新型コロナ感染拡大でリアルでの実施が難しくなってしまったJALの格納庫見学。そのようななか、JAL、ジェットスター・ジャパンがオンラインで格納庫ツアーを実施しました。
JAL(日本航空)では平時、社会貢献活動の一環として、入場無料の格納庫見学などを中心とした「スカイミュージアム」を羽田空港で実施しています。ただ、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、これを現地で開催することは難しい状況になっています。
そのようななか進んでいるのが、オンラインでイベントを実施する取り組みです。JAL(日本航空)を中心に、2021年6月に開催された「おやこで楽しく!!リモート社会科見学」。ただ、このイベントのポイントは、ただ「オンラインで格納庫ツアーをする」ことではありません。
「おやこで楽しく!!リモート社会科見学」で格納庫に並べられた2社の機体(画像:JAL)。
今回実施された「リモート社会科見学」では、LCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンとコラボしました。ジェットスター・ジャパンがこういったオンラインイベントを実施するのは、今回が初とのこと。
配信では、JALはおもに航空機整備の様子を、ジェットスター・ジャパンはおもに出発前準備の様子をVTR形式で紹介するほか、2社のスタッフ2名ずつ、計4名がライブ配信で案内役となり、参加者からの質問に答えています。
また、その内容自体もポイントです。今回は2社の拠点がある成田空港でVTRが作られました。
一方、ジェットスター・ジャパンでは、同社の機体からエンジンを取り外すレアな整備作業シーンを公開しました。その後同社では、飛行機の地上支援業務「グランドハンドリング」にスポットをあて、機体のタイヤに窒素を注入のするシーンのほか、出発時に車両を用いて機体をバックさせ、所定の位置まで連れて行く「プッシュバック」の裏側などを放映しています。
今回の企画は異業種連携による働き方改革推進コミュニティ「MINDS」がリモート社会科見学を企画立案。企画実施に向けて「MINDS」運営事務局を務めるマイクロソフトよりJALが提案を受けたことから、JALグループ内の社内ベンチャー「W-PIT」が企画を実現し、2020年に羽田整備工場での「リモート社会科見学」を開催。この取り組みに共感したジェットスターとJALの社内ベンチャーチーム「W-PIT」が協力することで、今回の企画が実現したとのことです。

「おやこで楽しく!!リモート社会科見学」配信中の様子(2021年6月、乗りものニュース編集部撮影)。
JALとジェットスターの2社の企画者は、「普段ではお見せできないところをお見せする、といったコンセプトで企画を進めました」と今回の「リモート社会科見学」について話します。
JALの担当者は「エンジンの試運転の現場を見ることは、本当にごく限られています。偶然にもこのシーンと撮影日が重なったことで、お客様に見せることができました。