2025年6月中間期は13%減益も予想上振れ、配当性向45%に引き上げ

現地コード 銘柄名 00883

中国海洋石油


(CNOOC)


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(8/29現在)


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 中国最大のオフショア石油開発会社、CNOOCの2025年6月中間決算は、純利益が前年同期比13%減の695億元と、BOCIの予想を4%上回った。石油・ガスの実勢販売価格と生産量が予想を上回ったことが背景。


 BOCIは原油価格の軟化見通しを理由に、下期の利益が上期比19%減少すると予想しながらも、2025-27年の予想純利益を0.3-2.1%増額修正。目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。


 2025年上期の石油・ガス生産量は前年同期比6%増の3億8,460万BOE(石油換算バレル)。経営陣による通期見通しの49.9%(中央値)をクリアし、BOCIの予想を2%上回った。


 石油の実勢販売価格は1バレル当たり69.15米ドルと、前年同期比で14%低下したものの、BOCIの予想を2%上回る水準。一方、天然ガスの実勢販売価格は1,000立方フィート当たり7.90米ドルと、予想を6%上回った。


 上期の純利益は前年同期比2桁減少したが、同社が発表した中間配当は1株当たり0.73HKドルと、わずか同1%の減配。上期の配当性向は45.5%と、前年同期の40.5%から上昇した。同社は24年に、これまで40%以上だった配当性向を、2025-27年に45%以上に引き上げる方針を明らかにしており、これに沿う決定となった。


 油田探査事業は上期も成果を上げ、中国のオフショアで新たに5カ所を発見。さらに、石油・ガス構造物18件の評価を成功裏に実施した。また、イラクのブロック7鉱区とカザフスタンのZhylyoi鉱区における石油・ガスの探査・生産権を獲得している。


 BOCIは2025年下期の利益について、上期比19%の減少を見込む。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスが7-9月に、日量100万バレル超の増産方針を示したことで、世界の石油市場が10-12月期以降、明らかに供給過剰に陥ると予想。ブレント原油価格の下期の平均値は上期比で8%下落するとみている。


 一方、CNOOCの石油・ガス実勢販売価格に関しては、小幅に想定値を引き上げ、2025-27年の予想純利益を0.3-2.1%増額修正した。


 同社株の2025-27年の予想配当利回りは6.1-6.7%と、依然、魅力的な水準にあるとしている。


 BOCIは利益見通しの上方修正に伴い、目標株価を引き上げ、株価の先行きに対して強気見通しを継続した。目標バリュエーションの算出ベースは2025-27年予想配当利回りで5%。配当性向を45%と想定した。


 レーティング面での潜在リスク要因としては、原油価格の急落の可能性、予想以上にコストが膨らむ可能性を挙げている。


(Bank of China int.)

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