2025年1-3月期は粗利益率改善で21%増益、4-6月期は利益成長加速へ
現地コード 銘柄名 00914安徽海螺水泥
(アンホイ・コンチ・セメント)
株価 情報種類
21.90HKD
(4/30現在)
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安徽省政府系のセメント大手、安徽コンチセメントの2025年1-3月期決算は、純利益が前年同期比21%増の18億1,000万元に達した。BOCIは単位当たり粗利益の改善が増益決算をけん引したと指摘。
1-3月期には、売上高は前年同期比11%減少した。セメント取引量、販売量のさらなる縮小が響いたもよう。国家統計局によれば、中国全土のセメント生産量は1-3月期に前年同期比1.4%減。同社は国内最大級のメーカーであり、期中の販売動向はほぼ、全国平均値と比例した可能性が高い。半面、粗利益率は前年同期の16.8%から21.6%に改善し、2桁増益を支えた。
4-6月期には販売量と単位粗利益がいずれも上向く見込み。1-3月期は例年、セメント需要の閑散期に当たる上に、2025年の旧正月休暇の長期化による影響もあり、4-6月期にはその分、大きく需要が上向くとみられる。また、燃料用の国内一般炭価格の軟化も追い風。ベンチマークとなる秦皇島(国内最大の石炭積み出し港)の一般炭スポット価格は1-3月期中に13%下落したが、4-6月期に入ってからはさらに2%下げており、短期的な回復の兆しは見えない。
BOCIは石炭価格に関する想定値の下方修正に伴い、2025-27年の予想純利益を16-19%増額修正した。セメントおよびクリンカーのトン当たり粗利益に関する想定値をそれぞれ79元(修正前70元)、81元(同72元)、83元(同73元)に引き上げている。
現在株価の2025-27年の予想配当利回りは5.7-6.5%と、魅力的な水準にある。
BOCIは2025年予想PER(株価収益率)11.1倍(11.2倍から下方修正)と、予想PBR(株価純資産倍率)0.68倍(0.64倍から上方修正)の組み合わせをベースに、目標株価を引き上げた。後者の予想PBR0.68倍は同業他社のPBR対ROE(自己資本利益率)の回帰分析から導き出した水準。新たな目標株価は、2025年予想PERで10.9倍相当となる。
一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、セメント価格が急落する可能性、石炭価格が急騰する可能性を挙げている。
(Bank of China int.)