鉄道や国道の日本最高地点はよく知られていますが、高速道路ではどうでしょうか。いわゆる“山道”ではない快適な線形の高速道路も、実はかなり高い場所に作られています。
日本の国道最高所は標高2172m。群馬県と長野県を結ぶ国道292号「渋峠」です。では、高速道路の日本で一番高い場所はどこでしょうか。
東海北陸道(画像:NEXCO中日本)。
2022年現在、「高速道路の標高日本一」という看板が掲げられているのは、中部地方を横断する東海北陸道の松ノ木峠PA(岐阜県高山市)付近です。標高は1085mで、下りは本線上の看板のすぐ横にPAもあります。なお2000(平成12)年の開通以前は、中央道の最高地点1015mが日本一とされていました。
ただ、これは厳密には、いわゆる高速自動車国道の標高日本一であり、自動車専用道を含めた広義の高速道路で見ると変わってきます。
東海北陸道と同じくNEXCO中日本が管理する長野・岐阜県境の「安房峠道路」は、もっと高いところを通っています。峠の標高は1790mで、その直下を貫く安房峠道路の安房トンネルも標高1373mです。
では、標高ではない「地上からの高さ」ではどうでしょうか。これも東海北陸道が日本一です。
では反対に、高速道路で「日本一低い場所」はどこでしょうか。
これは、東京湾アクアラインのアクアトンネルです。最も深いところで海面下60mになります。

アクアトンネル入口(乗りものニュース編集部撮影)。
海底ではなく地上からの深さでいうと、日本一長い道路トンネル(18.2km)でもある首都高C2中央環状線の山手トンネルになると思われます。山手トンネルは内部で最大40mほどの高低差があり、最も深いところは地上から60m。その地点は大橋JCT付近、地上でいえば渋谷区と目黒区の境にかかる山手通りの渋目陸橋付近です。
ちなみに首都高で最も高いところは横浜ベイブリッジで、路面の高さは海抜69.2mです。