7月15日のドル/円は、対ドルで4月以来の安値付近まで下落した。米国のインフレ懸念、そして日本の参院選での与党過半数割れの予測で円が大きく売られた。
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]↑上値メドは149.50円↓下値メドは147.70円債務:世界のソブリン長期債務残高、過去最高の12.3兆ドルに達する見込み。米国は40%占める米仏関係:フランス世論調査75%が「米国はフランスの同盟国ではない」。35%は「ウクライナ支援止めるべき」
ユーロ:欧州再軍拡計画に着手。財政規律は停止
原発:ドイツが原発再稼働を検討。再開には5~7年必要
スウェーデン:SEK急騰。防衛費増加はスウェーデン資産にプラス
前日の市況
7月15日(火曜)のドル/円相場の終値は、前日比1.10円「円安」の148.87円。1日のレンジ幅は1.47円だった。4月以来3カ月半ぶりの水準まで円安が進んだ。
2025年140営業日目は147.68円からスタート。東京時間昼過ぎにつけた147.55円がこの日の安値となった。NY市場では米国のインフレ指標に反応してドルが急伸した。ドル/円は未明には4月3日以来となる149.02円を記録した。

ドル上昇の理由は、この日発表された米国の消費者物価指数(CPI)が強く、米連邦準備制度理事会(FRB)が今月の会合で利下げを見送るとの見方が強まったことだ。
円の事情としては、今週末の参院選で自公過半数割れの公算が大きいとの予測が増えていることがある。
レジスタンス:
151.31円 03/03
151.21円 03/28
150.48円 04/02
149.17円 04/03
149.02円 07/15
サポート:
147.55円 07/15
146.85円 07/14
146.13円 07/11
145.75円 07/10
144.22円 07/07
2025年 主要指標 終値

今日の為替ウォーキング Words Get In The Way
今日の一言
「決めない」ことも「決断」の一つ
Words Get In The Way
米国の6月のCPIは、前月比では0.3%、前年同月比で2.7%上昇した。上昇率は市場予想にほぼ一致し、2カ月連続で伸びが加速した。コアCPI(食品とエネルギーを除いた指数)は、前年比2.9%増、前月比では0.2%増となり、やや予想を下回ったものの、引き続き伸びを示した。
今回のCPIは、衣料品や家電などの価格にトランプ関税の影響が徐々に現れ始めていることが確認された。その一方で、エネルギー価格が相殺的な役割を果たし、全体のインフレ圧力をやや和らげる結果となった。

今月発表された米経済指標は、雇用統計に続きCPIも強かった。従って現時点では、「データ依存」アプローチをとる米連邦公開市場委員会(FOMC)が、今月の会合で利下げを行う可能性は低いとの見方になっている。
トランプ関税の影響は少ないとして「フォワードルッキング」的に早期利下げを支持する意見もあるが、現在市中に出回っている商品は、関税が発動される前に米国に到着していた分で、在庫がなくなる7月以降から本格的なインフレ上昇が始まるとの指摘も多い。
このようにFOMCで「利下げ」か「据え置き」かで、参加者の見解が分かれている背景には、政治的雑音はさておき、「フォワードルッキング」と「データ依存型」のアプローチの違いが大きな理由と考えられる。

今週の注目経済指標

(荒地 潤)