JR西日本などが毎年冬、「Japanese Beauty Hokuriku キャンペーン」を展開しています。北陸は冬、観光客数が減ることが背景にありますが、「冬の北陸」は魅力が低いのでしょうか。

実際に「冬の北陸」を旅してみました。

毎年冬にキャンペーンをする理由

 JR西日本とJR東日本JR東海が毎年冬、「Japanese Beauty Hokuriku キャンペーン」を展開しています。北陸地方への誘客キャンペーンで、2021年度で17回目。2022年3月31日(木)までの開催です。

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雪のなかを走る北陸新幹線(画像:画像:pixta)。

 なぜ冬にキャンペーンを行っているのかというと、やはり冬は観光客数が落ちるそうで、その対策という面があります。

 石川県観光戦略推進部「統計からみた石川県の観光」でコロナ前、2019年の月別観光入り込み客数を見ると、1月から3月までが4724千人、4月から6月までが7735千人、7月から9月までが6804千人、10月から12月が5635千人でした。

「冬の北陸」、魅力が低いのでしょうか。また、どんな魅力があるのでしょうか。実際に2022年1月、旅をしてみました。

「冬の北陸」はコントラスト

「冬の北陸」を旅してみて、感じたこと。まず「コントラストの美しさ」です。

 能登瓦が知られるように、黒い瓦屋根の家屋が多く、その冬景色はまるで水墨画のよう(加賀の赤瓦なんてのもありますが、それはそれでセピア色のコントラストに)。

「冬の北陸」は魅力が低いのか?行って確かめてみた
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古い町並みが残る富山市八尾町(2022年1月、恵 知仁撮影)。

「おわら風の盆」が有名な富山市八尾町には古い町並みが残っており、その黒~茶の建物にも、白がよく似合っていました。ちなみに、富山市内の対象施設に宿泊すると「八尾おもてなしパスポート」がもらえ、「おわら風の盆」グッズ引き換え、八尾曳山展示館への無料入場といった特典があります(3月30日まで。無くなり次第終了)。

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越前打刃物の製造現場を見学できる「タケフナイフビレッジ」(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 伝統的な「越前打刃物」の製造、販売を行う福井県越前市の「タケフナイフビレッジ」。しんしんと雪が降る屋外から入ると、赤く熱せられた鋼を打つ音が反響していました。この「静」と「動」のコントラストも、印象に残っています。

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錫板をたたいて模様を描いていく「すずがみ作り体験」(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 鋳物の街である富山県高岡市の「高岡御車山会館」では、薄い錫板を金づちでたたいて成形する「すずがみ作り体験」を行え、その鍛造風景に近い面白さを、自分の手で感じることができました。

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幻想的な青林寺のライトアップ(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 鮮烈なコントラストもありました。石川県七尾市の和倉温泉にある青林寺。国登録有形文化財「御便殿」でライトアップを行っており、その様子はなんとも幻想的。屋外を照らすライトが消灯された黒い室内と強烈な対比を見せるうえ、ライトの色が次第に変化し、ファンタジー世界のようでもありました(この「青林寺ライトアップ&贅沢ティータイム」は和倉温泉宿泊者限定。この冬は2月26日まで)。

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兼六園の隣にある金沢城跡を背景に(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 石川県金沢市にある「日本三大庭園」のひとつ「兼六園」付近では、着物で人力車に乗ることが可能(「VASARA金沢兼六園店」で着物のレンタルと人力車、スイーツがセットになったプランを発売)。雪景色のなか、絵に描いたような「日本の冬の美」が、そこにありました。

無数の足がウネウネする冬 言い換えれば「得」なのか

「冬の北陸」、その魅力として「食」は欠かせません。

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口の中で広がってとろけた富山湾鮨(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 富山県内のすし店15店で利用でき、特典もつく「富山湾鮨セットクーポン」3500円を使って、富山城跡近くの「写楽」で昼食。口の中でとろけていきました。

脂がのった寒ブリが。このセットクーポンは大好評で、10周年を迎えたそうです。

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ズワイガニがズラリとならぶ近江町市場(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 金沢市民の台所「近江町市場」では、たくさんの足がウネウネしていました。「冬の北陸」を代表する味覚、見るからに旨そうなズワイガニ(加能ガニ)たちです。それで味覚を満たすには財布のヒモを結構緩める必要がありますが、視覚だけでも旅情を大いに満たせます。

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越前の伝統工芸品と一緒に味わえた「天皇の料理番 秋山徳蔵トリビュートセレクション」(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 先述した、打刃物で知られる福井県越前市。大正から昭和にかけて「天皇の料理番」として活躍したという秋山徳蔵さんの出身地で、同地の料亭「萬谷」にて、「天皇の料理番 秋山徳蔵トリビュートセレクション」を味わうことができました。こだわりのヒレカツ、煮さば寿司などの美味しさは言うまでもないのですが、ここでは越前打刃物のカトラリー、越前和紙のランチョンマット、越前漆器の椀といった伝統工芸品を使用。そのナイフの切れ味といったら……! その点でも味に満足した食事になりました。

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福井駅近「福福茶屋」のおろしそば。
同店では様々な郷土料理を味わえる(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 大根おろしとダシで食べる、福井の郷土料理「おろしそば」。辛そうにも思うのですが、いやいやどうして、逆に甘みを感じるほど。新そばや大根の時期を考えると、冬はそれを味わうのに向いたひとつのタイミングでしょう。福井駅周辺の店舗で使える「福井県産『そば食べ歩きクーポン』」も用意されています。

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JR西日本がアプリ「WESTER」で行っている「北陸5つの美めぐり スマホ de スタンプラリー」(2022年1月、恵 知仁撮影)。

 観光客が減るという冬の北陸。日が短いだとか寒いだとか、また降雪がマイナスになる部分もあると思いますが、このように冬ならではの良さはあるほか、キャンペーンはそのテコ入れとして行われるワケですから、言い換えれば、ある意味お得です。JR西日本はアプリ「WESTER」で、北陸ゆかりの賞品が当たるスタンプラリーも、このキャンペーンに合わせて開催しています。

 2023年度末には、北陸新幹線が金沢駅から福井県の敦賀市まで延伸される予定。北陸新幹線は雪に強いですし、交通の利便性が高まっていくなか、今後ますます「冬の北陸」は注目かもしれません。

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