青森県の三沢基地・三沢空港は国内で唯一「米軍・空自・民間」が乗り入れる特殊な飛行場として知られています。この基地色の濃いこのエリアにひっそりと佇む民間空港「三沢空港」もまた特殊です。
2022年3月、ノースロップ・グラマンが開発・製造する大型の無人偵察機(UAV)、RQ-4B「グローバルホーク」の航空自衛隊向け1番機が、青森の三沢基地に到着しました。この三沢基地および三沢空港は、実は国内で唯一「米軍・空自・民間」が乗り入れる特殊な飛行場として知られています。
そのなか民間機が乗り入れる三沢空港は、この基地色の濃いこのエリアにひっそりと佇む民間空港です。どのようなところなのでしょうか。
三沢空港(2022年3月、乗りものニュース編集部撮影)。
三沢空港は、その特殊な環境下から民間機の発着が1日7往復までと制限されています。そのこともあって県内発着の民間便は、青森空港発着便が多数派となっています。その一方、国土交通省が実施する羽田空港の「政策コンテスト枠」で、JAL(日本航空)の羽田~三沢便が、従来の1日3便から4便へ試験的に増便されており、三沢市近隣自治体から注目を集める空港でもあります。
空港ビルは、基地の南東の端にあります。1985年建設とあって、ところどころ年季を感じるつくりです。ターミナルの旅客エリアは2階建てで小ぢんまりとしたもので、駐機場は3機ぶんあるものの、搭乗口は1つだけ。軍民供用の滑走路につながる誘導路(取付誘導路)も1本しかありません。
ただ、この空港には、ビルの外に基地色の強いこの空港ならではともいえる、とてもユニークな機構が存在します。
鉄の関所が存在? 三沢空港三沢空港の駐機場から滑走路へと行き来する誘導路には、数十mはあるであろう、大きな可動式のフェンスがあります。このフェンスは民間機の発着があるときに限り開かれるようになっているのです。それ以外の時間はフェンスが閉鎖され、滑走路へは行くことができません。民間機の到着が近づくと、数分かけてフェンスがスライドし、誘導路が“開通”します。
なおこのフェンスがある誘導路のかたわらには、警備担当者向けと見られる詰所があり、民間機の発着があり“関所”が開く際には、担当者が誘導路を監視する場面も見られます。
三沢空港(2022年3月、乗りものニュース編集部撮影)。
ちなみにこの三沢空港、2022年3月の取材時はターミナル内も一風変わった内装が採用されていました。空港の展望デッキにある「MISAWA」の文字は、通常の赤ではなく極彩色に。このほか、空港内の至るところにアートが飾られていました。
これは、JALと福祉実験ユニット「ヘラルボニー」の2社で実施される取り組みの一環で、3月31日(木)まで、空港内でのアートラッピングの実施や飛行機の廃材を利用した作品の展示などを行っていたとのことです。

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