先週はトランプ大統領が早期停戦を示唆したという報道で米国株はAI株中心に急反発、日本株は乱高下しました。今週はトランプ大統領のイラン総攻撃の期限が日本時間8日の午前に迫り、株価急落も考えられます。

しかし、ホルムズ海峡を日本のLNG船が通過するなど原油高騰が落ち着く見通しもあり、底堅い展開に期待できるかもしれません。


今週のマーケット:日本船、ホルムズ海峡通過で買い復活?米軍猛...の画像はこちら >>

今週のトピック:米国のイラン総攻撃開始の期限到来。小売、流通、食品企業が決算発表。米国3月CPI

日付 イベント 4月5日(日)まで ・米国がイランの橋梁や原子力施設への攻撃を警告。イランは米国戦闘機2機撃墜 4月6日(月) ・米国で3月ISM非製造業景況指数 4月7日(火) ・米国のイラン発電所などへの猛攻撃開始期限が到来(日本時間8日午前中) 4月8日(水) ・3月18日終了の米国FOMC議事録公開 4月9日(木) ・ ファーストリテイリング(9983) 、 セブン&アイHD(3382 )、 イオン(8267) などが2026年2月期決算発表
・米国の2月個人消費支出の価格指数 4月10日(金) ・ 良品計画(7453) 、 安川電機(6506) などが決算発表
・米国3月CPI、4月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値

・週末もイランによる米軍戦闘機撃墜、米国のイラン原子力発電所などへの攻撃続く! 日本の液化天然ガス(LNG)タンカーがホルムズ海峡を無事通過し、原油供給に対する安堵(あんど)感で下値は堅い?


・日本時間8日(水)午前中に米国のイラン発電所攻撃停止の期限が到来。実際に米国の猛攻撃が始まれば、株価が二番底を探る最悪の展開も?


・日本では ファーストリテイリング(9983) 、 イオン(8267) 、 安川電機(6506) などが決算発表。イラン戦争、原油高で今期の低調な業績予想が発表されると売り材料に!


・11月の中間選挙に向けて早期終戦を望むトランプ大統領が再び戦争終結を示唆すれば本格的な底打ち反転の可能性も!?


4月6日(月)の日経平均

 前営業日比82円の小幅続伸でスタート。AI関連の決算期待もあり前場ではそのまま続伸、一時900円超高となり5万4,000円を回復しました。後場になり達成売りの影響からか上げ幅は縮小、5万3,800円前半で推移しています(4月6日14時現在)。


今週のマーケット:日本船、ホルムズ海峡通過で買い復活?米軍猛攻撃なら二番底の展開も
4月6日(月)の日経平均

先週(3月30日~4月3日)の主要株価指数

  終値 前週末比 前週末比率 日経平均株価 5万3,123円 ▲249円 ▲0.47% TOPIX 3,645.1pt ▲4.5pt ▲0.12% ダウ 4万6,504ドル +1,338ドル +2.96% S&P500 6,582pt +213pt +3.36% ナスダック 2万1,879pt +930pt +4.44%

今週のマーケット:米国のイラン総攻撃の深刻度が株価の命運を決める!攻撃早期終了なら全面高も?

 今週の株式市場は7日(火)午後8時(日本時間8日午前9時)にトランプ大統領が原油輸送の要衝・ホルムズ海峡の開放などを要求して設定したイラン総攻撃開始の期限が迫っているため、緊迫した展開になりそうです。


 週末も米国・イスラエルがイランのブシェール原子力発電所や橋梁(きょうりょう)などインフラ施設を攻撃。


 イラン側は、中東諸国にある アマゾン・ドット・コム(AMZN) や オラクル(ORCL) のデータセンターを攻撃。


 トランプ大統領は「イランの防空システムを破壊した」と豪語していたものの、イラン国内では米軍機2機が撃墜され、米兵1名がイラン国内に取り残されましたが、米国特殊部隊が救出に成功しました。


