日経平均株価が高値を更新する中、Jリートは、好調な業績にもかかわらず割安な水準にあり、平均分配金利回りは4.6%を超えています。本記事では、Jリートの魅力と、今後の成長を期待する物流銘柄をご紹介します。
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の茂木 春輝が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 利回り4.8%!GLPを買いとする三つの理由:割安なJリートに注目 」
平均分配金利回り4.6%と割安のJリート
日経平均株価が高値を更新する中、好調な業績にもかかわらず割安な水準であると考えます。不動産投信であるJリート(J-REIT:国内の不動産投資信託)は、業績好調にもかかわらず過去3年にわたり売られてきたため、平均分配金利回りが4.6%(10月20日執筆時点)となっており、「割安」と判断しています。
以下の図は東証REIT指数の推移です。東証REIT指数とは、東京証券市場に上場するREIT全銘柄を対象に「時価総額加重型」という方法で平均した指数です。
東証REIT指数は2022年以降日本銀行の利上げを嫌気して軟調に推移してきましたが、2025年に入ってから割安感・利回りの高さで反発し1,900ポイントを突破、1,947.85ポイント(2025年10月20日時点)となっています。加重平均した予想分配金利回りは4.6%です。
これまでの予想分配金利回りはコロナショックで価格が下落したことで2020年3月には一時6.8%まで上昇しました。その後、ショックが収まった時点で、価格が急反発し、利回りは2021年6月3.4%まで下がりました。
現在の平均利回り4.6%は、過去の利回りと比べて、高利回りで割安な水準だと考えています。
<東証REIT指数(配当なし)と予想分配金利回り(加重平均)>
不動産価格は上昇する中で割安のJリート
以下のグラフは東証REIT指数における*NAV倍率の推移を示しています。不動産の価値は上昇しているのに対して、リートの投資口価格は上昇しきれておらず、相対的に割安になっていると考えています。
<東証REIT指数のNAV倍率>
*NAV倍率とは
リートの保有不動産の時価評価額から負債を差し引いた純資産価値(NAV)に対して、投資口価格が何倍であるかを示す指標です。これは、株式における株価純資産倍率(PBR)に相当し、リートの価格が割安か割高かを判断するのに使われます。NAV倍率が1倍を下回れば割安と見なされます。
利回り4.8%で需要の高い物流施設特化型リート
<GLP投資法人の投資口価格と予想分配金利回り>
Jリートのはじめの一銘柄目には今後も成長が期待できる物流リートが良いと考えています。その中でも GLP投資法人(3281) が買いと考えます。
理由は以下の三点です。
[1]NAVの高い成長性と低いNAV倍率
[2]低LTVの財務安定性
[3]機動的な資産売却
NAVの高い成長性と低いNAV倍率
以下のグラフはGLP投資法人の1口当たりのNAVを示したものです。堅調に1口当たりの価値は向上しており、2025年10月20日時点でのNAV倍率は0.87倍と割安になっています。
<GLP投資法人の1口当たりNAV>
この高い内部成長性はスポンサーグループにおけるハードとソフトの両面の競争力を示していると考えています。
低LTVの財務安定性
昨今ではニュースで長期金利の上昇が話題になることも増え、リート投資においても金利を気にされている方も多いと考えています。不動産を買う際はリートを含めて借り入れをしてレバレッジをかけるため、金利の影響を無視することはできません。
GLP投資法人においては、鑑定評価額総額に占める有利子負債割合(鑑定LTV)が低く、固定金利比率も高いことが特徴です。
2025年8月31日時点では鑑定LTVは35.0%で固定金利比率は94.8%となっており、金利が上昇する局面でも強固な財務を保ったまま物件を取得する余力があると考えています。
<GLP投資法人の鑑定LTV>
機動的な資産売却
リートにおいてはその制度上、賃料のほとんどを投資家に支払っていますが継続的な分配をするためには、所有物件の質の維持が必要です。GLP投資法人は成長への寄与が限られた物件を継続売却し、成長性の高い物件取得や自己投資口の取得によって投資家へ還元を行うことに積極的です。
2025年8月期は、「GLP春日部」と「GLP川島」を売却しました。
成長性の見込める物件に入れ替えつつ、売却益による投資家への還元も積極的で、2024年8月期に発表した年間の分配目標である7,000円を予定より早く達成しました。
