上昇トレンドを見込み、向こう数年にわたって毎年0.3-0.5ポイントずつ上向くとの予測を据え置いている。
BOCIは乳製品消費の予想以上の低迷を受け、2025-26年の予想売上高をそれぞれ4%減額修正した。販売代理店が液体乳製品の在庫補充にやや慎重となる可能性を指摘している。
BOCIは中国蒙牛乳業にとって、最悪期はすでに過ぎたとみている。ファンダメンタルズの改善(売上高の安定化や営業利益率の改善、潤沢なキャッシュポジションなど)を背景に、同社株の再評価の余地が一段と拡大しているとの認識。株価の先行きに対して強気見通しを継続している。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、競争激化や乳製品需要の予想以上の萎縮、予想外の販路のシフト、食の安全問題を挙げている。
(Bank of China int.)