 もしトランプ大統領が「地獄のような報いが降りかかる」と警告する日本時間8日(水)午前、実際に先週1日(水)の米国民向け演説で語った「イランを石器時代に逆戻りさせる」ような猛攻撃に踏み切れば、原油価格の急上昇や株価急落は避けられないかもしれません。


 ただ、11月に迫った中間選挙に向け、ガソリン価格高騰が支持率低下につながっているトランプ大統領は一刻も早くイランと停戦したいはず。


 総攻撃が再延期されたり、言葉だけの脅迫に終わったことが実際の戦闘状況から確認されれば、早期停戦を見越して株価が反転上昇に転じる可能性もあります。


 実際、3日(金)~4日(土)にかけては 商船三井(9104) のLNGタンカーなど2隻がホルムズ海峡を無事通過できたというニュースも飛び込んでおり、商船三井株は3日(金)に前日比2.5%上昇。


 現在ペルシャ湾内に足止めされている日本の原油・LNG輸送船が今週さらにホルムズ海峡を通過できるようなら、日本株が本格的に底打ち反転する期待感が高まりそうです。


 先週発表された米国の3月の雇用・景況感指数の多くが、イラン攻撃やガソリン価格高騰にもかかわらず予想外に良好な結果に終わったことも追い風です。


 1日(水)発表の米サプライマネジメント協会(ISM)の3月製造業景況指数はイラン戦争によるサプライチェーンの混乱で仕入れコストが急上昇したものの、景況感自体は予想を上回り、2月より小幅改善しました。


 3日(金)発表の3月雇用統計の非農業部門雇用者数は予想を大幅に上回る前月比17.8万人増、失業率は4.3%に低下するなど思わぬポジティブサプライズに。


 今週は9日(木)に米国の2月個人消費支出の価格指数(PCEデフレーター)、10日(金)に3月消費者物価指数(CPI)など重要物価指標が発表されます。


 変動の激しい食品・エネルギーを除く2月のコアPCEデフレーターや3月CPIは前年同月比3%を超える物価高再燃予想になっています。


 特にイランとの開戦後のガソリン価格高騰で10日(金)発表の3月CPIが急上昇するようだと、米国株が再び急落する恐れもあります。


 発言が二転三転するトランプ大統領がこの先、どう動くかまったく不透明なだけに、米国政府の不確実性リスクが引き続き、株式市場一番の急落要因になりそうです。


注目イベント:8日(水)夜のFOMC議事録公開、9日(木)ファーストリテイリング、イオン決算発表

 今週は8日(水)夜に3月18日に金利据え置きを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録が公開されます。


 原油価格高騰にともなう物価高を警戒して利下げに消極的な意見が大勢を占めていると米国株にはネガティブです。


 日本市場では、小売や流通、外食産業などに多い2月期決算企業の決算発表が相次ぎます。注目は9日(木)発表の「ユニクロ」のファーストリテイリング(9983)や国内流通大手のイオン(8267)、 セブン&アイホールディングス(3382) 、10日(金)の産業用ロボット大手・安川電機(6506)です。


 中東での戦争や原油高による原材料費高騰を受けて、日本企業の今期業績予想が低調なものになる「ガイドラインリスク」が警戒されています。


市場別マーケット動向

日本市場

 新年度が始まる4月は例年、外国人投資家の買い越し基調が続いて上昇相場になることが多く日本市場にとって支援材料です。


 今週、決算発表が本格化する2026年2月期決算企業には内需系の外食、小売、流通、食品株が多く、インバウンド(訪日外国人)需要や商品値上げ効果もあって好決算が期待される点も追い風です。


 しかし、今期2027年2月期は期初早々に中東で戦争が始まり、原油価格高騰で原材料費や資材費、輸送費のコスト上昇が業績の足を引っ張りそうです。


 多くの企業が今期の業績見通しを「未定」とする可能性も高く、株価が停滞する原因になりかねません。


米国市場

 先週の米国市場では、ホルムズ海峡を通過する船が増えていることもあり、早期停戦に対する楽観論からS&P500種指数は6週間ぶりに3.36%高と大幅上昇しています。


 人工知能(AI)関連株にも見直し買いが入り、花形株 エヌビディア(NVDA) は5.9%も上昇。


 戦争開始後に売り込まれていた米国巨大IT企業もフェイスブックの親会社 メタ・プラットフォームズ(META) が9.3%高、グーグルの親会社 アルファベット(GOOG) が7.6%高とリバウンド上昇。


