世界株安が止まらない。7日の東京株式市場で、日経平均株価は一時3万1,000円を割り込んだ。
世界株安が止まらない。7日の東京株式市場で、日経平均株価は一時3万1,000円を割り込んだ。昨年8月に歴史的な大暴落となった「令和のブラックマンデー」を下回る安値だ。トランプ米大統領による相互関税を発端に経済の悪化懸念が広がり、世界的なショック安を引き起こしている。
先行き不透明な相場で、積立投資家はどうするべきか。楽天証券経済研究所チーフ・ストラテジストの窪田真之に聞いた。
日経平均は先週1週間で3,000円超下落していた。7日も取引開始直後から続落。
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日経平均大幅下落。何が起きている?
__先週から、日経平均下落の流れが止まらない。原因は。
トランプ米大統領が2日に発表した相互関税の内容が想定以上に厳しかったことを受け、世界不況の懸念が高まったためだ。想定以上に関税の税率が高く、対象も広範囲だった。「まさかこれほどまでに」という発表内容だったため、世界的なショック安が起きた。
__関税をかける側の米国株も大幅に下落しているのはなぜか。
関税政策は、中国やインド、ベトナムなどグローバルにサプライチェーン(供給網)を展開している米国の製造業にとっても大きなダメージとなる。
中国は報復措置を発表しており、米国農業も悪影響を逃れられない。さらに、輸入製品の価格が上がれば米国の消費者も苦しむことになる。関税のダメージは米国の全産業にとって大きいもので、米国株式市場の下落につながった。
__米政権の今後の動きをどうみる。
トランプ氏もこれほどマーケットに大きなダメージが出るとは思っていなかっただろう。トランプ支持者からの圧力を受けた結果、どこかで関税政策を修正せざるを得ない、と私は思っている。各国との交渉の結果、米国が有利な結果を勝ち取り、関税緩和という流れになれば良いが、先の展開は読みにくい状況だ。
積立投資家はどうすれば?
__先行きが見通しにくい相場で、個人投資家はどうするべきか。
世界景気は一時的に悪化するだろうが、これは循環的な悪化で、また回復していくだろう。基本的には、株価が下がった局面では株を買い増ししていくチャンスだと捉えている。
特に、日本人は金融資産に占める現預金比率が高く、株式の比率が少ない。現金の価値が下がるインフレ時代には株式の保有を増やすべきというのが基本的な考えだ。
__具体的には。
例えば、日本最大の公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)のポートフォリオ(資産構成割合)は、国内外の株式と債券の比率を25%ずつとしている。
これと同じ投資判断をするとしたら、長期投資できるお金が100万円あった場合、50万円は株で持っていても良いと考えることができる。自分の資産構成のうち株の比率が50%よりも少ないなら、時間分散で株を買い増ししても良いだろう。逆に多く株を持ちすぎているなら、少し減らすという判断も必要だろう。
__下落相場に不安を感じ、狼狽売りしてしまう人もいる。
積立投資を始めて1、2年の若い人は、これから10~20年かけてじっくり資産を形成していく段階にある。急な株価の下落で不安になるだろうが、コツコツ積み立てを続けていくことが大事だ。
積み立てを始めた後株価がずっと上がり続けるよりも、下落を経て上がった方が、長期的なリターンは増える計算になる。長期投資のスタンスを変えずに継続することが大切だ。
(トウシル編集チーム)