週明けのドル/円相場はトランプ政権の通商政策への懸念から、東京時間で約2円の値幅をつける荒い値動きとなりました。ドル売りの流れで3営業連続の円高でした。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは144.95円↓下値メドは141.25円ドル:ドルの価値は外国人投資家の米資産への買い意欲によって決まる。ユーロの価値はユーロ圏の投資家の海外投資意欲によって決まる
飲酒:Z世代「毎週飲酒する」は3割以下。最も多い割合は「飲酒しない」
天然ガス:ロシアに代わってアゼルバイジャンがEUに天然ガス輸出。ロシアの輸出増えなくてもLNGの価格は今後下落
ECB利下げ:デポ金利は今年中に1.5%まで下がる見通し
前日の市況
4月14日(月曜)のドル/円相場の終値は143.06円。前日終値比0.52円の「円高」だった。
トランプ大統領は週末、スマートフォンやPCに対する相互関税の適用除外を認めたが、その舌の根の乾かぬ内に今度は「半導体税」を導入すると発表。トランプ政策の不透明感によるドル売りが継続。

2025年74営業日目は143.65円からスタート。ドルの上昇は限定的で、東京時間朝に144円に乗せてつけた144.09円がこの日の高値。夕方には142.24円まで下落して先週の安値(142.05円)に一時接近した。ただ、そろそろドル買い戻しも混じるようになり、143円台に戻した。その後はレンジ内の取引が続いた。24時間のレンジ幅は1.85円。
今週前半のドル/円 サポートとレジスタンス、ブルベア転換点
短期:【円安】高値と安値の50% =146.27円
レジスタンス:
148.27円 04/09
147.82円 04/10
144.64円 04/11
144.09円 04/14
サポート:
142.24円 04/14
142.05円 04/11
141.64円 24/09/30
140.44円 24/09/18
2025年 主要指標

今日の為替ウォーキング Immigrant Song 米国経済、終わりの始まり
今日の一言
私たちがどう思おうと、変化は必ず起こる
Immigrant Song
米国経済、終わりの始まり他国を上回る勢いで成長してきた米国経済に、不穏な兆しが見えてきた。この2年間、米国の経済成長を支えてきたのは、労働市場と消費の強さ、FRB(米連邦準備制度理事会)利下げによる政策金利の緩和、そしてAI(人工知能)の優位性である。
米国の中央銀行であるFRBは「雇用の最大化」と「物価の安定」という二つの使命(デュアルマンデート)が法律によって付託されている。労働市場は今のところまだ持ちこたえているようだが、イーロン・マスク氏が率いるDOGE(政府効率化省)による政府機関職員の大量レイオフが雇用市場に新たな下振れリスクを加える。
一方でインフレについては、4月のミシガン大学消費者態度指数によると1年先のインフレ期待は、1981年以来44年ぶりの高さとなる6.7%まで上昇した。
今年1月に発表されたDeepSeekは、「スプートニクの瞬間(米国が敵対国に先行を許した瞬間)」と形容される。米国のAIの絶対的優位という楽観論を否定するものであり、投資家はデータセンターや半導体チップへの巨額の投資に価値があるのか疑問を持ち始めている。
マイクロソフトは、世界各地でデータセンタープロジェクトから撤退を始めた。これはAIを動かす高性能サーバー群の計画について、同社がより厳しい見方をし始めたことを反映している。
米国の堅調な消費の背景に株高と暗号通貨高があったとすれば、この富の効果は消えつつある。トランプ政権は、MAGA(Make America Great Again:米国を再び偉大な国にする)を達成しようとするなら、 関税よりも減税などの景気刺激策を優先するべきだが、その順番が逆になっている。トランプ大統領は、すでに景気後退の可能性を暗に認めている。
今週の注目経済指標

タイムゾーン 分析

(荒地 潤)