2021年の夏ダイヤ初日。宮古発羽田行きの便名が「JTA22」から「JAL936」に変わりました。

実はこの変更、航空会社にとっても、そして利用者の快適性にとってもメリットがありそうです。実際に搭乗して確かめてみました。

利用者にとっては便名が変わっただけだが…

 航空業界にとって2021年の夏ダイヤ初日となる3月28日(日)、沖縄県の宮古空港を19時50分に出発し、羽田空港に22時25分に到着するJAL(日本航空)グループの便に、新たな便名「JAL936便」が設定されました。

宮古→羽田の「JTA22」が「JAL936」へ便名変更 なぜ...の画像はこちら >>

宮古空港でJAL936便としての出発を待つJALのボーイング767型機(2021年3月29日、乗りものニュース編集部撮影)。

 従来この便は、同グループのJTA(日本トランスオーシャン航空)が運航する「JTA22」という便名でした。JTA22便は、JAL936便の設定をもってなくなっていますが、ともにほぼ同じ20時前に宮古を出発し、22時すぎに羽田に着くダイヤです。つまり、利用者側から見ると、「便名が変わっただけ」といえます。

 この「便名変更」は、同日からJAL936便が運航されている羽田~宮古線のほか、沖縄のリゾート路線である羽田~石垣線、羽田~久米島線で起きています。これらの便名変更は、国内線において、2社の航空会社が旅客や荷主に対して、連帯して運送責任を負う「共同引受便」となったことで生じたものですが、この変更、運航するJALグループ、そして利用者の双方にメリットがあります。

「共同引受便」によって航空会社、利用者に生じるメリット

 宮古発羽田行のJTA22便が、3月28日からJALとの「共同引受便」となり、新たにJAL936便となったことで、JALグループにとっては飛行機のサイズを大きくできる、というメリットが生まれます。

 JTAの運航機材は、165席仕様のボーイング737-800型機の1タイプ。たとえば春休みやゴールデンウィークなどの連休にかかった場合、これではキャパシティが足らなくなる可能性があります。

一方、JALではそれより大きな200席超のボーイング767型機や、300席超の777型機を保有しており、需要が多く見込まれるときには、こちらに切り替えられるようになったわけです。

 羽田~宮古線では春休み期間の3月28日から4月4日をはじめ、ゴールデンウィーク、7月~10月といった需要が大きく見込まれる期間には767型機を投入、それ以外は737型機を用います。

宮古→羽田の「JTA22」が「JAL936」へ便名変更 なぜ? 生じる「一挙両得」のメリットとは

宮古空港のJTA機(2021年3月29日、乗りものニュース編集部撮影)。

 一方で乗客にとっても、同じ乗客数であればとうぜん席数が多い大型の飛行機のほうが、圧迫感が少なくて済むほか、座席指定のバリエーションも増えます。ちなみに3月29日(月)に搭乗取材を行ったボーイング767型機「JA610J」は国際線仕様機だそうで、機内Wi-Fiこそ使えなかったものの、座席周りや化粧室の数などは豪華になっていました。また、767型機は座席仕様が横2-3-2列なので、人に挟まれる中間席にあたる可能性も、737型機の3-3列より低くなります。

 JALグループでは、新型コロナウイルス感染拡大で海外旅行への渡航制限が生じるなか、沖縄方面の国内線を強化する方針を打ち出しており、今回の「共同引受便」の設定もこの一環といえるでしょう。JTAは3月28日から中部発着路線を強化しており、中部~石垣線を再開したほか、新たに中部~宮古線を設定しています。

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