列車に乗ると、ガタンゴトン……のほかにも車両自体が発するモーター音など様々な音が聞こえます。新型コロナウイルス感染拡大防止のため窓が開けられていることも多い最近、少しでも静かな車両を選ぶにはどうしたら良いでしょうか。
列車に乗るとき、少しでも静かな車両を探すにはどうしたら良いでしょうか。特に最近は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため窓が開けられていることも多く、トンネルなどに入れば反響し、ますます音が大きく聞こえます。イヤホンをしていても、音楽がかき消されることすらあります。
JR東海道線などで使われているE233系電車(画像:photolibrary)。
一般的に新幹線や有料特急などの車両は客室の静粛性を高め乗り心地を良くしています。料金を別途支払えば良いわけですが、毎度利用するには難しい向きもあるでしょう。
しかし車体にカタカナが書いてあるJRの電車なら、優等列車でも普通列車でも比較的簡単に静かな車両を知ることができます。
鉄道車両は、国土交通省令「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」第82条に基づき1両ごとに番号や記号が付けられ、個々の車両を識別できるようにしています。JRだと番号と、「モハ」「クハ」などといった記号の組み合わせです(数字4桁のみのJR四国を除く)。
車輪が線路と接し発生する、いわゆる走行音は仕方ありませんが、車両に搭載されているモーターの音は、「モ」を避ければある程度静かになります。
「モハ」「サハ」「クハ」の意味例えばJR山手線を利用する際、ホームに入って来た電車に「モハ」という記号が書かれていたとします。「モハ」は「モーター(モ)を搭載した普通車(ハ)」という意味です。

209系電車のうち、モーターを搭載した普通車(2013年4月、草町義和撮影)。
ほかにもパンタグラフのある車両を避けるといった方法もあります。架線から得た電気を変換する制御機などが、ほとんどの場合は同じ車両に搭載されるためです。一方で、ディーゼルエンジンなどを動力にするディーゼルカー(気動車)はひとつの車両の出力が小さいため、編成の全車両にエンジンが搭載されているケースが多くあります。この場合は、静かな車両を選ぶことは難しいでしょう。
ちなみに、グリーン車は車内の静粛性を高めるため、電車の多くの場合モーターは搭載されません。グリーン車を表す記号は「ロ」ですが、「モロ」ではなく「サロ」を多く見かけるのはこのためです。