今日は、2024年12月30日に出した「2025年日経平均予想」のレビューを行います。それとともに、「2026年の日経平均予想」をお伝えします。


毎年恒例!日経平均:年始予想の答え合わせと2026年見通し(...の画像はこちら >>

「2025年の日経平均予想」振り返り

 最初に、私が2024年12月30日のレポートに出した「2025年の日経平均予想」をご覧ください。


<2025年の日経平均予想(2024年12月30日レポートのグラフ再掲)>
毎年恒例!日経平均:年始予想の答え合わせと2026年見通し(窪田真之)
出所:2022~2024年の日経平均はQUICKより作成、2025年日経平均は2024年12月30日時点の筆者予想

 上のグラフの赤い線で示した「2025年日経平均予想」を作った理由について、2024年12月30日のレポートに、以下の通り、書いています。


<2025年の日経平均予想の根拠を述べた部分:2024年12月30日「3分でわかる!今日の投資戦略」より引用>

 2025年は、日本株にとってどんな年になるでしょうか? 私は、米景気はソフトランディングに向かい、日本の景気・企業業績も緩やかな拡大が続くと予想しています。


 そうした環境下、日経平均は年末4万4,000円まで上昇すると予想しています。ただし、一本調子の上昇が続くとは考えていません。年前半は、大波乱が待ち受けていると思います。


 1月20日にトランプ氏が米大統領に就任します。かねてより予告している通り、対メキシコ、カナダ、中国など輸入関税を一斉に引き上げると、世界的な株価急落を招く可能性もあります。もし予告通りメキシコに25%の輸入関税を課すと、メキシコで生産した自動車を米国に輸出しているトヨタホンダ、日産、マツダは大きなダメージを受けます。


 輸入関税を引き上げると、米国も無傷ではいられません。米国で生活必需品の価格が一段と上昇し、インフレ再燃、金利上昇、消費減退を招く可能性があります。そうなると、米国株も下がることになるでしょう。


(中略)


 以上、まとめると、2025年前半はさまざまなリスクから、日経平均はショック安になることもあるとみています。

ただし、年後半には、それらのショックを乗り越えて、景気・企業業績が緩やかに拡大する中で、日経平均は高値をとっていくと予想しています。


 続いて、上記グラフに、2025年の日経平均株価の実際の動きを加えたものをご覧ください。


<2025年の日経平均:予想と実際の動きを比較> 
毎年恒例!日経平均:年始予想の答え合わせと2026年見通し(窪田真之)
出所:赤のラインは2024年12月30日に出した筆者予想。青のラインは実際の日経平均推移

 2025年の予想を自己評価すると、「ストーリーは当たったが日経平均の年末予想値は外れた」という結果でした。


 日経平均が「年前半に関税ショックで下がり、年後半に景気・企業業績の回復を映して上昇する」というストーリーは予想通りでした。ただし、年末4万4,000円まで上昇すると予想していた日経平均は、5万円超へ上昇し、私の予想を大幅に上回る結果となりました。


2026年の日経平均予想

 私は、2026年の日経平均は5万5,000円まで上昇すると予想します。トランプ関税の影響が一巡する中、高市政権の成長戦略が動き出すことにより、来期(2027年3月期)は東証プライムの連結純利益が10.7%増加すると予想します。それに伴い、日経平均も約10%上昇して5万5,000円に達すると予想します。


 2026年11月に米国は中間選挙を控えているため、トランプ大統領は2026年は世界株安につながる関税強硬策を控え、米中貿易戦争は休戦になると思います。中国側も、景気悪化で国民の不満が高まる中、米国との対立激化を回避しようとするでしょう。


<2026年の日経平均予想:日経平均の実際の動きは2023年1月4日~2025年12月23日>
毎年恒例!日経平均:年始予想の答え合わせと2026年見通し(窪田真之)
出所:2023~2025年の日経平均はQUICKより作成、2026年は筆者予想

<東証プライム上場3月期決算、主要841社の連結純利益(前期比)> 
毎年恒例!日経平均:年始予想の答え合わせと2026年見通し(窪田真之)
出所:楽天証券経済研究所予想

 今期(2026年3月期)に続き、来期(2027年3月期)も東証プライムの純利益は増益となり、最高益更新が続くと予想しています。来期は増益率が高まる予想です。

背景として、以下4点があります。


【1】トランプ関税のマイナス影響一巡を見込む


 今期は、トランプ関税の影響を受けて、自動車産業など製造業が減益となります。ただし、相互関税・自動車関税が15%に引き下げられたこと、米景気堅調で円安が進んだ恩恵もあり、来期には関税のマイナス影響が一巡すると予想しています。2026年は、米中間選挙があるので、トランプ大統領は関税強硬策を控えると思われます。


【2】非製造業の業績が好調


 非製造業(不動産、建設、情報通信、サービス、観光業など)の業績が好調です。以下、日銀短観DIを見れば分かる通り、非製造業DIは、プラス30超えと高水準が続いています。来期も非製造業好調は続くと予想しています。


【3】AI関連が好調


 製造業・非製造業とも、AI関連ビジネスが好調です。製造業では、半導体関連が好調です。来期もAI関連市場の拡大が続くと予想しています。来期は、AIエージェント・フィジカルAIが拡大して、株式市場の重要テーマとなると予想しています。


【4】高市政権の成長戦略が動き出す


 来期には、高市政権の成長戦略が動き出し景気・企業業績に追い風と予想しています。


<日銀短観・大企業DI:2020年3月~2025年12月>
毎年恒例!日経平均:年始予想の答え合わせと2026年見通し(窪田真之)
出所:日本銀行「短期経済観測」より作成

 昨年度の予想と見通しレポート全文は、以下からお読みいただけます。


2024年12月30日: 2025年の日経平均、年末4万4,000円を予想する理由(窪田真之)


(窪田 真之)

編集部おすすめ