<指数パフォーマンス比較~バリュー株orグロース株どっち優勢?~>
NISAで中小型株!プライム昇格を目指せる割安株15選。脱スタンダード‼
2025年12月 中小型主要指数の月間騰落率

12月の中小型株ハイライトは「閑散に節税売りアリ」

 2025年は、日経平均株価(以下:日経平均)の史上最高値が5万円に乗せる歴史を塗り替えた好地合いでした。が、「月初めが激弱」のジンクスが確立された1年でもありました。12月も月初いきなり大崩れ。

とはいえ、日経平均5万円割れ水準で、すかさず押し目買いが入る雰囲気もありました。ちなみに、月初の日経平均、6~12月まで「7カ月連続で下落」です。


 ただ、年内最後の米連邦公開市場委員会(FOMC)を事前予想通り利下げ決定で通過すると、波乱なきイベント通過はリスクオンというようにダウ工業株30種平均やS&P500種指数が最高値を更新。強い米国株に背中を押され、日本株も上昇。これは2024年12月と同様で、東証株価指数(TOPIX)も最高値の更新を続けました。日本銀行の利上げ決定もアク抜け材料に。


 一方で、2025年はAIラリーに酔った1年でしたが、最後の最後で試練の場面も。米オラクルのAIデータセンターの完成時期遅れや、投資会社が出資していた分の一部取りやめといったネガティブ報道があり、AI関連株がドミノ安に。これが日本の半導体関連株に売りで連鎖し、「日本版SOX指数」こと日経平均株価の下押し圧力となりました。


 年後半は(毎年のことですが)、クリスマスシーズンに入り売買ボリュームが細っていきます。東証プライム市場の売買代金は23日にひさびさ5兆円を割れると、クリスマスイブの24日に4兆円割れ、そしてクリスマスの25日は3兆円割れ(2兆9,824億円)で2025年最低を更新しました。そして、このタイミングに向け、12月ならではの個人投資家による売り需要も。


(毎年のことですが)個人投資家の節税目的の売りが12月は出てきます。ただ、これはロスカットですので、含み損を抱えている個人投資家の多い株が売りの対象。市場でいえば、最もパフォーマンスの悪かった東証グロース市場が節税売りを浴びた可能性が高いといえます。


 そうした売り圧力がジワジワかかった上、日本の長期金利上昇もあって、12月は東証グロース指数が大幅マイナス(月間騰落率マイナス3.7%)でした。なお、クリスマス週の閑散期辺りでは節税売りも峠を越えていたとみられ、年末にかけては見直し買い機運も。


12月IPOの初値騰落率と初値後騰落率 銘柄名 コード/市場 初値
騰落率 初値
→年末終値
騰落率 BRANU 460A /東G 69% ▲42% FUNDINNO 462A /東G 42% 37% フィットクルー 469A /東G 36% ▲4% AlbaLink 5537 /東G 42% 16% NSグループ 471A /東P ▲5% ▲5% SBI新生銀行 8303 /東P 9% 10% ミラティブ 472A /東G ▲13% ▲6% ギミック 475A /東S ▲5% ▲2% 辻・本郷IT
コンサルティング 476A /東S 61% ▲15% パワーエックス 485A /東G ▲7% 90% スタートライン 477A /東G 95% 0% テラテクノロジー 483A /東S 39% ▲18% フツパー 478A /東G 32% ▲7% PRONI 479A /東G 7% ▲5% リブ・コンサルティング 480A /東G 40% ▲7% ※表は上場日古い順

 12月は1年で最も株式の新規公開(IPO)が多い月です。IPO数が大幅に減少した2025年ですが、12月に限ると全15社が上場、そのうち東証スタンダード市場には3社、東証グロース市場には10社が上場しました。初値が公開価格を上回ったのが、15社中11社、初値騰落率の15社平均は+30%でした。IPO株の出足としてはやや低調な印象。


 重要なのは初値が付いた後の値動き(セカンダリー)ですが、こちらは苦戦する銘柄がほとんどでした。2025年の年末終値と初値を比較し、初値を上回れている銘柄は15銘柄のうち4銘柄。初値を付けた直後には人気が離散するケースが多く、初値で買った短期勢の売りを吸い上げられず値を切り下げる事例が相次ぎました。


 その中、一際輝いたのが、初値は公開価格を下回ったものの、初値から年末終値にかけて+90%の急騰劇を演じた パワーエックス(485A) でした。同社は、コンテナ型の蓄電池や急速EV充電器などを製造。


 売上を急激に拡大させながら上場しましたが、今2025年12月期時点では赤字での上場でした。ただ、来期以降の売上高となる受注残高が400億円超と大量にあり、来期の大幅増収&黒字化も見えている点を評価する声もありました。


 それでも、初値は公開価格を下回っていたわけで、IPOとしての人気は相当に低かったといえます。が…某著名な個人投資家が大量に買ったことをSNS上で示すと、一気に流れが変化。


 インフルエンサー恐るべしですが、年末の物色難下での好需給にも着目され、買いが買いを呼ぶ展開に。パワーエックス1銘柄で、東証グロース市場全体の売買代金の3~4割を占めることも当たり前という極端な一局集中でも話題となりました。


