主力のセメント不振で業績悪化、単位粗利益の改善で2025年に業績回復へ
現地コード 銘柄名 03323中国建材
(チャイナ・ナショナル・ビルディング・マテリアル)
株価 情報種類
4.03HKD
(4/2現在)
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セメントの世界最大手、中国建材の2024年12月通期の純利益は24億元(前年比38%減)と、BOCIの予想を上回ったが、これは主に一過性の売却益15億元(税引き前)の計上によるもの。コア利益はほぼ予想通りの数字だった。
2024年通期のセメントおよびクリンカー(セメントの中間製品)販売量は前年比31%減。トン当たり粗利益もわずか1%増の35元にとどまった。基礎建材(主にセメント)部門は8億2,500万元の純損失だったが、セメント生産者らの連携による生産量の抑制が奏功し、下期にはトン当たり粗利益が62元に改善。24億元の利益を計上している。
一方の新材料部門を見ると、2024年通期の純利益は前年比24%減の26億元。全ての主力製品の平均販売価格が低下した。
BOCIは2025年の同社全体の純利益について、仮一過性利益の計上がなくても前年比31%増加するとみている。セメント価格の堅調と石炭調達価格の下落を背景に、セメントおよびクリンカーのトン当たり粗利益が前年の35元から51元に改善すると予想。基礎建材部門の採算性がさらに改善するとみる。
2025年、2026年の予想EPSに関しては、各59%、67%上方修正したが、その主因はセメントとクリンカーのトン当たり粗利益に関する想定値を51元(修正前41元)、53元(同45元)に引き上げたこと。さらにエンジニアリング部門の減損(2024年に4億200万元)、予想信用モデルに基づく減損(同6億3,000万元)が発生しないと想定。3月に完了した自社株買いで、発行済み株式総数が10%減少したことも考慮に入れた。
一方、配当性向55%を維持すると仮定した場合、現在株価に基づく向こう3年間の予想配当利回りは6.0-6.7%。かなり魅力的な水準にあると指摘している。
BOCIは2025年予想PER(株価収益率)平均8.1倍と2025年予想PBR(株価純資産倍率)0.45倍を組み合わせた評価に基づき、目標株価を引き上げた。8.1倍との数字は過去7年の平均値プラス1標準偏差。これまでの2024年予想PER8.5倍から下方修正した。予想PBRの0.45倍も、2024年予想PBR0.47倍からの下方修正。新たな目標株価は2025年予想PERで11.2倍となる。
レーティング面の潜在リスク要因として、BOCIはセメントとクリンカーの単位粗利益率の回復が予想より遅れる可能性、新材料の価格が急落する可能性を挙げている。
(Bank of China int.)