マーケットでは、2025年に米国景気後退のリスクが高まっているとの見方も強まっています。この状況下で、CPIがFRBの政策判断に与える影響は特に重要となります。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは148.35円↓下値メドは147.00円ドル:「ドル買っておけば儲かる」という時代は終わりに近づく
トランプ関税:関税導入に法的根拠を与えるため「国家経済緊急事態」の宣言を検討
M&A:プラダがベルサーチ買収を検討
米消費:実質賃金の上昇で米消費者の購買力高まり、カードローン残高が減少
ECB:金利政策は高すぎも低すぎもしない「中道」を目指す
前日の市況
5月13日(火曜)のドル/円相場の終値は147.46円。前日終値比1.01円の「円高」だった。
今週月曜日に発表された、米中貿易協議で合意された関税引き下げ幅の大きさに、市場は良い意味で驚いた。トランプ政権が完全な「リバースモード」に入りつつあるようだ。このリスクオンの期間がいつまで続くかはわからないが、とりあえず今は、マーケットは「通常モード」に戻ったことを祝福している。
グラフは色が変わってるところがドル高とドル安のボーダーゾーンです。

2025年95営業日目は148.41円からスタート。東京時間朝に148.46円まで上げたが、前日の高値(148.65 円)を超えることはできずに、逆に147円台後半まで押し戻された。
海外市場に入り、アメリカの4月CPI(消費者物価指数)発表前に148円台前半まで戻した。しかしCPIの上昇率が市場予想を下回ったことで、全体的なドル売りが活発になるなかで、明け方に147.38円まで下落してこの日の安値をつけた。24時間のレンジ幅は1.08円。
ドル/円 サポートとレジスタンス

レジスタンス:
151.21円 03/28
150.48円 04/02
149.17円 04/03
148.65円 05/12
148.45円 05/13
サポート:
145.70円 05/12
144.82円 05/09
143.44円 05/08
142.38円 05/07
142.35円 05/06
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Sugar Baby Love
今日の一言
ちゃんと仕事を終えたかったら、自分でやること
Sugar Baby Love
4月CPIレビュー米国の2025年4月のCPIは、前年同月比2.3%上昇し、市場予想を下回った。食品とエネルギーを除いたコアCPIは2.8%上昇で、前月から横ばい。伸び率の鈍化は3カ月連続で続いており、インフレの鈍化傾向が見られた。

現在のところ、トランプ関税の影響はCPIに顕著には反映されていないようだ。その理由としては、多くの輸入品が関税発効前に仕入れられており、企業がコストを消費者に転嫁するまでには数カ月のタイムラグがあるためだ。衣料品や新車の価格に関税コストが転嫁されていないのは、企業が関税引き上げ分を吸収しているからと考えられる。
トランプ関税の影響が本格的にCPIに反映されるのは来月以降と予想されている。米国と中国が関税幅を引き下げたことは良いニュースだが、90日間の期限付きであり、先行き不透明感は残る。そもそも3月時点と比べて関税が大幅に高くなったことに変わりなく、その影響は今後表れてくるだろう。
したがって、FRB(連邦準備制度理事会)がすぐに政策変更(利下げ)を行う可能性は低く、当面は慎重姿勢を維持して、今後数カ月のインフレ動向を見極める方針だ。

今週の注目経済指標

コーンチャート分析


(荒地 潤)