5月6~7日に開催されたFOMCでは、FF金利の誘導目標を4.25~4.50%に据え置く決定がなされました。これは市場予想通りで、3会合連続の金利据え置きとなります。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは144.50円↓下値メドは142.50円FRBリストラ:イーロン・マスク氏「FRBの職員はばかばかしいほど多い」
人民元:不動産市場の底入れまだ。今年さらに6%超える下落を予想
欧州経済:アイルランド中銀総裁「経済は新型コロナの時よりも不透明」
ユーロ:ECB「米国との貿易戦争はユーロの為替レートに影響」
ECB:ラガルド総裁「インフレ目標達成は間近」
前日の市況
5月7日(水曜)のドル/円相場の終値は143.84円。前日終値比1.44円の「円安」だった。

2025年91営業日目は142.45円からスタート。朝にやや下げてつけた142.38円がこの日の安値で、前日の安値(142.35円)に届かなかった。ベッセント米財務長官が中国と今週スイスで協議を行うとの報道が伝わり、米中関税交渉が進展するとの期待でリGW明けの東京市場は円安に動いた。
FOMC(米連邦公開市場委員会)は、政策金利を据え置いた。決定は予想通りだったが、パウエルFRB議長が利下げを急がないとの「タカ派的」見解を示したことでさらに円安が進んだ。明け方にはこの日の高値となる144.00円まで上昇したが、前日の高値(144.27 円)には届かなかった。24時間のレンジ幅は1.62円。

主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Lessons In Love
今日の一言
コップが床に落ちて割れた。それがどうしたというのだ?そんなはずはないと抵抗したり、割れなければよかったのにと思ったりしたところで、苦しみと後悔が生まれるだけだ。「こんなこともある」と、自分に言い聞かせる。そうすることで、とても大きな解放感を得られる
Lessons In Love
FOMCは、5月6日-7日に開催された会合において、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導目標を、4.25-4.50%の範囲に据え置くことを決定した。決定は市場予想通りで、3会合連続の金利据え置きとなった。
会合後に行われたパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見の主なポイントは、以下の3つ。
1.関税の影響については「不確実性」が高く、 インフレ加速や雇用減少につながる可能性がある
2. しかし、現在の「米国経済は堅調」であり、「労働市場も健全」である
3. したがって、景気減速を示す明確な証拠が現れるまで「金融政策の変更を急ぐ必要はない」

このようにパウエルFRB議長は、インフレや失業率が悪化する前に予防的な利下げはしないという考えを明確にした。FRBが「タカ派的」であることから、今後の利下げについて6月は据え置きで、9月以降にずれこむことになりそうだ。ただ一方で年内に0.25%の利下げが2、3回行われるとの見方もある。トランプ関税の影響で経済が悪化した場合、FRBが大幅かつ急激な利下げが年後半に行われる可能性があるということだ。
FOMCの利下げ見送り結果を受けて、トランプ大統領とパウエルFRB議長のバトルが再燃しそうだ。トランプ大統領は、以前から金利引き下げを繰り返し要求していることから、今回のFOMCの決定に対して強い不満を示し、再び圧力を強めることになるだろう。関税政策がトランプ大統領の支持率にも影響を与えているなかで、FOMCが慎重な姿勢を維持したことに対し、今後のFRBとの関係がさらに緊張することが考えられる。一方で、パウエル議長は「FRBの決定は政治的な影響を受けない」と強調していて、トランプ大統領の要求には応じない姿勢を示している。

今週の注目経済指標

タイムゾーン 分析

(荒地 潤)