日米中央銀行が1月23日にレートチェックに動いたことを受け、先週は急速な円高が進み、日本株が下落しました。今週は米国の次期FRB議長にウォーシュ元FRB理事が指名されたことで円高や米国売りがストップしそうです。

高市自民党が衆議院選で勝利する期待感や、アルファベットなど日米企業の決算発表で底堅い業績相場の展開になりそうです。


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今週のトピック:アルファベットなど日米企業の決算発表、8日に衆議院選挙投開票

今週のマーケット:次期FRB議長決定で米ドル売りストップ、衆院選で上昇期待
今週のトピック

・30日(金)、トランプ大統領がケビン・ウォーシュ元米連邦準備制度理事会(FRB)理事を次期FRB議長に指名。30日の米国市場の反応は株価急落、ドル高。今週は影響が和らぐ可能性が高そう


・高市自民党が単独過半数を獲得するという世論調査が出る中、8日(日)投開票の衆院選に向けた選挙戦が続く。自民党優勢なら株価上昇へ!


・日本時間5日(木)早朝のグーグル親会社 アルファベット(GOOG) が好決算発表なら半導体メモリ株など人工知能(AI)株続伸!? 日本でも大企業の決算発表が相次ぎ、業績相場になりそう!


・6日(金)の1月雇用統計など米国の重要雇用・景気指標が発表。過度に悪化しない限り、日米の株価への影響は軽微!?
 


2月2日(月)の日経平均

 2月相場は前営業日比252円高の5万3,575円の反発スタート。前場では小反発をしたものの、後場では一時前日比400円超安までマイナスに転じました。(2月2日12時時点)


今週のマーケット:ウォーシュ氏のFRB次期議長指名で不透明感消える!?半導体株、銀行株中心に上昇へ!?

 今週から始まる2月相場は、1ドル=154円70銭台まで円安が進んだことで日本株の反発上昇に期待できそうです。


 先週1月30日(金)にはトランプ大統領がFRBの次期議長にケビン・ウォーシュ元FRB理事を指名。


 ウォーシュ氏がかつて量的緩和策に批判的なタカ派だったこともあり、米国市場では株価下落とともにドル高が進みました。


 トランプ大統領はウォーシュ氏について「利下げに前向きだと確信している」と述べています。


 元FRB理事でウォール街にもパイプを持ち、タカ派的側面も持つウォーシュ氏の起用で、ひとまずトランプ大統領が米国の中央銀行FRBの独立性を無視して意のままに操ろうとする懸念は後退したと思われ、今週はウォーシュ氏に対する懸念も収束しそうです。


 米国では2025年秋に続いて、予算案採択の遅れで週末から一部、政府機関が閉鎖されていますが短期間で終わる可能性が高く、株価に対する影響はなさそうです。


 日本では2月8日(日)投開票の衆議院選の世論調査で積極財政を掲げる高市自民党が単独過半数を奪取する調査結果が多いことから、衆院選の自民党勝利を織り込んだ買いが入りそうです。


 ウォーシュ氏の次期FRB議長指名で円安トレンドも再開しそうです。


 多くの優良大企業が2025年10-12月期決算発表を行うこともあり、好業績を発表した企業の株価が素直に上がる業績相場に期待できるでしょう。


 中でも、2日(月)の みずほフィナンシャルグループ(8411) 、4日(水)の 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306) など金利上昇が高収益につながるメガバンク株が好決算を発表して株価が反転上昇する展開に期待したいところ。


 半導体関連の決算では、日本時間4日(水)早朝の米国半導体メーカー大手の アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD) や6日(金)の 東京エレクトロン(8035) などが注目されます。


 両社ともいまひとつAIブームに乗り遅れていたものの、2026年に入ってからはAIデータセンター向け需要で価格が急騰する半導体メモリ関連株として注目され、東京エレクトロンは前年末比20.4%高しています。


 日本時間5日(木)早朝にはグーグルの親会社・アルファベット(GOOG)が決算発表。


 同社はグーグルが開発したAIシステム「Gemini 3」が世界的に高評価を受け、昨年2025年はアルファベットC株(GOOG)が前年末比64.8%も上昇。


 先週は マイクロソフト(MSFT) が好決算を発表したものの、設備投資の額が過去最高に達し、巨額投資にAIサービスの収益向上が見合っていないという懸念から前週末比7.7%も下落しました。


 アルファベットが巨額投資に見合った高収益を上げているかどうかに注目が集まりそうです。


 先週は日本でもAI向け半導体検査装置の販売が絶好調な アドバンテスト(6857) が28日(水)に決算発表。今期3度目となる業績上方修正を行いました。


 これを受けて株価は前週末比8.4%上昇しましたが、30日(金)には利益確定売りで急落。


 取引終了後には同社の日経平均株価(225種)に占める組み入れ比率が4月1日から引き下げられることが発表されており、今週、その売り圧力に耐えて、高値を更新できるかが注目されます。


衆議院選挙の結果先取りで株高!?米国雇用統計とトランプ大統領のイラン攻撃がリスク要因!?

