4月9日のFXマーケットは、米中貿易戦争のエスカレーションを背景に大幅な値動きとなりました。ドル/円は一時143円台と約半年ぶりの円高水準をつけた後、急激な円安に転じるという激しい値動きを見せました。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは149.60円↓下値メドは144.30円ドル基軸通貨:ドルが基軸通貨としての地位を保っているのは、ドルが他の通貨よりも安全な場所にあると考えられているからである。ドルの基軸通貨としての地位に対する脅威は、国際的なものではなく、国内的なものである。例えば、法の支配の弱体化、過度な財政赤字、経済ナショナリズムによる貿易や資本フローの減少などは基軸通貨の資質に対する明らかな脅威となる
ECB:ラガルド総裁「欧州経済、一時的に減速後、今年中に回復」
米経済:貿易関税や政治不透明にもかかわらず、米企業の経済先行き楽観広がる
前日の市況
4月9日(水曜)のドル/円相場の終値は147.74円。前日終値比1.45円の「円安」だった。
米国は日本に対して24%の関税を課した。トランプ政権は今後の交渉によって最終的な関税率を10%程度まで引き下げることもありえると示唆している。しかし問題は最終的な関税率ではない。重要なのは関税率の「引き下げ速度」である。関税率が20%から25%範囲にとどまる期間が長ければ長いほど、米国がリセッションに陥る可能性が高くなるだろう。
その一方で、あまりにも早く関税率を下げると、米国が自らの関税に耐えられなくなったと見透かされてしまう。

2025年71営業日目は146.20円からスタート。東京時間夜遅くには一気に144円台も通り越して約半年ぶりの安値となる143.97円まで下落した。この背景には米国に投資することに不安を覚える投資家の「ドル離れ」が増えていることがある。
トランプ政権はこの日、予定通り「相互関税」を発動した。
ところが、発動したばかりの相互関税に対して、トランプ大統領が上乗せ部分を90日間停止すると発表すると、一転して「リスクオン」の展開となった。ドル/円は大幅反発して明け方に148.27円まで円安に動いた。24時間のレンジ幅は4.28円。
週末から来週前半のドル/円 サポートとレジスタンス
短期:【中立】高値と安値の50%=147.61円

3月15日から4月9日までのドル/円のレンジは144.00円から151.21円。
レンジ幅は、7.21円。
高値と安値の50%(中間点)は、147.61円。
現在のレートは中間点よりも「円安」。
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Piano Man
今日の一言
深刻になって「もうおしまいだ」とか、「自分の手に負えない」と思うこともある。しかしそれは錯覚にすぎない。実際は「今日はちょっと運が悪かった」くらいのことなのだ。
Piano Man
米国CPIレビュートランプ大統領の「相互関税」が7月まで延期されたことで、マーケットの関心は米国の経済指標に移る。本日は2025年3月の米国CPI(消費者物価指数)の発表がある。
先月の米国CPIは、前年同月比で2.8%の上昇を記録した。約1年半ぶりの大幅な増加となった1月の3.0%から鈍化し、市場の予想であった2.9%も下回る結果となった。

トランプ大統領の政策による景気不透明感が増す中で米国の消費者が支出を大きく増やすということは考えられず、CPIはFRB(米連邦準備制度理事会)の想定よりも速いスピードで下落する可能性もある。トランプ関税の影響が反映されるのはこれからのことで、CPIの上昇リスクも十分残っているので注意が必要である。

今週の注目経済指標

ヒートマップ分析


(荒地 潤)