リートは所有する物件情報が「有価証券報告書」や「資産運用報告書」で公開されていることが特徴の一つです。ホームページには物件の詳細を紹介していることもありポートフォリオの透明性の高さも投資判断の一つとなると考えます。
不動産への小口投資が可能なリート
そもそもJリートについてよくご存じでない方のために、Jリートとは何かご説明いたします。
リート(REIT)はReal Estate Investment Trustの略です。日本国内のREITは「J」を付けてJ-REIT(ジェイリート)と呼ばれています。
リートは不動産への小口投資を可能にした「上場投資信託」であり、証券取引所に上場された一般の株式と同じように売買できる商品です。
定期的に分配金を受け取れる
Jリートの特徴の一つは分配金です。株における配当金に当たります。投資法人として利益の90%以上を分配することで実質的に法人税を免除されるので、収益の大半が分配金として投資家に支払われます。そのため分配金利回りが一般的な「株」と比べ安定し高いことが特徴と言えます。
ただし、確定利回り商品ではないため業績が悪化すれば分配金が引き下げられ、利回りが下がるだけでなく価格も下がるリスクがあります。その意味では「株」に近い商品です。
リスク管理上、Jリートは、「日本株」と「国内債券」の中間的運用商品として扱う必要があります。
<リートに投資して分配金を受け取る流れ>
個人投資家が不動産に投資する場合、ワンルームマンションからアパート1棟までさまざまな投資対象がありますが、ローンを組むとしても大きな金額になります。資金規模の制約から、個人投資家が直接投資できる対象は限られます。
一等地の大型ビルにテナントが集中し、競争力のないビルからテナントが流出する「不動産の二極化」が顕著に見られる時代になりました。投資するならば、一等地の大型ビルに投資したいと考えます。
ところが、リートが普及するまでは、一等地の大型ビルに投資するには何百億円という規模の資金が必要でした。個人投資家の不動産投資では、小口で投資できるマンションなどが中心になり、大型ビルへの投資は困難でした。リートの普及によって、状況が変わりました。今では、小口資金でも、リートを通じて大型ビルに投資することもできるようになりました。
Jリートには、さまざまな種類がある。代表銘柄を紹介
Jリートには、さまざまな種類があります。もともとは、オフィスビルや住宅・マンションに投資するファンドがほとんどでしたが、近年は、ホテルや物流施設、商業施設など、利回りが稼げるさまざまなものに投資されています。
各投資対象の参考銘柄は、以下表です。
<Jリートの参考銘柄:2025年10月20日時点> コード 銘柄名 主な投資対象 分配金利回り
(年率:会社予想) 投資口価格 3281 GLP投資法人 物流施設 4.82 138,500 3283 日本プロロジスリート投資法人 物流施設 4.33 87,600 3466 ラサールロジポート投資法人 物流施設 5.24 146,000 3234 森ヒルズリート投資法人 オフィスビル 4.29 144,400 8951 日本ビルファンド投資法人 オフィスビル 3.45 139,900 8952 ジャパンリアルエステイト投資法人 オフィスビル 3.96 126,700 8963 インヴィンシブル投資法人 ホテルなど 6.23 68,200 3292 イオンリート投資法人 商業施設など 5.22 130,100 3269 アドバンス・レジデンス投資法人 住居 3.80 166,500 出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成(分配金利回りは2025年10月20日時点の1口当たり分配金(会社予想)を同日のREIT価格で割り、年率換算して計算)
小口からの分散投資が可能な商品
Jリートは各投資法人を選ぶ個別銘柄以外に、複数の銘柄に投資できる投資信託や、Jリートの指数に連動した上場投資信託(ETF)があります。
投資口価格が安い銘柄であれば数万円から買えるJリートですが、複数の銘柄を組み合わせると投資額が大きくなります。その場合投資信託やETFは比較的少額からの分散投資が可能です。時間分散したい方は積立や複数回に分けた投資も可能です。
【参考】Jリート関連投資商品例
●投資信託(楽天証券ではクレジットカード決済、楽天キャッシュ、楽天ポイントで購入可能。以下はNISA成長投資枠対応)
「 Smart-i Jリートインデックス 」
「 野村Jリートファンド 」
(茂木 春輝)

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