新NISAで中小型株!今月の銘柄アイデアは…「実力はプライム級の中小型バリュー株を探せ!」

 2026年も始まりました! 本年もよろしくお願いします。


 さて、新年の日本株市場…今年の大発会はロケットスタートを切りました。日経平均でいえば、大発会は2025年まで3年連続でマイナスでしたし、月初は前月まで7カ月連続でマイナス。大発会は崩れそうとなる「嫌な予感」はあったはずですが、それを見事に覆す展開に。


 大発会の日経平均は前日比で1,493円高、上昇率は3.0%でした。まだ野球でいえば先頭打者ですが、成績的には文句なし先頭打者ホームラン級。


 ただ、大発会というのは長い1年でいえば先頭打者レベルです。今年のように先頭打者ホームランを放ったのは8年前の2018年(+3.3%)でしたが、この年の日経平均は年間でマイナス12.1%を記録する惨憺(さんたん)たる結果に。


 また、昨年まで大発会は3年連続下落でしたが、この3年間の年間騰落率は3年連続で2ケタ%以上を記録しました。大発会と年を通じた方向性でいえば、真逆になるジンクスも?


 1月の中小型株市場ですが、まずは年明けの好発進も手伝い、投資家センチメントは良好といえそうです。大発会に キオクシアホールディングス(285A) など半導体株が爆上げしたことも、個人投資家主体の中小型株市場に間接的なプラスとなりそう。


 というのも、個人投資家の信用買い残が金額ベースで断トツなのが ソフトバンクグループ(9984) で、その同社株は2026年1月1日を効力発生日として4分割を実施しました。新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を通じた買いも入り、より個人投資家の関与が大きくなりそうなソフトバンクG株が上昇した効果はポジティブといえます。


 物色に関しては、日替わりで転々としそう。IPOが空白期間に入ることで、現状の パワーエックス(485A) 一強の動きから他の直近IPOに広がりを持つことに期待したいところ。また、政府が掲げる集中投資17の戦略分野に関連し、AI、核融合エネルギー、造船、宇宙、サイバーセキュリティ、バイオなど国策テーマは生きていそうです。


 年が替わり新NISAの枠も復活しました。こちらでいえば、高配当株や割安株、株価的な出遅れ株に関心が向きそう。前年は日経平均(年間騰落率+26%)が大幅に上がりましたが、指数でいえばTOPIXバリュー指数は同+30%、TOPIXスモールバリュー指数は同+34%と日経平均を圧倒。プライム市場に上場する割安株、バリュー株の好パフォーマンスは目を引きました。


 中小型株市場ではスタンダード市場がバリュー株の宝庫ですが、スタンダード市場指数は同+21%。好調でしたが、プライム上場の小型バリュー株には大きく見劣りしました。市場別の株価純資産倍率(PBR)は、2026年1月5日時点でプライム市場が1.62倍に対し、スタンダード市場が1.13倍、まだ低PBRのバリュー株はスタンダードに多そうです。


「TOPIXを買う」といった機関投資家からのインデックスを通じた資金流入においても、プライム銘柄には恩恵がありますが、スタンダード銘柄は素通りしてしまう「上場市場のハンディキャップ」を抱えています。今回は、プライムへの市場変更の可能性もありそうな実力を既に持っているスタンダード銘柄のバリュー株をピックアップします!


プライム昇格が目指せるスタンダードのバリュー株

【条件】
(1)スタンダード上場
(2)時価総額250億円以上
(3)純資産50億円以上
(4)2年の経常利益総額25億円以上
(5)売買代金25日移動平均1億円未満
(6)PBR1倍未満
※1月5日時点、時価総額大きい順15銘柄


コード 銘柄名 時価総額
(億円) PBR
(倍) 4628 エスケー化研 1,734 0.90 7222 日産車体 1,415 0.79 5449 大阪製鉄(大阪製鐵) 1,199 0.64 8871 ゴールドクレスト 1,183 0.81 4365 松本油脂製薬 889 0.69 7292 村上開明堂 843 0.90 1799 第一建設工業 805 0.96 6877 OBARA GROUP 803 0.78 8841 テーオーシー 793 0.73 2790 ナフコ 657 0.35 1811 錢高組 603 0.56 9856 ケーユーHD 541 0.55 4094 日本化学産業 501 0.99 9639 三協フロンテア 499 0.95 5304 SECカーボン 485 0.61

 スクリーニング条件には、仮にプライムへの上場申請を行う場合に基準となる「新規上場基準」などを入れています。主な形式基準の中で、(2)時価総額250億円以上、(3)純資産が50億円以上、(4)最近2年の利益の総額25億円以上などを満たしているかどうかで絞りました。


 さらに、仮にプライム市場に昇格した場合、TOPIX組み入れに際してインパクトが出るのは「普段の売買高が少ない株」です。(5)売買代金25日移動平均値が1億円未満の低流動性株のみを残しました。

最後に、株価の見直し余地が大きい(6)PBR1倍を下回る低PBR株であることも条件に加え、時価総額の大きい上位15銘柄だけ紹介しておきます。


 もちろん、プライム市場への変更を発表したら激アツですが、こればかりは当該企業にプライムに変更する「ヤル気」がないとどうしようもありません…(^^; 「ヤル気」の確認は、区分変更の申請や準備に関するプレスリリースの開示に注目してください!


(岡村 友哉)

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