 今週発表の2月のPCEデフレーターや3月CPIなど物価指標が想定内の伸びに収まり、イランとの戦闘がトランプ大統領の「地獄に落とす」という脅しとは異なり、小規模なものにとどまるようなら、株価のリバウンド上昇が続く期待感もあります。


プライベートクレジット市場

 米国では銀行を経由せず投資ファンドが企業に直接融資するプライベートクレジット市場の信用不安がじわじわと拡大しています。


 運用するプライベートクレジットファンドに対する解約が殺到して度重なる解約制限を行っている米国の資産運用会社 ブルー・アウル・キャピタル(OWL) は前週末比3.1%下落。2026年の下落率は前年末比43%に達しています。


 総額1.8兆ドル(約287兆円)といわれるプライベートクレジット市場の信用不安が米国の大手銀行や、運用ファンドに解約制限を設けた資産運用最大手の ブラックロック(BLK) まで波及すると、米国株にとって原油高に次ぐ二重苦になりそうです。


業種・銘柄の動き

銘柄 先週の騰落率 ポイント ファーストリテイリング(9983) +4.1% 先週5週間ぶりに上昇 イオン(8267) +1.3% 成長期待感はく落で急落中 エヌビディア(NVDA) +5.9% AI株見直し買いで先週は上昇 ブラックロック(BLK) +3.5% プライベートクレジット市場の信用不安にもかかわらず上昇

先週の振り返り:金利上昇小休止や値上げ期待で内需株上昇!マイクロソフトなど米国企業の日本投資が追い風に

 先週の日経平均株価(225種)はトランプ大統領が早期停戦する意向と伝わった4月1日(水)に前日比2,675円(5.24%)高したかと思えば、トランプ大統領が国民向け演説で停戦まで2~3週間かかると発言した2日(木)には1,276円(2.38%)安となるなど、乱高下が続きました。


 しかし、週間では前週末比249円(0.47%)安の5万3,123円で終了しており、4月新年度の新規資金流入もあって、意外に底堅い展開といえました。


 週間の業種別騰落率では、海外の地政学的リスクの影響を受けにくい内需株で、原油価格高騰などを値上げでしのげる可能性のあるサービス業、食料品、小売業などが上位に入りました。


 原油高によるインフレ懸念で急上昇していた長期金利が落ち着いたことも、株価が割高で金利上昇に弱いサービス業などの内需成長株にとって追い風でした。


 一方、原油価格は高止まりしているものの、利益確定売りが膨らみ鉱業セクターが下落率ワーストに。主力の INPEX(1605) は4.6%安で、実に7週間ぶりの下落となりました。


 個別株では、米国でAIデータセンター株に対する見直し買いが進んだこともあり、光ファイバー関連の花形株・ 古河電気工業(5801) が15.9%も上昇。


 3日(金)、米国の マイクロソフト(MSFT) が日本でのデータセンター構築に4年で100億ドル(約1.6兆円)を投資すると発表。関連株の さくらインターネット(3778) が13.2%高と急騰しました。


 先々週、損保会社の 東京海上ホールディングス(8766) と資本業務提携を発表した、著名投資家ウォーレン・バフェット氏が大株主の米国投資会社 バークシャー・ハサウェイ(BRK.B) が日本円建ての社債発行を準備している報道も流れました。


 米国企業の旺盛な対日本投資は今週以降も日本株の下支え材料になりそうです。


セクター・業種(上昇・下落)

銘柄 騰落率 備考・要因 サービス業 +2.25% 金利低下や決算期待 食料品 +2.00% 値上げや決算期待 石油・石炭製品 +1.81% ナフサなど石油由来製品の価格高騰を好感 金属製品 ▲3.26% 世界的な景気後退懸念 鉱業 ▲4.33% 原油価格一服で利益確定売り

(トウシル編集チーム)

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