新型コロナ感染拡大下で国内の航空会社が実施している「遊覧チャーター便」ですが、沖縄を拠点とするJTAのものは、とにかく絶景が続きます。実際にそのフライトを取材してきました。
JAL(日本航空)グループで、沖縄に拠点を構えるJTA(日本トランスオーシャン航空)が2020年12月20日(日)、那覇空港を発着する遊覧チャーターフライト「JTAで行く美(ちゅ)ら島遊覧飛行」を実施。新型コロナウイルス感染拡大下、国内航空会社で広まる「遊覧チャーター便」の取り組みですが、JTAのものはどういった特徴があるのでしょうか。実際に搭乗しました。
「JTAで行く美ら島遊覧飛行」の様子(2020年12月20日、乗りものニュース編集部撮影)。
JTAのチャーターフライトでは、同社の特別デザイン機である「ジンベエジェット(ボーイング737-800、機番:JA05RK)を用います。搭乗前のゲートには、同社の整備士が作製した精巧な木製コックピット模型「ミニレーター」の展示があったほか、前身である南西航空時代からの歴代制服を着用したCA(客室乗務員)との記念撮影も実施。さらに、同社の現役機長であり、「ジンベエジェット」の発案者である佐々木敏文機長による飛行ルートのアナウンスもありました。
「ジンベエジェット」で行く「美ら島覧飛行」はその名のとおり、ほかの航空会社の遊覧チャーターでは見られないような絶景が続くのが、大きな特徴です。
離陸後上空に上がると、いったん高度約1300ft(約400m)に満たない高さで、一旦上昇をやめます。「那覇空港ならではの離陸方法」(佐々木敏文機長)とのことですが、それゆえに沖縄本島の町や海を見渡すことができます。
その後上昇するも、通常の旅客機であれば高度3万ft(約9000m)を超える高度で巡航することが一般的ですが、この日の「ジンベエジェット」の最高高度は8000ft(約2438m)にも満たない“低空飛行”。低く飛ぶことで、少しでもよい景色を見せようという狙いでしょう。
「JTAで行く美ら島遊覧飛行」のルートは、那覇空港を出発後、沖縄本島から伊江島や久米島といった離島を遊覧し、那覇空港に戻ってくるもの。機内では、過去の制服を着用したCAによる「ファッションショー」が開催されたほか、佐々木敏文機長が「ジンベエジェット」を実現するまでのエピソードを機内アナウンスで披露しました。沖縄で有名なファーストフード店「A&W」が提供する、普段では食べることのできない沖縄特製サンドイッチBOXも用意されています。

「JTAで行く美ら島遊覧飛行」機内の様子(2020年12月20日、乗りものニュース編集部撮影)。
先述のとおりフライトを通して低高度を飛び続けるという、JTAの遊覧チャーターならではの飛行ルートでしたが、絶景のハイライトとなったのは、久米島です。ここでは1700ft(約518m)まで降下。東京スカイツリー(634m)よりも低い高度で、久米島近辺を1周しました。このときは機長の「お客さんに絶景を見せたい」という判断からか、ベルトサインは未点灯。普段の旅客便であればまず考えられないような「特別な運航」となりました。
約1時間半のフライトののち、17時前に那覇空港へ到着した「ジンベエジェット」。この日の乗客数は110人(幼児含む)でした。