「DeepSeek」とファーウェイ効果で業績改善へ、2025年に2桁増益見通し
現地コード 銘柄名 00354中軟国際
(チャイナソフト・インターナショナル)
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中国の大手ITサービス会社、中軟国際は、国産の高度AIモデル「DeepSeek」の登場を受けたAIの浸透を理由に、2025年の業績回復を予想している。提携先の有力ハイテク企業ファーウェイ(華為技術)の「HarmonyOS/Ascend」の勢いも売り上げ増につながるとの見方。
主要取引先からの価格圧力が続く中、中軟国際は2024年下期に苦戦し、売上高は前年同期比4%増の90億元と、市場予想を4%下回る水準。粗利益率は21.2%へ1.9ポイント低下した。純利益は37%減の2億2,700万元。従業員持ち株制度の関連費用や貸倒引当金の計上もあり、BOCIと市場の予想を各35%、42%下回った。ただ、従業員数は下期に7万5,000人に増加しており(上期は7万人未満)、BOCIはファンダメンタルズの回復に伴う戦略的な事業規模の拡大の兆しがみられるとしている。
経営陣は2025年の売上高と純利益がいずれも2桁成長を達成すると予想。その理由として以下の3点を挙げている。◇AI製品の収益構成比の上昇、◇ソフト・ハードウエアの商業化の進展と独自製品の販売促進に加え、DeepSeek一体型デバイスやKaihongOS搭載PCの商品化を受けた「アウトソーシング主体から製品主体へ」のビジネスモデルのアップグレード、◇AIツールを活用したデリバリー(システム構築)効率の向上。経営陣は特に、DeepSeekに起因する国内でのAIの浸透が2025年の大きなビジネスチャンスにつながるとみる。また、中軟国際はファーウェイのAscendAIの緊密なパートナー。
一方、ファーウェイ・クラウドの海外戦略パートナーとして、中軟国際は主にアジア太平洋地域と中東地域で大きく前進している。香港では2024年にカイタック・スポーツパークなどの複数プロジェクトを完了したほか、香港警察のCDIP(デジタル画像集中管理プラットフォーム)プロジェクトを落札。サウジアラビアでは3F Technology Investment Companyと合弁会社を設立した。
BOCIはマクロ環境の弱さとプロジェクトの遅延を理由に2025-26年の予想売上高を8%、12%引き下げ、予想EPSを12%、18%減額修正。2026年予想PER(株価収益率)16倍を当てはめ、目標株価を引き下げつつ株価の先行きに強気見通しを継続。レーティング面の潜在リスク要因としては国内のサービス置き換えプロセスの減速やファーウェイへの依存度の高さ、ITプロジェクトの遅延、生成AIをめぐる混乱などを挙げた。
(Bank of China int.)