 今週は2月8日(日)の投開票に向けて、衆議院選挙戦がいよいよ大詰めを迎えます。


 多くの報道メディアの世論調査のように、8日(日)の選挙で自民党単独で過半数の233議席、安定多数の243議席を確保できた場合、来週9日(月)以降の日本株は高市トレードが復活し大幅高となるはず。


 今週は自民党勝利を先取りした買いも見込めそうです。


 ただ、今回の衆院選は組織票を持つ公明党が中道改革連合に参加したこともあり、予測しづらいのも事実。自民党が意外に劣勢という報道が流れると、株安に振れる恐れもあります。


 財政悪化懸念で一時、10年国債の利回りは27年ぶりとなる2.32%台まで上昇しましたが、先週は金利の上昇が小休止。


 金利上昇が株価に悪影響を与える流れは落ち着きそうです。


 今週は3日(火)の 三井物産(8031) など大手商社、4日(水)の 三菱重工業(7011) 、5日(木)の ソニーグループ(6758) 、6日(金)取引時間中の トヨタ自動車(7203) など、優良大企業の決算発表にも注目です。


 一方、米国では月初め恒例の雇用・景気指数の発表が相次ぎます。


 2日(月)には落ち込みが目立つ1月の全米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数、4日(水)には米国給与計算代行会社 オートマチック・データ・プロセッシング(ADP) の1月民間雇用統計や前回12月分は予想以上に改善した1月ISM非製造業景況指数が発表。


 6日(金)発表の1月雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比6.5万人増、平均時給は前月12月と同じ前月比0.3%の伸びが予想されています。


 雇用指標が多少悪化するのは逆に利下げ期待が高まり、株価にとって追い風です。


 それよりも、トランプ大統領が核開発を阻止するためにイラン再攻撃をほのめかしていることから、「毎週恒例」となったトランプ大統領の過激な政策リスクが今週も金融市場のかく乱要因になりそうです。


先週の振り返り:原油、金の上昇で鉱業・非鉄金属株上昇、半導体メモリ株最強!円高進行で外需、内需株総崩れ!

 先週の日経平均株価(225種)は前週末比524円(0.97%)安の5万3,322円で終了。


 衆議院解散直後の23日(金)につけた1ドル=159円20銭台から、日米中央銀行のレートチェックで27日(火)に一時152円10銭台まで7円以上も急速な円高が進んだことが下げ要因になりました。


 トランプ大統領のイラン再攻撃検討報道で原油価格が上昇したことで、 INPEX(1605) が6.6%高となるなど鉱業セクターが週間の業種別上昇率1位になりました。


 また、トランプ大統領の過激な政策を嫌った金や銀の価格上昇も続き、29日(木)には金の現物価格が1オンス5,400ドルの史上最高値をまたもや更新。


 国内外に金鉱山の権益を持つ 住友金属鉱山(5713) が10.3%高となるなど、非鉄金属セクターが上昇率2位でした。


 しかし、急速な円高進行がダメージとなり、 ホンダ(本田技研工業:7267) が3.8%安となるなど輸送用機器などの外需株は低調。


 興味深いのは本来、円高が輸入コスト減少につながる内需株もさえない展開だったこと。


 内需株の多くは円安による原材料費高騰を値上げでしのぎ、好業績をたたき出しています。


 円安が続けば、「安い日本」への海外からの訪日観光客数も高止まりするでしょう。


 いまやサービス業、小売業といった内需株にとっても円高は逆風になっているようで、円高メリット株の ニトリホールディングス(9843) ですら0.7%高にとどまり、内需主力株の イオン(8267) は5.6%安と2025年12月以降、株価の下落が続いています。


 一方、半導体メモリ価格の高騰を好感してメモリメーカーの キオクシアホールディングス(285A) は23.2%も続騰。


 同社の株価は1月だけで前年末比104.7%高。2倍以上も上昇しており、今年一番の人気株になっています。


 たとえAI投資が過剰でバブルだとしても、半導体メモリや光ファイバーなどの部材メーカーはその過剰投資のおかげで今後もほぼ確実に好業績が続きそうです。


 そうした安心感から、同社のほかにも、2026年に入って株価が46.3%も上昇している半導体運搬装置の ローツェ(6323) 、38.7%上昇の半導体封止装置メーカー・ TOWA(6315) など半導体メモリ株の上昇が続きそうです。


 先週、28日(水)に終了した米国の連邦公開市場委員会(FOMC)では大方の予想通り、金利が据え置かれました。


 声明では雇用に対する下振れリスクを指摘した文言が削除されました。


 S&P500種指数はマイクロソフト以外の巨大IT企業の上昇もあり、前週末比0.34%高で一時7,000ポイントの大台乗せに成功しています。


(トウシル編集チーム)

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