北九州拠点、というのも独自性の理由かも。
異色イベントはどう実現?北九州を拠点とする航空会社、スターフライヤー。
この独自性は、新型コロナウイルス感染拡大下、航空業界が苦境に立たされているときも健在。同社は平時パイロットが実際の訓練で使っているフライトシミュレーターを一般客が体験できる異色のイベント、「FFS Dream Flight」を企画し、2021年9月現在も不定期で実施しています。
このシミュレーターはコックピットの計器類の再現性はもちろん、操縦をするとシミュレーター内が動き、内部の人は実機さながらの振動や加速度を感じられる、というのがポイントです。
スターフライヤー機(2021年4月、乗りものニュース編集部撮影)。
実はこのイベント、コロナ前から温められていたものでもあります。機長の星川鍾根さんは「シミュレーターを導入してから、パイロットが訓練に使用していない時間の活用法が課題となっていた」と話します。「私が小さいころ、コックピットに入れてもらった感動体験がありました。現在は(保安上の理由で)入ることはできませんが、それをシミュレーターで叶えられればと思い、(実現に向けて)頑張りました」とイベント実施の経緯を話します。
ただ一般の人がシミュレーターを体験できる時間は1時間ほど。平時実機を操縦しているパイロットから見て、スターフライヤーはどのような特徴があるのでしょうか。
見えてきた「スタフラパイロット」らしさ取材に応えた星川機長は、パイロットから見たスターフライヤーならではのポイントとして、拠点とする北九州空港の特徴を挙げました。
「北九州空港は24時間運用が可能です。そのため、スターフライヤーの95便(羽田→北九州)は国内線にも関わらず、日をまたぐ珍しいフライトとなっています(翌0時35分北九州着。現在は運休中)。そのため年に1回、この便は機内のなかで年を越せます」(星川機長)

スターフライヤー機、実機のコックピット(2021年4月、乗りものニュース編集部撮影)。
北九州空港を拠点とするフライトについて星川機長は「比較的新しい空港ではありますが、まわりには以前からあった自衛隊の基地や山口宇部空港などもあるので、空域的には他機が多く、オペレーション上も気をつける必要があります」と話します。
なお、コロナ禍においては、国内のほかの航空会社同様に、同社も大幅な減便を余儀なくされているそうです。星川機長は「一時期は3分の1程度」まで操縦機会が減ったとも。ただ「基礎はしっかり叩き込まれている」とし、「いつかは人々の移動が必ず戻ると信じて、しっかりお客様を迎え入れる準備をしています」と話しました。
【現役機長にガチ取材!】スターフライヤーの異色イベントに独占密着(動画)