スポティファイ・テクノロジーの2025年12月期1Qは、15.2%増収、営業利益3.03倍。プレミアム(有料)会員の伸びに加え広告売上高が基調として拡大中。
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著者の今中 能夫が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 決算レポート:スポティファイ・テクノロジー(プレミアム売上高が順調。広告事業に期待) 」
本レポートに掲載した銘柄: スポティファイ・テクノロジー(SPOT、NASDAQ)
1.スポティファイ・テクノロジーの2025年12月期1Qは、15.2%増収、営業利益3.03倍
スポティファイ・テクノロジー(以下スポティファイ)の2025年12月期1Q(2025年1-3月期、以下今1Q)は、売上高41.90億ユーロ(前年比15.2%増)、営業利益5.09億ユーロ(同3.03倍)となりました。前4Q決算発表時の業績ガイダンスに対して、ユーロ高の影響で売上高が若干の未達となりました。営業利益は社会保険料の支払いが予想よりも多く、これも若干の未達となりました。プレミアム売上高(有料会員向け)が順調で、37.71億ユーロ(同16.1%増)となりました。
MAU(マンスリー・アクティブ・ユーザー数)も順調に増加しており、特にラテン・アメリカ、アジア太平洋が順調に伸びました。先進国も堅調でした。
広告売上高は会社計画を上回った模様です。ポッドキャスト広告が好調でした。
また、営業利益については、社会保険料が7,600万ユーロ計上された影響がありました(会社予想は5,800万ユーロ)。これを除くと今1Q営業利益は会社予想を若干上回りました。
セグメント別に売上高と売上総利益を見ると、プレミアム、無料・広告型とも順調に売上高、売上総利益、売上総利益率が増加、上昇していることがわかります。
表1 スポティファイ・テクノロジーの業績

表2 スポティファイ・テクノロジー:セグメント別業績(四半期)

グラフ1 スポティファイ・テクノロジーのマンスリーアクティブユーザー数

2.2025年12月期、2026年12月期と順調な業績が続こう
2025年12月期2Qの会社側ガイダンスは、売上高43億ユーロ(前年比12.9%増)、営業利益5.39億ユーロ(同2.03倍)です。会社側の売上高ガイダンスの中にはユーロ高による売上高へのマイナス要因が約1億ユーロ含まれています。また、広告事業を含む事業で今後の成長のために必要な投資を行うため、営業利益率の上昇は緩やかなものになると予想されます。
今1Qまでの業績と今2Qの会社側ガイダンスを参考にして、楽天証券では、2025年12月期を売上高180億ユーロ(同14.8%増)、営業利益23.50億ユーロ(同72.2%増)、2026年12月期を売上高210億ユーロ(同16.7%増)、営業利益36億ユーロ(同53.2%増)と予想します。いずれも売上高は若干の下方修正、営業利益は若干の上方修正となりますが、これは売上高はユーロ高の影響、営業利益はポッドキャストなど新サービスと広告の寄与を予想したためです。
表3 スポティファイ:セグメント別業績(通期)

3.スポティファイ・テクノロジーの今後6~12カ月間の目標株価は前回の830ドルを維持する
スポティファイ・テクノロジーの今後6~12カ月間の目標株価は、前回の830ドルを維持します。
プレミアム会員の増加に加え、今後広告売上高の増加が期待できること、ポッドキャストのような新サービスの開発に熱心であることを評価しました。
中長期で投資妙味を感じます。
本レポートに掲載した銘柄: スポティファイ・テクノロジー(SPOT、NASDAQ)
(今中 能夫)